2024年6月30日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
徹底分析 アメリカ大統領選挙

出演者
伊藤雅之 牛田茉友 
(オープニング)
オープニング

オープニングでは専門家とともにアメリカ大統領選挙の焦点、今後の行方を見ていく。

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アメリカ合衆国大統領選挙

先週行われた討論会、政策論争が行われた一方で激しい非難の応酬となった。討論会ではバイデン大統領がことばに詰まる場面にも注目が集まった。11月の大統領選挙に向け支持率が拮抗している両者、先月有罪評決がくだされたばかりのトランプ前大統領はなぜ今支持を集めているのか、バイデン大統領の支持は伸び悩んでいるのか。大統領選挙の行方が世界に与える影響をどう考えればいいのか徹底分析する。

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アメリカ合衆国大統領選挙ジョー・バイデンドナルド・ジョン・トランプ
(日曜討論)
テレビ討論会は

テレビ討論会は選挙の勝敗を左右するとも言われる重要な直接対決の場。これまでは夏の党大会で候補者が指名されてから行われていたが今回は異例の早期開催だった。討論会では経済政策、人工妊娠中絶など主要な争点について議論が交わされた。CNNテレビの調査ではトランプ氏のパフォーマンスが良かったと答えたのは67%で大きく上回りニューヨーク・タイムズではバイデン氏の不安定さを指摘し選挙戦から撤退すべきとの社説を掲載した。元駐米大使の藤崎氏は「30年くらい大統領選を見てきたが討論会でこれほど品がなくお互い嘘つき呼ばわりするのは初めてで残念だった。中身を見るとトランプさんも事実と違うことを言っていてイエロー・レッドカードのようなことをしたがバイデンさんが迷走、オウンゴールをした感じ。討論会で一番大事なのはパフォーマンスなので」などと話した。中林氏は早い開催となった討論会について「両陣営が利害の一致だった。バイデン氏は元々討論会に出たくなくてトランプ氏はやりたかった。前回は罵倒で声が聞こえなくなる最悪と言われた討論会だったが今回はマイクオフで早めなら挽回もなんとかなるという落とし所だった」などと話した。

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今後の選挙戦は

中林さんは民主党内でバイデン大統領はこのままでいいのかという候補者の交代について「6割の確率でバイデン氏を取り替えたほうが良いんじゃないのかっていう結論が実現するんじゃないかという声が結構ありました。」などと話した。鈴木さんは「まずは現職有利のルールはあるのでバイデン大統領自身が辞めると言わないといけない。次誰になるのか方法が確立していないので平場の投票で選ぶしかないだろう。」などと話した。バイデン大統領に影響力を与えるものがあるとしたらどこにあるのかについて藤崎さんは「家族・側近・党の重鎮・マスコミ、民主党全体。一番影響力があるのはご家族がどういう風に判断して話をするかっていうことじゃないかとみられる。」などと話した。副大統領の候補をどうするかについて三牧さんは「トランプ候補が誰を選ぶのかが話題になっていて、民主党はハリス副大統領が人気がないという状況は痛いところです。」などと話した。

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中林さんは副大統領について「トランプ氏がどういう副大統領を選ぶのか色んな議論が出ています。2020年の大統領選挙を認めないというのがトランプ氏への忠実心の証拠だという踏み絵になっている。非常に異例な副大統領選びのロジックになっている。」などと話した。藤崎さんは「カマラ・ハリス副大統領は人気はあんまりないんですけど、実は副大統領は人気があることがあんまりないんですよね。国境管理と都市の治安とかいう最も難しいことを与えられ阻害された形で使われていますから。」などと話した。こうした状況が与える経済や国民の意識への影響について安井さんは「民主党の大統領候補はバイデンさんだっていうのはずっと前からそうだろうと思ってたことですから、これが揺らいでくるっていうのは経済の立場からみると先が見えにくくなる。マーケットも含めて緊張感が高くなってくる。大事なのはこれが議会の選挙にどういう影響を与えるのかというところだと思っています。」などと話した。トランプ氏の誇張発言を世界がどう見ているのかについて鈴木さんは「経済と同様、外交安全保障の世界でも予見可能性というかどういったコミットメントをするのかと言う時に、事実に基づかない判断をするということですごく大きなリスクだという風に思ってはいると思うんですけど、同時にバイデン大統領の行動が適切なのか。色んな意味で外交には不安が残る状況になっているんじゃないかな」などと話した。

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経済政策は

アメリカの消費者物価指数は3.3%上昇と、インフレへの懸念は和らいでいるものの依然として数字は高い状態が続いている。また、雇用統計では非農業分野の就業者数は27万2000人増と予想を大きく上回った。バイデン氏は雇用創出・雇用確保を強調した一方で、トランプ氏はインフレが国を殺そうとしていると批判している。安井氏はアメリカの景気回復は優等生のような存在となっていて、インフレが急速であり値下げも行われないことから困惑の声は存在するのが実情と指摘。若い世代は住宅価格が急騰する中で家を買うことが出来ない形だとしている。三牧氏は若い世代から指示を集めたバイデン氏だが、若い世代ほど恩恵を受けていない形となってしまっていると指摘。中林氏はバイデン氏はトランプ氏がコロナ政策で支出したことがインフレにつながったと批判したがバイデン政権でも財政出動が行われていたが、トランプ氏も中国製品に60%ほどの関税をかける・金利を下げるためにパウエル議長を交代させるといったインフレの可能性のある政策を主張していると指摘。鈴木氏は保護主義的な政策が取られる中で、中西部ラストベルトの労働者を保護することも求められているが、ラストベルトの保護は両候補が考えているものだとしている。藤崎氏は30年でアメリカの経済が変化し、製造業の労働者人口は1998年には1800万人だったのが、2011年には1100万人まで減少したと紹介し、トップの0.1%が持っている国の富はかつては1.8%だったのが2020年には18%まで増えていると紹介し、失業率が下がっていても物価が挙がってしまっていることが批判されてしまっていると指摘。

