- 出演者
- 山下毅 上原光紀
高市内閣は先週21日に発足した。高市首相は組閣の日の記者会見で自らの内閣を「決断と前進の内閣」と命名し、国民のためにスピードを上げて政策実現に取り組む考えを示した。政策実現に向けては既に動き出しており、21日の初閣議で新たな経済政策を取りまとめるよう閣僚に指示。その裏付けとなる今年度の補正予算案を今の国会に提出する考えを示した。また昨夜に米・トランプ大統領との電話会談を行った他、今日はマレーシアで開催されるASEANとの首脳会議に出席する。
高市内閣で何に取り組むのかについて。片山さつき財務大臣は「責任ある積極財政で未来に希望を持てるような強い経済を取り戻し、財政健全化とも両立させる」などと話した。小泉進次郎防衛大臣は「自主的・主体的な判断で日本の防衛力を強化していく」などと話した。松本洋平文部科学大臣は「現場主義を徹底し、文部科学行政の進化を国民の皆様に実感していただけるよう運営に取り組む」などと話した。松本尚デジタル大臣は「誰一人取り残さないデジタル社会を目指し、サイバー安全保障も前に進めていく」などと話した。城内実日本成長戦略担当大臣は「全ての国民が経済成長を実感できるような総合経済対策を策定していく」などと話した。
高市内閣を取り巻く政治状況について小泉氏は「自民党と維新の合意文書の中には安全保障に関してかなり踏み込んだ内容が明記されている。日本の現状に合った安全保障体制を整える必要がある。防衛力強化がなぜ必要なのか国民の皆様にしっかりと説明し、同時に自衛隊の仕事内容等の発信も行っていく」などと話した。また財務省での訓示で述べた「マインドをリセットしてほしい」という発言の真意について片山氏は「予算を組む目的は国民生活を向上させること。その本筋を忘れてはいけない」などと話した。
高市内閣の物価高対策についてみていく。ガソリン暫定税率の廃止の法案を今の国会で成立させることを目指すという。医療機関・介護施設への経営支援。自治体向けの地方交付金の拡充。電気・ガス料金の支援など。城内大臣は、子育て応援商品券などを配布するなどをするとのこと。電気ガス代も支援するとのこと。給付付き税額控除についても、着手するとのこと。片山さつき財務大臣は、租税特別措置、補助金の見直し担当大臣でもあるという。租税特別措置は賃上げを進める企業など特定の条件を満たす企業の税負担を軽くする措置だ。城内さんは、補正予算は、まさにこれからだとのこと。国民が生活が楽になったという実感を持つようにするとのこと。松本文部科学大臣は、高校無償化を実現するという。いま最終のツメの作業を行っている。公立高校の質を高めていくことも行うという。給食の無償化も進めているとのこと。松本デジタル大臣は、医療・介護機関に財政支援をするという。
高市首相は、28日にトランプ大統領と首脳会談を行う。片山財務大臣とベッセント財務長官が対面で会談するという。小泉防衛大臣は、ヘグセス国防長官と会談し、防衛力の抜本的強化に向けて、国家安全保障戦略など安保関連3文書を来年中の改定を目指し検討開始などを伝えるかとみられる。日本が自前で防衛力を強化すると小泉防衛大臣がいう。高市首相は自前で防衛力を強化しないといけないと言っている。はやすぎる、強化しすぎだという批判が出るだろうが、安全保障環境は厳しいという。日本への挑戦を許さない環境をつくることが重要だとのこと。片山財務大臣はかつて、防衛予算を査定していたとのこと。国家の存立そのものが防衛だという。日本は歴史上、一番厳しい安全保障環境に置かれている。その観点で全身全霊を傾けるとのこと。エネルギー主権は、日本の存立に重要な問題だという。小泉防衛大臣は、日米同盟はゆるぎないという。城内大臣は、トランプ関税については日本企業にアドバイスをしているという。日本政策金融公庫の貸付の要件を緩和するとのこと。日米戦略投資は180兆円は、日本の内需拡大につながっていくとのこと。日本の経済は成長し、米国の輸出も拡大するという。松本文部科学大臣は、文部科学省については、すぐれた頭脳を日本に招聘する事業をはじめたとのこと。研究セキュリティもすすめるとのこと。
高市首相は24日の所信表明演説で、日本の最大の問題は人口減少であるとの認識に立ち、人口減少対策を検討してく体制を構築すると述べた。こうした中で、人手不足が深刻化している。民間調査会社が企業に対して行ったアンケートによると、正社員の不足を感じている企業の割合が今年7月時点で50.8%と半数を超えている。調査会社は“深刻な高止まり状態が続いている”としている。松本デジタル大臣は、2024~2050年までの間に人口減少が25%となるという。この部分を埋めていくのがデジタル社会でありデジタル技術だと思っている。とりわけ介護職員はこれからの間で60万人前後の職員が減ると言われている。これをデジタル技術で埋めていくという。まず人を育てて日本独自のデジタル技術を作り上げる人材育成、確保について注力していきたいという。松本文部科学大臣は、教員のなり手不足の課題について働き方改革のさらなる加速、教師の処遇改善、育成支援を一体的に進めていくことによって、教師になりたい人が教職につくことができるような対策を進めていきたいという。デジタル技術で人手不足を埋めていくことへのネックになっていることについて松本デジタル相は、医療の現場で言うとデジタル社会が国民生活を良くするということを政府として訴えていくことが必要だという。松本文科相は、学校のDX化が進んでいく中で新しい技術をうまく教育現場に活用しながら教育の質を高めていく、教師の働き方改革にもつなげていく、子どもたちが実際に教育の質の向上の成果を受けられるような取り組みを進めていきたいという。小泉防衛相は自衛隊の人員について厳しい現状にあるとし、民間の働き方改革に見劣ることがないような自衛隊の処遇改善に全力を尽くしていくという。今までの自衛隊は「いつかわかってくれればいい」という思いを変えたいと思っており、積極的に自衛隊の貢献、働く姿など自衛隊が魅力ある生き方ができる選択肢の1つだという思いで届けていきたいという。
