- 出演者
- 田中瞳 伊沢拓司 横堀拓也 長部稀
参院選まであと1週間。伊沢拓司が”SNS選挙”の裏側に迫る。株式会社センキョの堀浩之代表に話を聞いた。センキョは2019年創業のスタートアップで、政治家向けSNS動画の制作など、政治家向けのITサービスを手がけている。公示前に立憲民主党の政治家から依頼されて作った動画を紹介。200人分ほど作ってきたという。公職選挙法に抵触しないようにすることに心を砕いているという。しかし兵庫県知事選で再戦した斎藤知事陣営のSNSを手がけたとされるPR会社の「主体性」が問題になった。制作にあたっては「指示されてやる」という形を文書で残して置く必要があるという。またSNSを利用して世論形成しようとしている人などもおり、SNS選挙に対応した見方、情報のあり方を考える時期にきている。
オープニングの映像が流れた。
参議院選挙に向けて有権者の皆さんに役立つ情報をお届けする特番。VTRでSNS選挙の裏側はどうなっているのという疑問を取材。
- キーワード
- 伊沢拓司
今回の選挙報道プロジェクトでは「今知りたい100の疑問」と題し放送と配信を通じ政治や選挙にまつわる様々な疑問を解き明かしている。テレ東BIZでは、これまでに答えてきた疑問とその答えが全て見られる。
- キーワード
- テレ東BIZ
政党の数が多くてよくわからないという疑問に応える番組特製政党ギモン図鑑を紹介。中身は、得意技や弱点、YouTube登録者数も一目で見られる。これを使って各党の主張や政策を深堀り。
- キーワード
- YouTube
今や選挙戦で欠かせないSNS。去年の都知事選の石丸旋風や、衆院選での国民民主党の躍進などをみても、SNSの拡散が選挙結果にも結びついていたとも言える。激戦の兵庫県選挙区では、SNSでの空中戦を繰り広げるNHK党・立花孝志が出馬したことで選挙戦が大混乱となっている。播磨灘に浮かぶ兵庫県の男鹿島。人口僅か27人の島。そこにやってきたのが兵庫選挙区に立候補した泉房穂候補。第一声の場所にあえて離島を選んだ。その理由がSNS戦略。演説の横では有権者による動画投稿を狙い、「SNSで拡散OK」のボードが掲げられていた。島を回った後は都市部にとんぼ返り。初日から精力的に活動。しかしその後、泉候補に狙いを定めた立花候補。選挙戦が始まる前にSNSで「泉房保候補の選挙演説の後に選挙演説していく予定」などと投稿。泉候補のXを確認すると、選挙戦序盤には事前にライブ配信の場所などを発信していたが、直近ではその日の事後的な発動報告がメインになっている。すると、立花候補は泉候補の目撃情報をSNS上で集める。選挙戦4日目、泉候補は神戸市の事務所にいた。この日立花候補は大阪での演説が決まっていたため、泉候補の場所が分かってもすぐに来られない状況だった。そこで泉候補の事務所で実施されたのが、SNS選挙を意識した特設スタジオでのライブ配信。その様子を有権者が観覧できるようにしている。互いについて、泉候補は「全部想定内。ほとんど気にしていない」などと述べた。立花候補が追求しているのが、泉候補の明石市職員などへのパワハラ問題。職員への暴言で市長を辞職。その後再選したあとも市議への暴言をきっかけに退任。ただ、市長時代に18歳までの医療費無償化やおむつ定期便など子育て政策の実績がある。今回の立候補に明石市民は「子どもが欲しいなと思ったら明石に帰って来たいなと思うくらい良い政策をしてくれてる」「良くも悪くもはっきりと物を言う」などの声が聞かれた。
兵庫選挙区では議席数3に対して過去最多タイの13人が立候補している。関西が地盤の日本維新の会からは吉平敏孝候補が立候補。演説後には数十秒ほどのショート動画を撮影。SNSを使って知名度アップを狙っている。
SNSの”切り抜き”動画などを駆使する参政党からは藤原誠也候補が立候補。7月4日には神谷代表が応援演説を行い、支持者がスマホなどで撮影していた。
自民・現職の加田裕之候補は昔ながらの”ドブ板選挙”を展開していた。加田候補は派閥の政治資金問題で処分を受けており、今回の選挙は”禊の選挙”となるが、演説では政策を中心に訴えて政治とカネの問題にはあまり言及しなかった。
今回の参院選で議席を伸ばしそうな政党について。序盤の情勢について共同通信の調査によると、選挙区の投票先では野党系候補が36.6%、与党系候補が20.5%との回答になっていて与党側に厳しい情勢になっている。あしもと今回の参院選で議席を伸ばしそうな政党について。序盤の情勢について共同通信の調査によると、選挙区の投票先では野党系候補が36.6%、与党系候補が20.5%との回答になっていて与党側に厳しい情勢になっている。足元で勢いがみられるのが参政党で、比例の投票先では自民党に次ぐ2位につけるなど急速に支持を拡大している。与党側は参議院の過半数維持に必要な50議席を獲得できるかギリギリの戦いを強いられている。横堀さんは参政党の特徴について「保守的な政策が特徴の新興政党。一方で神谷代表の発言が物議を醸してきた」などと話した。また横堀さんは「参政党の支持が伸びることは与党が過半数を維持できるかどうかにも一定の影響を及ぼす」などとも話した。
