2024年2月16日放送 16:05 - 16:53 NHK総合

NHK特集
「厳冬 白山 〜子猿ヤマトは生き抜いた〜」

出演者
 - 
(オープニング)
厳冬 白山 〜子猿ヤマトは生き抜いた〜

今回は厳しい冬に立ち向かった子猿のヤマトを紹介する。

キーワード
山桜
厳冬 白山 〜子猿ヤマトは生き抜いた〜
昭和60年2月4日

子猿ヤマトと母猿ヤツデの物語の舞台は本州中部の白山で高さ約2700mあまりある。日本海を渡るシベリアの寒気を受けるため山麓には大量に雪が降る。サルの仲間は熱帯性の生き物で雪の中で生活するサルは世界にも類はいない。10kmに渡って切れ込んだ谷を蛇谷という。この谷を中心に500頭のサルが10の群れに分かれて生息している。石川県白山自然保護センターに務める水野さんは16年間サルを見守り続けた。去年の冬にサルたちに事件が起きたことから今年の冬も気がかりで山にでてきた。蛇谷の全てが雪に覆われ、秋のきのみが不作だったためにサルは体力をつけずに冬を迎え、多くのサルが力尽きた。カムリA郡は105頭いたが35頭が死んでいた。水野さんの調査によるとフジのつるには栄養分が多くサルも好んで食べている。ケヤキの木は枝ごと丸裸にしている。繊維質のため消化されず糞つなぎになる。この日は1頭も見つけることができなかった。カムリA郡は観察と研究のため夏の間だけエサが与えられている。

キーワード
カエデケヤキサルフジブナ山桜日本海白山石川県白山自然保護センター
昭和59年秋

昭和59年の山々は豊作で、秋に猿達はブナやキハダなどの主食を冬を前に多く食べる事が出来た。去年春に生まれた子猿のヤマトは夏から秋にかけて豊富な食べ物を食べ、冬を乗り切るだけのエネルギーを蓄えていった。

キーワード
キハダキハダの実クルミタンパク質ナラの実ブナの実ヤマブドウ脂肪
昭和60年2月5日

翌日の朝、水野さんはヤツデとヤマトを捜しに行った。カムリ群は蛇谷の4kmを住処にしているが山を超えていたら尾根を越えるのに1日かかる。斜面のかなり高いところにカムリA群が見つかった。秋の終わりに見つかったのは80頭で今は35頭である。冬の白山では分かれて広がることで食べ物を得る可能性が増える。冬にはボスが存在しない。ヤツデは雪崩の多い斜面で発見された。ヤツデの視線を見るとヤマトの姿もあった。白山では雪崩のあとからサルの死体が見つかっている。

キーワード
サル白山

水野さんは少しのとうもろこしで体重を測ろうとした。育ち盛りの子猿の体重が減っていることから栄養のある食材が少ないことがわかる。大人のサルには体重の減少がさらに顕著にでる。飢えと寒さで死んだサルを解剖すると皮下脂肪はなくなり、骨の髄は水になっている。ヤツデはヤマトを抱き吹雪をしのいでいる。

キーワード
とうもろこしサル白山
白山の冬

白山は冬を迎える中、猿がどのように寝ているのかを探るために調査が行われている。すると、見つかったのはタヌキで闇の中で目を輝かせる様子も見られた。テンは樹の実や野ネズミを探るものの冬は厳しい季節となる。ニホンザルもその日その日で場所を変えながら生活しているが、とうとう白山のニホンザルが2頭で抱き合って寒さを凌ぐように眠る様子を撮影することができた。

キーワード
タヌキテンニホンザルネズミ白山
昭和60年3月2日

3月2日。猿の体力も限界に達するころだ。白山の猿が力尽きて死んでしまうのは、3月から4月はじめにかけてのことだ。食べ物を求めての行動は、今まで行かなかった遠い所にも及ぶ。13歳のメスが先頭を進み、ヤツデとヤミ・ヤマトの親子はそれに続く。普通は、木の枝伝いに移動するが、食べ物を求めての移動では、雪中行軍もいとわない。目的地は、谷川。春の嵐が谷川を覆った雪を押し流したことを知っていたのだ。猿は、ヨシの根を食べていた。緊張感が高まり、喧嘩も始まった。ヤツデは、泥を洗い落として食べていた。白山の猿では、あまり知られていない光景だ。ヨシの根に含まれているタンパク質は、2.5%で、ほとんどが繊維質だ。これでは養分にはならないが、比較的量が多いため、空腹感を満たすには好都合のようだ。ニホンザルは、子どもに母親が食べ物をとって与えるということをしない。幼くても、自分の手で自分の食べ物を得る必要がある。末っ子のヤマトが見当たらず、母親のヤツデも気にしているが、目の前の食べ物に夢中だ。

キーワード
タンパク質ニホンザルヨシ白山
昭和60年3月下旬

3月下旬、雪がだいぶ緩んできた。ヤマトだろうか、雪崩の近くの木の枝で震えているサルがいる。雪崩の直後、信じられないような光景がみられた。おずおずと雪崩のあとに近づいていくサルがいた。ヤツデとヤマトもやってきた。待っていたかのように他のサルたちも集まってくる。雪崩のあとにあらわれる地面では秋に落ちた木の実を見つけることも。春を待つ草の根を見つけることもできる。サルたちに死をもたらす恐ろしい雪崩は、同時に一足はやく春の食料を供給してくれる自然の恵みでもあった。白山のニホンザルは人間の考えをはるかに超える形で豪雪の山に生きる術を身に着けていた。水野さんが冬のニホンザルに強く惹かれるのはそのためかもしれない。産まれてすぐに死んだのか、母サルはいつまでも我が子を離そうとしない。こうした光景は珍しいことではない。白山では毎年数頭の子猿が産まれてまもなく死んでいる。生まれてきた命にとって誕生直後の春と初めての冬を越すことが最大の難関。

キーワード
ニホンザル白山石川県白山自然保護センター
昭和60年4月13日

4月半ば水野さんは再び白山に入った。ヤマトは自分の力であるき自分の力で食べ物を捜すことが身についてきた。赤ちゃんザル15頭のうち5頭がいきぬいた。ヤマトといっしょに生まれたサルは15頭が生き延びた。この春カムリA群に生まれた赤ちゃんサルは9頭である。

キーワード
サル白山
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

(番組宣伝)
ドキュメント 72時間

ドキュメント 72時間の番組宣伝。

今夜も生でさだまさし

今夜も生でさだまさしの番組宣伝。

大河ドラマ 光る君へ

大河ドラマ 光る君への番組宣伝。

NHKスペシャル

NHKスペシャルの番組宣伝。

スイッチ インタビュー

スイッチ インタビューの番組宣伝。

ランスマ倶楽部

ランスマ倶楽部の番組宣伝。

武井壮のスポーツプラネット

武井壮のスポーツプラネットの番組宣伝。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.