維新が求める社会保険料の引き下げについて片山財務相は、自民党と維新の連立合意で約束したことなので、低所得者層への給付のみならず、中所得の負担となっている保険料をどう均していくか、税と社会保障の一体的な改革のベースグラウンドをどうやって作って議論していくかなども大事だという。給付付き税額控除は高市総理の主張でもあり、他党でも色んな局面で上手く運用すればとても使えるが設計が難しいという。日本の税制度から考えると、所得税を払っていない方が結構いるが、その方が所得がある場合の把握ツールがないのでそこから考えないといけないので国民の理解が必要だという。城内大臣は、有識者だけでなく野党も議論に参加してもらいたいという。財政健全化目標について片山財務相は、今の概算要求は石破政権で閣議決定した骨太の方針に基づいて出ているもので、高市政権はより積極財政派ではあるが財政規律が蔑ろにされていいということは決してないなどと述べた。プライマリーバランスが黒字になったときに余裕をどのように使うかなどが問題だが、実際には補正予算や経済対策をやるうえで余裕をある程度活用していいかは全然違ってくるという。きちっと財政規律、財政健全化を気にかけてくことは必要で、国債管理政策もきちっと引き継ぐことなどをやっていくという。
安全保障について。北朝鮮が先週短距離弾道ミサイルを発射したと韓国軍が発表した。高市首相は所信表明演説で日本周辺の情勢について言及し、“中国、北朝鮮、ロシアの軍事的動向が深刻な懸念となっている”と述べた。小泉氏は「厳しい環境でも日本の平和、国民の命、平和な暮らしを必ず守る。日本の領土領海領空を断固たる決意で守り抜く。そこで任務にあたる隊員とご家族を守る。」などと話した。北朝鮮がミサイルを発射した日、高市氏は小泉氏と茂木外務大臣に情報収集の指示が出たという。「日本に向かっていない北朝鮮のミサイルに対して情報収集の指示が総理から出るというのは今までなかったこと」などと述べた。防衛装備品については「今までの制約ではない新たな段階の中で世界の秩序の回復をさせる重要なツールとして日本が出来ることを全力でやる。それが平和国家の戦後の歩みと整合するスタンスだと思う」などと述べた。
能動的サイバー防御について、デジタル大臣の松本氏は「内閣府では基幹インフラ事業者などとの官民連携、通信情報の利用などを中心に、サイバーセキュリティ戦略を策定している。それをもとに進めていく。今は新たにAiにどう対応するかが課題。対応方針も入れ込み、人材を作っていくことに注力していきたい」、文科相の松本氏は「日本の優れた教育も含めた様々な制度を海外に出していくことも極めて大事。日本のコンテンツ産業の海外の売り上げ高は半導体などを超える規模。こうした観点からもクリエイターの支援や海外進出の後押しをしっかりやっていく。一方で著作権をどう考えていくか。ソフトパワーによる外交の後押しをして参りたい」、城内氏はトランプ政権との経済連携の拡大について「日米経済貿易投資関係を構築すると同時に、様々な枠組みにアメリカもコミットしてくれるように働きかけをする」、インテリジェンス機能の強化について、小泉氏は「情報をしっかり掴むことの重要性が今まで以上に高まっている」などと述べた。
高市総理は日本成長戦略会議を設置するとしている。日本成長戦略大臣・城内氏は、強い日本経済を取り戻すには、生活安全保障・物価対応・危機管理投資などの観点から、豊かで強い経済を作っていくような成長戦略を構築していくことが必要と述べた。日本の成長戦略について、片山財務大臣は勝てそうな分野に集中投資をすること、マーケティングで負けないことなどを挙げた。松本デジタル大臣はAIやデータ活用の役割について、松本文科大臣は人材育成について述べた。松本氏は経済界や関係閣僚とも連携して教育の中に組み込んでいくとした。
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政策実現に何が必要か。松本デジタル大臣は「これからは人材の育成が重要」、松本文部科学大臣は「教育の質を高めていくのと同時に家庭環境に左右されずに教育をしっかり受けることができる環境整備を進めていく」、城内氏は「戦略分野においては思い切った投資をして数年後に回収するぐらいのことを大胆にやるのが大事」、小泉氏は「防衛力変革推進本部を立ち上げ、防衛力を新たな戦い方で適応できる変革を成し遂げなければならない」、片山氏は「高市内閣において試金石となる補正予算と経済対策を責任ある積極財政で可能にする」などと述べた。
エンディングのあいさつ。
