- 出演者
- 所ジョージ 渡辺裕太 平井文彦(Tokyo Bug Boys) 武石鈴香
オープニング映像が流れた。
生き物の魅力を間近に感じられる自然観察園を作るシリーズ企画「目指せ!いきものの森」。部隊は浅間山の北部に広がる群馬県嬬恋村の中にある生き物に夢中になって幸せにできそうな森である。これまで整備の一環として行った調査で幻想的に光を反射するヒカリゴケや美しいミヤマカラスアゲハなど様々な生き物たちの様子を見ることができた。そんな中、冬に偶然見つけた冬眠中のヤマネ。今度は活動中のヤマネを観察したいということでヤマネの共同調査を行う新しい仲間と共に、カラマツ巣箱を設置。果たしてヤマネは巣箱を使うのか。さらに「続・虫好きたちの昆虫観察会」となる。未紹介昆虫を大放出となる。
ヤマネの活動期の観察をするために調査を始めたという。まずは「天然記念物 ヤマネの調査」となる。2025年1月の森林整備で平井さんがカラマツを間伐。するとその木の樹洞から姿を見せたのはヤマネであった。日本の固有種で一属一種として知られるヤマネは1975年に国の天然記念物に指定された。花粉や花の蜜・果実を食べる他、昆虫も食べる雑食性である。リスのような見た目からドングリやクルミを食べると思われがちだが、アゴが弱く硬いものは苦手である。いきものの森がある標高が高く気温が低い地域では半年近く冬眠状態で過ごすことが観察されている。そんなヤマネは活動期にはどのように過ごしているのか、専門家によると「ヤマネは朝寝る夜行性なので寝る場所もその日によって転々と変わる」とのこと。野生動植物の調査・研究や環境保全・環境教育を行っている藤吉正明さんがやって来て、いきものの森をフィールド調査に利用することとなった。
調査前には森の間伐材で巣箱作りを行い、沢山の巣箱が完成。イメージする鳥の巣箱は外側に穴があると思うがヤマネの巣箱には穴がなくヤマネが歩いてくる木の右側に穴が開いていた。こうすることで鳥などが使う可能性を下げる工夫である。2025年6月、巣箱の設置が行われた。国の天然記念物を調査するので、大学から国と自治体に申請を行っていきものの森の15か所に設置した。ヤマネは巣穴が決まっていないが、子育てする時だけメスは巣を作るという。つまりヤマネが子育てをしていれば痕跡が残ることとなる。繁殖期の夏は観察を休止し、10月に入り観察を再開。コケや樹皮がヤマネのサインとなる。巣箱を明けてみると葉っぱが大量に入っていた。他の巣箱にはコケや樹皮が沢山入っていたが、ヤマネの気配がなかったので巣材を観察。
10月に入り観察を再開。コケや樹皮がヤマネのサインとなる。巣箱を明けてみると葉っぱが大量に入っていた。他の巣箱にはコケや樹皮が沢山入っていたが、ヤマネの気配がなかったので巣材を観察。
- キーワード
- ヤマネ
巣箱の近くの低木を見てみるとひょうたんのような形をした赤い実をつけるオニヒョウタンボクがあった。ささくれたような樹皮をしているため、剥がして巣材に利用しやすいのかもしれないという。いきものの森は天然記念物が生活する豊かな森であった。
巣箱を設置した6月、川の生き物を観察してみた。川底を網ですくってみるとニッコウイワナがいた。吾妻漁港によると、下流で放流したイワナがいきものの森まで遡上する可能性は低く上流の池でイワナが生息していて放流の記録がないという。この森で見られたイワナは天然イワナの可能性が高いとのこと。またカゲロウの仲間の幼虫やカワゲラの仲間の幼虫やトビゲラの仲間の幼虫もいて、水生昆虫はイワナのエサになっている。いきものの森でライトトラップを行うと、夏の間は沢山のカゲロウやトビケラの成虫がやって来る。水生昆虫はヤマネが冬眠を乗り切る栄養源となっていた。
2005年に目がテンで実際にイワナが陸を移動する姿を撮影していた。水がなくなった川に見立てた実験装置の上をイワナが移動していく。水深が浅い源流域で生き残るために陸上を移動する能力を獲得したと考えられている。
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- イワナ
夏に行った昆虫大好き俳優・片桐仁と行った昆虫観察会。倒木の前で半日を過ごし、倒木にはまだ昆虫ロマンがあることがわかった。体よりも長い針を持つハチの一種であるオナガバチがいた。長い産卵管を木に突き刺し、他の虫の幼虫に卵を産みつけていく。木の中の幼虫を探しているオナガバチは幼虫が動くかすかな振動でおおまかな位置を把握し、さらに触覚で匂いの出ている場所をピンポイントで探している。ターゲットの気配を感じると体を変形させ、産卵管を木に突き刺しやすい形態になり腹部に産卵管を「の」の字状に収め木に垂直に強く押せるよう安定させていく。産卵管を木に刺し込んでいくがここからもう一段階体を変形させ、針が差し込んでいくごとにお腹の膜が小さくなり針が割れた。オナガバチの産卵管は3つの棒状パーツでできており、産卵用の管を鞘になる2本の管で包んでいる。鞘の先端はノコギリ状になっていて、それを交互に動かすことで木に入り込んでいく。それに合わせて産卵管も木に入っていく。
自然が豊かな清流にすむニホンカワトンボやアサヒナカワトンボ。両種の区別をつけることは非常に難しく、遺伝子を調べて判定する必要があることも。みどころたくさんのいきものの森だが来シーズンはもっと多くの人に自然観察を楽しんでもらえるよう、さらなる整備予定となる。
所ジョージは「素晴らしい撮影ですね。あんまり興味がないけどずっと見ちゃう」と話した。武石鈴香は「あの倒木には1匹だけではなく沢山のオナガバチがいたので何匹も刺していく様子を見てたらあっという間に時間が過ぎていた」と話した。
「所さんの目がテン!」の次回予告をした。
