- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 坂下千里子 高橋克実 井戸田潤 中村橋之助[4代目] 堀未央奈 大久保波留(DXTEEN)
山口県阿武町が4630万円を誤送金した事件。これがきっかけで未だにフロッピーディスクが使用されていることが判明した。アメリカでも今年国際空港で通信障害が起こった。そのトラブルの原因はシステムが古かったことだという。アメリカでは航空インフラの心臓部での老朽化が深刻となっている。アメリカの管制塔では現在もWindows95搭載のパソコンやフロッピーディスクが現役で、新旧の設備がごちゃまぜの状態。トランプ大統領の一声でシステムを見直すことになったが、サンフランシスコの鉄道でもフロッピーディスクを利用していたり、核ミサイル発射のシステムにもフロッピーディスクが使われていたのだという。しかし、古いからこそセキュリティが万全だということもある。日本の官庁でもフロッピーディスクが使われていたが、その理由はフロッピーディスクでデータを保存したり提出したりすることという法令が1000件以上もあり、フロッピーディスクを使わざるを得ない状況だったこと。この法令の規定は去年全て廃止になった。
日本とアメリカの相互関税は当初の25%から交渉を経て15%で合意となった。その裏でアメリカでは関税発動前に医薬品を大漁輸入する動きが出ている。アメリカの今年2月と3月の医薬品輸入額を比較すると210億ドル(約3兆円)増加している。そもそも相互関税は輸入国と輸出国で関税の負担を対等にするのが本来の形だが、トランプ大統領は貿易赤字解消のためにアメリカに輸入されるあらゆる物の関税を一方的に上げると宣言している。これが医薬品の大量輸入につながったという。アメリカでは医療費が高額なため市販薬を使う人が多く、そのため世界の医薬品売上高の45.5%をアメリカが占めている。ただ医薬品の多くはアメリカ以外で製造されており、これをトランプ氏は貿易赤字拡大の要因と捉えて今後一部医薬品や医薬品原料の輸入に最大200%の追加関税をかける可能性を示唆した。だから医薬品の大量輸入が行われたとのこと。
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先月、イスラエルだけでなくアメリカもイランを空爆。怒ったイランはホルムズ海峡を封鎖すると国会が承認したと報じられた。ホルムズ海峡は全長約160km。大型タンカーなども通れる場所は、幅約3kmに限定される。世界で取引される原油の約3割、日本に原油を運ぶタンカーの約8割が通過するという重要な場所。中等に自動車を輸出するルートでもある。封鎖されたら日本も大ピンチだが、ホルムズ海峡の封鎖なんてできないという。そもそもホルムズ海峡はイランだけの領海ではない。オマーンの飛び地があり、イランとオマーンの領海が重なっているところがあり、国際的なタンカーや貨物船はオマーンの領海を通過している。もしイランが領海を封鎖するとなると、オマーンの領海も封鎖するということになるとオマーンに対する戦争行為になる。そうなると、周囲のサウジアラビアやアラブ首長国連邦と安全保障体制を取っているので、第5次中東戦争になるかもしれないし、アメリカも黙っていない可能性がある。さらにイランは、多くの石油を中国に輸出しているが、そのタンカーもここを通るので、ホルムズ海峡が揉めれば中国との関係も悪くなる可能性がある。
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海には空や陸とは違う意外なルールがある。領土や領空に他国の軍隊が来たりすると戦争行為になるが、海に関しては平和や秩序・安全を害しない限り原則として他国の領海を通航できる。潜水艦は、海面に浮上し国旗を掲げれば通れる。一方で、尖閣諸島などでは中国の船がよく日本の領海に侵入したと問題になっている。その違いは、軍事情報の収集や、軍事訓練、漁獲活動などはルール違反のため、日本側は中国に抗議している。そのため、たとえ領海であっても勝手に封鎖する権限はイランにはない。ただし、過去には船を攻撃していることはあるという。ホルムズ海峡が封鎖されなくても、中東の情勢が不安定になれば石油の値段は上がってしまう。ただし日本の場合は、もし中東から石油が入ってこなくなると大変なので、あらかじめ約250日分の石油を備蓄してある。