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移民政策は

移民問題をめぐりバイデン氏は国境警備隊を増員し法律を改正することで不法移民を減らすと主張したのに対し、トランプ氏はバイデン氏が国境解放を決めたことが原因と批判している。藤崎氏は過去にトランプ氏が裁判にかけるなど厳しく移民に対応したのに対し、バイデン政権になると移民が急増したが、バイデン政権も移民に対して対応を打つ形となったと紹介。三牧氏はバイデン政権がトランプ政権の政策に追従する形となっていると指摘し、一方でバイデン氏はバイデン政権が米国民と結婚した場合は合法移民と認めるなどしているが、移民政策をバイデン氏側は主張できなかったと指摘。安井氏はアメリカの経済回復は受け入れた移民が労働力となったことも背景にあると紹介し、移民の受け入れを巡る模索も始まっていると紹介。トランプ氏側も大学を出た人にグリーンカードを出すべきとの主張が見られるという。鈴木氏はアメリカが厳しい立場を取ればヨーロッパに向かうことも懸念され、これが米欧関係悪化につながることも予想される、共和党が強いテキサス州は民主党の強いニューヨーク州に移民を送るなど、米国内での移民の受け入れをめぐるムードの変化も注意すべきとしている。

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人工妊娠中絶は

人工妊娠中絶について。トランプ氏は一昨年に連邦最高裁判所が「中絶は憲法で認められた権利」だとする判断を覆したことについて、「皆が望んでいたことで、各州の判断に委ねられることになった。ただレイプや母体の命に関わるものは例外」だと主張。一方バイデン氏は「女性の健康に関わることは政治家が決めるべきことではない」と述べた。三牧氏は「トランプ氏は自分の主張は打ち出さず、逆にバイデン氏は自身の立場を主張することに失敗したように見えた」などと述べた。

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”有罪評決”は

トランプ氏の有罪評決について。中林氏は「バイデン氏が自分の実力じゃ選挙に勝てないから裁判を利用してトランプ陣営を追い込もうとしているというトランプ氏の主張を聞き入れている人が一定数いるため、中々支持率が下がらないのではないか」などと述べた。三牧氏は「党派化するアメリカ社会が司法や政府を党派的な動きに捉えてしまうことの一端」などと述べた。安井氏は「大統領選挙の期間中に候補者や候補者の親族が裁判にかけられる異例の事態で、アメリカの司法がこれを裁けるのかどうかという大きな挑戦を迫られている」などと述べた。鈴木氏は「有罪評決を受けたトランプ氏が大統領になると、アメリカの司法制度に影を差すことになる」などと述べた。

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中東情勢は

中東情勢について。バイデン氏は「私たちはイスラエルの世界最大の支援者だ」と述べた上で、停戦実現に向け尽力していると強調。一方トランプ氏は「イスラエルに仕事を最後までやらせるべきだが、バイデン大統領はそれを望んでいない。彼はパレスチナ人のようだ」などと述べた。鈴木氏は「イスラエル支持という点でバイデン・トランプ両者に大きな差はない。ただ民主党支持者がイスラエルの過激な攻撃に反発しているので、バイデン氏は軌道修正さざるを得なくなった」などと述べた。三牧氏は「今回の討論会でバイデン・トランプ両者は親イスラエルであることを明確にした。このことに失望した若者は多く、国際社会から見ても問題だろう」などと述べた。中林氏は「共和党は親イスラエルの立場でまとまっているが、民主党側はイスラエルの問題を投げかけられると意見が割れて党をまとめるのが難しくなる」などと述べた。

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今後の世界は

アメリカと密接な関係にあるヨーロッパでは6月6日からEU「ヨーロッパ議会」選挙があり720議席のうちEUに懐疑的な右派・極右の政党が議席を増加、フランスでは極右政党に与党が大敗し結果を受けマクロン大統領が下院を解散した。日本時間6月30日にフランスの国民議会選挙が行われる。イギリスでもスナク首相が下院を解散し7月4日はイギリス総選挙が行われる予定。鈴木氏は「フランス・イギリスも現職で現在の与党が議席を減らす傾向にありヨーロッパ議会選挙でも右派などが議席を伸ばし現状に批判的な政党などが強い支持を受けていてリーダーシップを発揮しにくい状況になっている。ウクライナ問題でもアメリカが撤退しヨーロッパが役割を果たすとなった時に力があるのかと、アメリカの代わりを務めるのは難しい」などと話した。安井氏は「国際秩序や国際的なお金の流れについてもルールをどう作るのかなど難しくなってくる。背景にはどこの国でも格差や移民などの課題に政府が答えられていないため不満があり若い人も含め籠もってしまうところ。国際秩序を作るだけでなく国が経済的課題への知恵出しなど今後大きな課題になる」などと話した。

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日本外交は

秋のアメリカ大統領選挙を控え日本の外交政策は何が求められるかとの質問に三牧氏は「バイデン政権の3年はトランプ前大統領を批判して国際主義を大々的に掲げ誕生した政権。予想していない戦争やガザの問題、7月に国際刑事裁判所がハマス幹部とイスラエルネタニヤフ首相とガラント国防大臣の逮捕状を請求している状況でアメリカ議会で演説するよう招待したこともあり国際社会にバイデン政権が背を向けている。アメリカの国際社会に反した行動を友人として引き戻すような外交を強く求めたい」などと話した。

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(エンディング)
エンディング

エンディングの挨拶をした。

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アメリカ合衆国大統領選挙

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