2026年7月18日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【西洋絵画の革命児・絹谷幸二と子ども達…ヒロシマ平和への祈り】

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(オープニング)
今回は…

今回は広島県にある下瀬美術館で開催された絹谷幸二とその子どもたちの作品を紹介。

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下瀬美術館広島県明日香村小委員会絹谷幸二長野オリンピック高松塚古墳
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
広島アーティスト一家の夏×戸田菜穂 3人の芸術家の軌跡

戸田菜穂がやってきたのは広島県大竹市にある下瀬美術館。2023年に開館し、世界的な建築家の坂茂が設計した。水面に映える8つのカラフルなキューブの展示室と、メインの企画展示室が連なる美しい姿。現在LA VITA 絹谷幸二×幸太×香菜子が開催中。

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LA VITA 絹谷幸二×幸太×香菜子下瀬美術館坂茂大竹市(広島)
広島 アーティスト一家の物語 太古の石の祈り

下瀬美術館では絹谷幸太の彫刻作品があり、楠の枯木に世界各地で採掘した石が綺麗に並ぶ。反対側の大小のくぼみは爆弾のクレーターを表現した。共存と破壊が表裏一体のこの世界に平和のハーモニーを奏でたい。

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LA VITA 絹谷幸二×幸太×香菜子下瀬美術館絹谷幸太表裏一体
広島 アーティスト一家の物語 動物の表情が語る

次の箱には次女の絹谷香菜子日本画が。無表情の動物たちが人間のようにまっすぐ見つめてくる。心の内を見透かされるようで、思わず自分の内面と向き合ってみたくなる深い視線。

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LA VITA 絹谷幸二×幸太×香菜子下瀬美術館瞳のさきに潜む思い
広島 アーティスト一家の物語絹谷幸二 洋画の革新

絹谷幸二の作品のエリアはメインの企画展示室に。色彩が溢れんばかりの空間に。オープン・ザ・ボックス・オブ・パンドラはトーテムポールのような強いオーラを放つ立体作品も。喝破という作品は大爆発を背景に大威徳明王が悪を成敗している。絹谷の名を一躍知らしめたのは1973年に制作されたアンセルモ氏の肖像。人の姿を描いているが、内側から弾けとんだような色と形のかたまり。この絵は発表当時に日本の絵画を10年先に進めたと言われた。

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LA VITA 絹谷幸二×幸太×香菜子アンセルモ氏の肖像オープン・ザ・ボックス・オブ・パンドラ下瀬美術館喝破広島県絹谷幸二
広島アーティスト一家の物語 絹谷幸二 洋画の革新

絹谷幸二は1943年に奈良市で生まれた。両親は幼い頃に離婚し、寂しさを紛らわそうと絵を描き始めた。幼い頃から古都の仏教美術に親しんできたことも感性を育んだ。東京藝大に進学すると夢中になったものはフレスコ画。

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奈良市(奈良)東京藝術大学法隆寺絹谷幸二
広島アーティスト一家の物語 過去から学んで道を拓く

イタリア・ヴェネツィアは太陽と水の都で、絹谷幸二は28歳の時に妻をつれてこの街に留学した。美術学校で没頭したのはヨーロッパ最古と呼ばれる絵画技法のフレスコ画。壁に漆喰を塗ってそれが乾かないうちに絵の具をのせて描く技法で、乾くと表面が結晶化し、1000年以上経過しても色褪せない。2年半必死に勉強して、帰国した時にたずさえていた一枚のフレスコ画作品がアンセルモ氏の肖像だった。ヴェネツィアンレッドの独特な赤みを背景に、人物はカラフルな色。イタリアの太陽のもと、強烈な色彩感覚を身に着けていた。かろうじて人の姿を保っているものの、今まさに崩壊していく途中のようにみえ、複雑な心の内を形に。アンセルモ氏は、ヴェネツィアで知り合った気鋭の画家のことで、人間関係に悩み、精神のバランスを崩して行方不明に。よく見ると口からは勢いよく色差が飛び出し漫画の吹き出しのような文字が描かれる。仏教芸術には空也上人立像のように念仏の文字を可視化する作品が。そんな古の表現を取り込んで、独自の芸術を編み出した。それまでの日本の絵画にはない様々な表現が評価された絹谷は画壇の芥川賞と呼ばれた安井賞を、史上最年少で受賞した。

