アメリカ メディアの信頼低下 関係者の苦悩

2024年10月31日放送 4:34 - 4:41 NHK総合
国際報道 米大統領選2024 アメリカ 究極の選択

選挙戦を巡り、報道は加熱している。一方、メディアへの信頼は大きく低下。ギャラップの調べによると、テレビや新聞、ラジオを信頼していると回答した人は過去最低の31%となった。これを支持政党別に見ると、共和党支持者のメディアへの信頼度は12%まで落ち込んでいる。比較的メディアへの信頼度が高かった民主党支持者も今年は54%となっている。元CNNのトーリス氏は以前のCNNは抑制的な報道だったが、現在はトランプ氏への批判ばかりだと指摘する。こうした中、メディアの論調だけでなく、事実関係すら一致しない状況も出てきている。
先月下旬、フロリダ州などを襲ったハリケーン。その被災地に「十分な支援が届かないのはバイデン政権が資金を不法移民の支援に流用したため」という情報がSNSで拡散。これについて、複数の保守系メディアは、トランプ氏などの発言と共に、「資金が不法移民支援で枯渇」などと報道。一方、リベラル系を中心とした多くのメディアはそれを「虚偽の主張」だと報じた。メディアによって全く逆の記事がかかれ、人々は判断が難しくなっている。大手メディアへの信頼が失われていく中で、支持を伸ばしているのが新興の独立系メディア。調査報道センターCIRは非営利の報道機関として市民からの寄付で運営されている。調査報道に重きを置き、ドキュメンタリーなどを発信し続けた。大手メディアはどちらかの陣営に偏りがちな中でも移民問題の他、政治家と過激な組織の隠された関係などを独自に調査。大手メディアへの逆風の中でも報道の在り方を見つめ直し、信頼を取り戻そうという動きも出てきている。トランプ氏に対し厳しい論調で知られるニューヨーク・タイムズ。シアー記者は8年前の選挙でトランプ氏に批判的な記事を書くが、なぜ多くの人が支持するのかを伝えなかったと反省している。今回はトランプ氏とハリス氏、どちらについても公平に調査し伝えていくことで信頼を回復したいという。


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