- 出演者
- 寺門亜衣子 東貴博 山根千佳
2016年12月、新潟・糸魚川市で発生した火災では火が約4ヘクタールに広がり、147棟が被害を受けた。あれから10年、消防力の強化など火災対策が進む一方、去年は岩手・大船渡市など各地で火災が相次いで発生。2月は空気の乾燥による火災に注意が必要で、火災への備えを考える。
今回のテーマは「大規模火災に備える」。山梨・扇山の火災では発生から17日目で制御下に置かれた。この火災では約396ヘクタールが消失し、林野火災としては山梨県内で過去最大規模の被害となった。林野火災は飴が少なくて乾燥している理由などから2月~5月が最も出火件数が多い。2つの大規模火災を紹介。まずは林野火災で、去年2月に岩手・大船渡市で発生した林野火災の出火から鎮火までを見る。
2025年2月、合足地区で発生した火災にはその日のうちに自衛隊などが出動。家屋への延焼を防ぐために消火を行うが火が拡大。火災発生の8日前から降水が無く、地表が乾燥しているため地表が燃えた。地表の火が枝葉に移り、木の高いところまで燃えると延焼速度が上昇する。更にこの時、最大風速18mを超える強い風が延焼を加速させた。更に現場は海と山が接近した斜面が多い地形で、現場に車両を運び入れるのは容易ではなかった。48世帯が暮らす外口地区では住宅が焼けるなどの被害が出た。3月5日に降った雨で勢いが緩やかになり、9日に消防が火災の鎮圧宣言を行った。鎮火に至ったのは4月7日で、延焼面積は約3370ヘクタール。平成以降で国内最大の林野火災となった。
火災は火が消防隊の制御下に入り、拡大の危険が無くなった状態を鎮圧。火が完全に消えて消火活動が不要になることを鎮火と呼ぶ。鎮圧後も熱源は残っており、完全に火種が無くなるまで虱潰しに消していくため時間がかかる。大船渡市の火災が起きた2025年2月の雨量は2.5ミリと観測史上最も少なく、当日には乾燥注意報や強風注意報も出ていた。2025年の冬は昭和21~22年の統計開始以降最も雨が少なく、大規模な林野火災が起きたエリアは平年に比べ40%程度の降水量だった。今年の冬は東海などで平年の20%程度の雨量で、気象庁によると去年の12月末から4週間の地域平均降水量は30年に一度の少雨と言われている。林野火災の出火原因の約6割は人為的なもので発生している。今年から新たに運用が開始されたのが林野火災注意報・警報。発令指標などは自治体によって異なり、消防庁が数衣装する発令の基準は前3日間の合計降水量が1ミリ以下で、直前30日間の合計降水量が30ミリ以下の時、または乾燥注意報が発表されている時に注意報が発令される。これらに加え強風注意報が出されると警報が発令される。注意報では屋外の火の使用中止の努力義務が発生。警報では屋外での火の使用が制限され、違反すると30万以下の罰金または拘留といった罰則がある。火災警報は気象庁が出す警報は異なり、消防法に基づいて市町村等が出すものであり、強い罰則や制限が伴うため自治体は発令をためらう傾向にあった。そのため臨機応変に注意報などを出せるようにした。注意報などは今年1月からスタートしている。
いざという時に役立つ防災の知恵。今回は水を節約してごはんを炊く方法。使う鍋は何でもOK。米1合に対し1カップ強の水を入れる、水を節約するため米は研がない。火にかける前に水にひたす、夏なら30分冬なら1時間が目安。最初は強火、沸騰後7~8分中火。火を消して5分~10分蒸らして完成。普段から卓上コンロとガスボンベを備えておくといい。
- キーワード
- 今泉マユ子
日本防火技術者協会・関澤さんが重要だと指摘しているのが、火災が拡大する前に対処する初期消火。消火栓のホースを65mmホースから40mmホースにおきかえて高齢者や女性も扱える放水圧にするため、糸魚川市の消火栓1200か所のうち400か所を40mm口径のホースに置き換えた。
火災の後自宅の再建を諦め転居した人も多かった糸魚川駅北地区。世帯数は火災前の6割ほどに減った。そこで糸魚川市が作ったのが駅北広場キターレ。カフェを備えた交流拠点で子どもから高齢者まで誰でも使うことができる。地域での記憶継承も大切にしており、12月22日は大規模火災があった日。火の用心を呼びかける毎年の恒例行事となっている。火事を経験した大人たちと火事のあとに生まれた子どもたちが共に被災エリアを練り歩く。
スタジオで山根千佳は「こういう集まりがあるからこそ子どもたちも知って備えていける。いい流れができている」などとコメントした。大船渡の林野火災も糸魚川の火災も延焼の一番の要因は飛び火で、酒田大火の前は毎年のように都市大火が起きていた。一般の住民も飛び火警戒という言葉を知っていた。大きく燃えだしてから気づくのではなくて小さい段階で飛び火を発見できる。
