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キャッシュレス決済やデジタル化が進み、全国の銀行の店舗数はこの20年余りで1割以上減った。その一方で、最近はNISAをはじめ投資への関心の高まりを背景に、対面のサービスを見直そうという動きが出ている。三井住友銀行がことし5月、渋谷駅前で改装オープンした店舗。1階にはカフェがあり、2階には仕事や勉強などができるシェアスペースを併設した。この銀行では、デジタル化を推進して口座の開設やクレジットカードの管理、証券や保険などのサービスも行えるアプリを開発した。若い人の利用も増えたが、「ダウンロードはしたものの、サービスをどう使ったらいいか分からない」という相談が多くあった。そこでリアルな店舗の役割を強化しようと、カフェに併設するスペースには担当者が常にいて、細かく質問に答えて商品の説明をしている。営業時間を延長したこともあり、来店客数は改装前に比べておよそ3.5倍に増えた。
みずほ銀行でもリアル店舗の強みを生かそうとしている。みずほ銀行の調査では、新NISAの影響もあり、資産形成・運用に興味を持つ人は8割近くに上る。そのほぼ半数は第三者に相談を求めているが、銀行に相談したいという人は僅か5%。対面の強みを生かせれば、その割合を増やせると考えている。ターゲットの中心とするのは20代〜30代、家族連れが多く集まる神奈川県横須賀市のショッピングモールへの出店を決めた。ここには専門のアドバイザーを配置して、資産形成や運用に関する相談などに特化することにしている。また、三菱UFJ銀行も対面での相談を強化するため、総額100億円以上をかけて今ある店舗のおよそ8割にあたる250店舗で改装を進めている。デジタル化を進めつつ、リアル店舗も充実させるというハイブリッドな戦略が求められているのかもしれない。