2025年10月5日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
新政権発足へ 日本が直面する課題は

出演者
山下毅 上原光紀 
(オープニング)
オープニング

昨日行われた自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選ばれた。これを受けて国会では新しい総理大臣が選出される。今日は日本が直面する課題に対してどのような議論が求められるか考える。

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自由民主党自由民主党総裁選挙高市早苗
新政権発足へ 日本が直面する課題は
自民総裁選は/自民総裁選の論戦は/自民 高市総裁は/社会保障制度は

昨日行われた自民党総裁選について。1回目の投票ではいずれの候補者も過半数に届かず、決選投票となった。その結果、高市早苗氏が自民党の新総裁に選出された。高市新総裁は昨日の記者会見で「今の暮らしや未来への不安を夢や希望に変える政策を打ち出してくれると感じてもらえるような党運営を行っていきたい」と述べた。牧原さんは「元々安倍さんに近い高市さんは政策を安倍さんの時の路線に戻すのではないか。また物価高騰などに対して有効な政策を打ち出せるか注目したい」などと話した。総裁選の論戦等については「各候補とも特性を出していなかった。また政治不信の根本となった裏金問題の中心である旧安倍派の登用を当然と考えていた。これでは国民の政治不信は無くならないのではないか」などと話した。白井さんは「総裁選の各候補とも食料品の物価高の対策について言及がなかった。また高市さんは日銀をけん制するような発言をした。これで日銀の利上げ機運が弱まるとさらに円安が進行して物価高に拍車がかかる恐れがある」などと話した。土居さんは「政府の意見と自民党内のコンセンサスに大きなズレはないことが今回の総裁選で確認された。あとは国民への説明不足を解消して理解を得るべき」などと話した。

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田中さんは「総裁選で各候補は耳障りの良い言葉を述べていたがそれでは今の日本の現状を打破できない。高市さんに政府・国会をマネージメントする能力があるとは現状では言えない」などと話した。宮本さんは「今回の総裁選で所得を増やす方向に議論が進んだのは前向きに評価できる。ただ社会保障の負担と給付の関係などの議論は踏み込みが不足していた」などと話した。白井さんは「日銀が政策を正常化させて長期金利が上がってきている。もしかしたらこの1年の間に自民党内で財政に対する意識が高まったのではないか」などと話した。牧原さんは「自公政権が少数与党ということもありどの候補も踏み込んだ発言・議論をしなかった。新総裁が次に何を打ち出すのかに注目したい」などと話した。

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経済対策は/物価高対策は

物価高対策について。高市新総裁は選挙戦の中で自治体向け交付金の拡充、ガソリンなどの暫定税率の廃止、給付付き税額控除の制度設計への着手などを訴えてきた。土居氏は「国民全員が減税・給付となるとそれだけ財源が多くなる」、白井氏は「岸田政権でも定額的な減税をしている。そことの違いがどうなるか。昨日高市さんは国民が望んている食品価格への対応をおっしゃらなかった。給付付き税額控除が何年もかかるとなったらじゃあ1人2万円の給付になるのか。でもそうなると石破さんと違いがなくなってしまう」、田中氏は「完全雇用で人手不足の中、政府がアクセルを踏めばさらに物価が上がっていく。それは本当に国民のためになるのか。一番望ましい政策は金利を上げることだと思う」、宮本氏は「ほとんどの政党が給付付き税額控除を提言している。そこをどうより合わせていくのか。充填支援型の交付金を利用してエッセンシャルワーカーの所得を上げていく形で物価高対策をやってほしい」、牧原氏は「第一に必要なのは暫定税率。制度趣旨が合ってないのでまずこれに着手しないといけない。また、コメはかなり重要」などと述べた。

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物価高対策 財源は/日本経済の先行きは/社会保障制度は/人手不足 対策は/日本の成長戦略は

物価高対策を考えるに当たって重要なのが財源。総裁選で言及されていたのが税収の活用。国の税収は、2009年度以降右肩上がりとなっていて、今年度予算では77.8兆円と過去最大の見込み。一方歳出は税収を上回る状態が続いている。今年度予算での歳出総額は115.2兆円。差額の多くは国債によって賄われている。普通国債の発行残高は今年度末で1129兆円。この10年で1.4倍に拡大する見通し。

物価高対策の財源として高市氏は税収の上振れの活用に言及。田中さんは、「使える余地はあるが永遠に続くとは限らない」などと述べた。財政状況について白井さんは、日本の25年間の経済成長率は0.7%。これからもっと人手不足になってくるので成長率はなかなか上がりにくいので税収もそんなに伸びないという。ここ数年税収が上振れた最大の要因はインフレ。もう1つ重要なのは、日本銀行の金融政策が関わっていること。普通国債の半分は日銀が持っていて、ごくわずかずつ保有額は減らしているがすごく時間がかかるという。それでも、10年の国債金利を抑えるという政策を止めたので、今1.6%まで来ているという。これから財政懸念とか起きると、比較的早く金利が上がっていくと政府の利払いも増え、住宅ローンにもつながってくるという。税収は増やさないといけないが、経済が停滞していて20年間家計の消費がほとんど向いてないところで消費税の引き上げが難しいとなると、どうやって財源を確保するかが大事。歳出も見ていかないといけないという。高市氏は総裁選で赤字国債もやむなしと述べていた。宮本さんは、やむなしと言いながら選挙期間中はかなり慎重論に転じてたという。各候補の議論で重要だと思うのは、金融所得課税の可能性。若い世代の不満感・不平等感に対応するうえでも大事だという。2021年の総裁選で岸田文雄氏が金融所得課税を言い始め、自民党の税調でも議論を始めたが、明らかに説明不足だという。大事なのは1億円の壁が不平等感の源泉なので、対象を絞って金融所得課税をやっていくのが重要だという。ちゃんと説明すれば株価下落に直結するものではないという。

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少数与党という政治状況での財政について土居さんは、説得しなければいけない人たちが増えるとなると、当然妥協せざるを得ないため歳出は膨らみがちになるという。財源が確保できなければ、既存の歳出の見直しをもっと徹底的にやっていかないといけないという。これをきちんと国民にわかりやすく説明しないといけないなどと述べた。政治が果たすべき責任について牧原さんは、今一般の国民はSNSの時代もあり個別のパーツで聞くので、全体像を語る時に大事なのはどういうストーリーでどういう政策、それぞれに対して何の意義があるのかを説明しないといけないが、一部を説明してしまう部分があり受け手が分かってないところがあるという。

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総裁選では、医療・介護などの公定価格についても議論になった。宮本さんは、これまで処遇改善加算で賃金アップしてきたが、公定価格制度の中で行う限界があり、ここまで人手不足にも関わらず改められてないという。

課題克服に何が必要か

宮本太郎氏は「今の多党化している政治において正しく民意を反映できる中選挙区制の整備が必要」など話し、土居丈朗氏は「日本が多党化時代に入っているかを慎重に評価する必要があり、新政権の物価高対策の行く末によって判断できる」など話した。白井さゆり氏は「物価高対策の根本は生産性の向上で、超党派で長期的ビジョンを明らかにした責任ある議論を展開していく必要がある」など話し、田中秀明氏は「データに基づく議論が日本の政策決定において欠如していて、熟議と真っ当な政策を作ことが求められている」など話した。牧原出氏は「今後参議院が少数与党状態が続くため、多党化時代の政策決定のあり方や野党の責任も問われてくる」など話した。

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イギリス公明党自由民主党高市早苗
(エンディング)
エンディング

エンディングの挨拶を行った。

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