去年、米国で見つかり沖縄に返還された貴重な文化財18点が報道関係者に公開された。琉球王朝の流れを継ぐ家の末えい、川平朝清さん。川平さんの祖父は、幕末に王家の随行員の1人として江戸を訪れている。ラジオパーソナリティーのジョンカビラさんや、タレントの川平慈英さんの父親としても知られている。返還された文化財のうち歴代の王の肖像画、御後絵が4点含まれていた。御後絵は、王をしのぶ遺影として、当時の最高の技法を駆使して描いたと伝えられているが、戦争の混乱で行方が分からなくなり、戦後79年にわたり、沖縄には10点の白黒の写真が残されていただけだった。きょう、実物が公開されたのは2点。県によると、1点は「四代 尚清王」と見られている。ただ、3枚に分割された絵の人物が誰なのかは確認できる資料がなく不明。琉球王国時代の王冠などの文化財は国宝に指定されている。御後絵も、王の関係資料のため、専門家の間では、国宝級の文化財だと評価する声も上がっている。戦争で多くの文化財が失われた沖縄。5年前には、戦後復元された首里城が火災で焼失した。川平さんは、今回返還された文化財が、王国の歴史を知るきっかけになってほしいと願う。