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アンセルモ氏の肖像ミケランジェロ・ブオナローティヴェネツィア(イタリア)天地創造安井賞康勝日本経済新聞出版社最後の審判空也上人立像絹谷幸二絹谷幸二自伝
広島アーティスト一家の物語 画家は時代の証言者

その後、絹谷の絵は強いメッセージを発信するものへと進化した。広島の悲劇に涙する女性の頭部は、原爆ドームのように。希望を感じさせる絵になっている。また各地で勃発する戦争を正面から描いた。木の板の兵士のようにイエスかノーか答えを迫るだけでは悲劇を生むことになるという意味合いの作品も制作した。

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MAYUMIイエス・オア・ノー広島平和記念碑(原爆ドーム)絹谷幸二
広島アーティスト一家の物語 親子の絆…鎮魂の石

21年に文化勲章を受賞した絹谷幸二。芸術家として名を挙げたが去年、アトリエで新たな作品にとりかかっていた中でこの世を去った。下瀬美術館の展覧会は子どもたちが父の思いを受け継ぐ場となった。岡山県の矢坂山は墓石などで使用される万成石の採石場。長男で彫刻家の幸太さんはこの石で新作を作ろうとしていた。幼い頃に父とイタリアで過ごし石の文化に親しんだことが彫刻家になるきっかけに。

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下瀬美術館文化勲章矢坂山(岡山)絹谷幸二
広島アーティスト一家の物語 親子の葛藤を超えて

下瀬美術館の屋上には絹谷幸太の手掛けた万成石を彫刻した新作が展示されている。Stone Remembers(石は記憶している)は、塔のようなシルエットで縦にスリットが入っている。隙間から見える彼方の景色。これがこの作品のテーマ。絹谷幸太は、下瀬からちょうど広島の原爆の爆心地に直線を引いたが、それを伸ばしていくと人類が初めて核実験を行ったアメリカのニューメキシコ州のトリニティに重なったという。中には風鈴があったが父の幸二のアトリエで鳴り続けていたものだという。次女で日本画家の香菜子さんも父への思いを作品に込めていた。父に反発するように日本画を志したが、その絵に変化は?

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Google EarthStone Remembers(石は記憶している)ニューメキシコ州(アメリカ)下瀬美術館絹谷幸二

絹谷幸二の次女で日本画家の香菜子さんも父への思いを作品に込めていた。下瀬美術館での展示にむけて、新作の仕上げにかかっていた。子どもの頃から動物の絵を描くことが好きだった香菜子さんは、父のカラフルな世界とは反対に、水墨の表現を追究し、動物を深く見つめる作品を描いてきた。新作のモチーフになったのは10年前に描いた作品。墨の濃淡で描かれた動物たちの静かな世界。あえて父とは違う道を選んできた香菜子さん。その新作はかつて墨で描いた一枚が岩絵具の色彩で生まれ変わった。鮮やかな動物たちが争わずに生きる世界の調和。反発してきた色彩の画家の父の幸二へのオマージュにあふれていた。

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Dawn of Symphony下瀬美術館光を抱く-Lucia-動物たちの楽園瞳のさきに潜む思い Wolf絹谷幸二
広島アーティスト一家の物語 絶筆に込めたメッセージ

戸田は最後に絹谷幸二が亡くなる直前まで描いていた作品と出会った。平和への祈りは画面の中央に真紅の太陽と赤富士、乱舞するカラフルな光の帯の中を二匹の龍と一頭の虎が睨み合っている。生前に絹谷は、色彩はそれぞれの人が思い切り人生を謳歌し、新しい発見をして楽しく生きると語っていた。そのアトリエはいつも色彩に溢れていた。絹谷幸二の妻の宏美さんは、夫は病に伏していても絵を描きたいとアトリエに何度も戻ってきていたと語った。

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下瀬美術館平和への祈り広島城絹谷幸二

戸田は最後に絹谷幸二が亡くなる直前まで描いていた平和への祈りを鑑賞。その絵の中には広島城が。広島城は原爆で倒壊したが、戦後に市民の熱い思いによって再建された。

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下瀬美術館平和への祈り広島城絹谷幸二
(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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