珠洲市宝立町は約8割の建物が全半壊し、珠洲市の中では2番目に被害が大きい地域。損壊を免れた建物の1階に人々の憩いの場がある。本町ステーションは週5日、10時~5時まで自由に立ち寄ることができ、習い事やイベントを頻繁に行っている。仮設住宅などに住む人の交流の場となっている。本町ステーションを立ち上げた松田咲香さんは地域情報誌のカメラマンをしながら運営している。松田さんの自宅も地震で全壊した。被災後、珠洲市内を飛び回り、傷跡を記録し続けた。孤立する被災者をつなぐ場を作りたいと思い、この場所を立ち上げた。高野幸子さんは本町ステーションに毎日通い、鍵の開け閉めや掃除もボランティアで行っている。高野さんは時には皆の愚痴の聞き役にもなる。高野さんは本町ステーションの近くにある仮設住宅で夫・和人さんと暮らしている。震災後、友人は町を離れた。以来、和人さんはほとんど外出しなくなった。仮設住宅での暮らしは今月で1年8か月になり、決して住みやすいとは言えない。2人は災害公営住宅への入居を待ち望んでいるが、宝立町では完成の時期が未定。高野さんは「材料はない、人はいないとなったら笑うしかない」と話した。高野さんにとって本町ステーションでの時間が心の支えとなっている。今、宝立町の自然や文化をテーマにしたカルタ作りに力を入れていて、東京のギャラリーでの展示を計画している。