新興政党6党の支持者を調査。2019年結党のれいわ新選組の支持者からは「山本太郎が頑張っている」や「立場的に弱い人を取り残さない」などの声が聞かれた。また立憲民主党からの乗り換えも目立った。党の公式YouTubeチャンネルの登録者数は38万人、山本太郎代表のXのフォロワー数は59万人とSNSを起点に支持を得てきた。そのれいわ支持者は2020年結党の参政党を警戒している。
番組特製の政党ギモン図鑑で解説。自民党の得意技は官僚の扱い、弱点は政治とカネなど。今回は外国人政策に注目。自民党の政策は違法外国人ゼロ。外国で取得した運転免許の切り替え手続きであるいわゆる外免切替という制度などに対し、法令に基づいて厳格に対応するとしている。石破総理は週明けに外国人政策の司令塔となる部署を内閣官房に設置することも表明している。同じく与党の公明党は社会保険料の未納を防止するための仕組みを構築するなどとしている。さらに日本維新の会は外国人比率の増床抑制や受け入れ総量規制を含む人口戦略を策定すると訴えている。そして国民民主党は空室税の導入。今月2日に追加公約として発表したもの。外国人による投機目的の不動産取得が不動産価格が高騰する要因となっているとして居住目的以外の不動産購入に追加の税負担を求める内容となっている。一方で外国人との共生を訴える政党もある。その1つが立憲民主党。外国人政党の内容は多文化共生庁創設。立憲民主党は人口減少による人手不足が強まる中、外国人と共生していくことが目指すべき方向性だと主張している。そのための政策を一元的に進める組織として多文化共生庁が必要だと訴えている。共産党は永住外国人に対し地方選挙への参政権を認めるよう主張している。また、社民党は罰則規定のある差別禁止法をつくり移民や難民への差別を無くすことを掲げている。各党が外国人政策への言及を増やし争点化した背景にあるのは外国人へ厳しい姿勢を打ち出す新興政党の存在。
参院選公示日の東京・新橋では日本保守党の百田代表が演説を行い、多くの人が詰めかけていた。支持層は自民党を見限った保守層らで、特に外国人や移民への厳しい政策に共感する人が多い。一方同じ保守層の受け皿になっているのが参政党で、同じく移民への厳しい政策を掲げている。参政党の支持者の多くは元々特定の政党を支持していなかったいわゆる無党派層で、SNSで政治系情報にふれるうちに支持者になった人が多い。こうした中NHK党は兵庫県を中心に選挙活動を展開していて、多くの人は斎藤兵庫県知事を前回の県知事選で応援したことで支持していると答えた人が多かった。1月に結党した再生の道は石丸代表が都知事選で多くの支持を得たことを原動力に支持者を増やしていて、さらに登録者数150万人以上のYouTubeチャネル ReHacQへ石丸代表が出演したことでさらに支持を拡大している。AIエンジニアの安野氏が率いるチームみらいはエンジニアの政治参画を求める人達から支持を集めていて、さらに独自サイトを立ち上げてボランティアの活躍度合いをランキング形式で発表することでゲーム感覚での政治参加を促している。
午前8時前、期日前投票の会場のさいたま市西区役所。重厚な金庫の扉を開けると投票箱が。実際に参院選の期日前投票に使っているもの。複数の市の職員が立ち会いながら運び、投票所に投票箱を設置する。午前8時15分、投票管理者と投票立会人がやって来た。さいたま市から選ばれた市民で毎日違う人が担当している。管理者らが見守る中、職員が前日に封をした封筒から鍵を出し、投票箱の投函口に掛けた南京錠を開ける。投函口を開いて準備完了。午前8時半、投票所が開くと管理者と立会人が見届ける中、有権者が訪れ投票していく。投票ブースには記入用の鉛筆が置かれているが、ボールペンで投票用紙に記入する人が。SNSで不正選挙が話題になっているという。投稿を信じた人たちが投票所へのボールペン持参を呼びかけ拡散されている。不正選挙を疑うXでの投稿数は去年の衆院選直後に1週間で8万件以上。今回の参院選の公示日前後でも急増している。投票用紙は普通紙ではなく、プラスチック製の合成紙「ユポ」。ユポならば二つ折りで投票しても用紙が自然と開く。開票時に開く手間が省ける。しかし、ユポは水性ボールペンだとインクをはじき消えやすくなる。午後8時、投票所が閉まる。この日は600人以上が投票に訪れた。投票管理者と投票立会人が見守る中、市の職員が投票箱の投函口を施錠する。管理者と立会人が署名して封をした裏面に捺印する念の入れよう。投票箱は朝と同じように金庫へ。投票箱を1人だけが監視したり、投票箱が放置されたりする瞬間はなく、常に複数人が管理・監視することで不正ができない仕組みに。
選挙終盤の注目ポイントについて。横堀さんは「このあとの1週間で情勢が変わることも十分あり得る。外国人政策が注目されたように各党共にここから戦い方を変えてくることもあり得るので訴える内容の変化に注目しても良さそうだ」と話した。
テレ東BIZでは組織選挙などを伝えた第一弾の放送やこれまで解説したギモンをまとめている。番組特製政党ギモン図鑑の画像もテレ東BIZや番組公式Xで公開している。
「選挙サテライト2025」の番組宣伝。7月19日(土)昼12時15分、各党トップへ独自インタビュー。7月20日(日)夜7時55分、クイズ王・伊沢さんと結果を分析。
- キーワード
- 伊沢拓司
- 過去の放送
-
2025年7月6日(12:00)