- 出演者
- 村上龍 小池栄子 細谷敏幸
オープニング映像。
2008年に経営統合した三越伊勢丹HD。三越日本橋本店の屋上庭園にはバーベキューテラスがあり、若い世代も多く集まっている。三越は新たな客層を呼び込むことに成功している。週末の朝、地下1階食品売り場では子どもたちが様々なお店のユニフォームに着替え、実際のお店でお仕事体験を行っていた。
一方、伊勢丹新宿本店では開店前から多くの人だかりができていた。三越伊勢丹はコロナ禍のどん底から業績を回復し過去最高益と絶好調。そして村上龍と小池栄子が三越伊勢丹HD復活の裏側を徹底深堀り。
三越伊勢丹絶好調の秘密その1は「急拡大!お得なカード戦略」。伊勢丹新宿本店6階の特設会場で大盛況だったのはワインのイベント。世界20カ国の珍しいワインを展示即売。会場ではワインとおつまみを楽しめるコーナーも。この日の来場者はある会員のメンバーで翌日開催のイベントに一足早く入れるという。会場ではエムアイカードをチェックしていた。個々の会員に合ったイベント情報を案内してくれるという。
独自のカード戦略で復活させた立役者が三越伊勢丹HD社長・細谷敏幸。毎週水曜の開店前、伊勢丹新宿本店をチェックして回るのがルーティンで百貨店を科学するという。最も重視しているのがカード・アプリ会員を増やすこと。会員であれば年齢や性別、趣味嗜好など様々なデータを収集・分析し、精度の高いサービスを提供できる。細谷社長が繰り返し言っているのが「マスから個へ」。
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三越伊勢丹絶好調の秘密その2は「買う気アップの“隠れ個室”」。限られた人しか入れない「ザ・ラウンジ」は年間購入額300万円以上のサービス。現在利用者が急増しており、部屋を拡大。顧客の来店頻度も高まり買い上げ金額も高まっているという。さらに店内の至る所に常連客を案内する隠れ個室がある。高級腕時計の接客専用個室では世界に6本しかない1300万円の時計を案内していた。
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三越伊勢丹絶好調の秘密その3は「極秘データで館全体で勝つ!」。最近売り上げが伸びているのが1897年設立のかばんメーカー「グローブ・トロッター」。好調を支えているのが担当者と定期的に行うミーティング。百貨店側が持つ会員データを分析し各ブランドに販売戦略をアドバイスしている。
小池栄子は日本橋三越店に商店のにおい。温かみを感じたという。細谷氏はあえて新宿の伊勢丹と日本橋の三越ののれんをちゃんとはっきり分ける。そんな思考でチームも分け、より独自性を出している。「ザ・ラウンジ」についてはちゃんとお客の買い方を分析して額を決めていて、額に合ったサービスを提供していく。そういう考え方の中の一つにラウンジがある。「全ての数字に対して科学するんだ」と、こういう思考を持ち込んだ。「マスから個へ」については「マス」はスタートの話。一度でもサービスを受けたら必ず個にしたいと話した。
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伊勢丹新宿本店のインテリア売り場にセットで約600万円のソファがあった。このソファは95センチ角のシートを色や柄を選び、世界に一つしかない自分のソファを組み合わせるもので百貨店では伊勢丹新宿本店しかやってないという。さらに他で見られないのがキッチン家電でドイツのキッチン機器メーカー「ガゲナウ」を取り扱っている。細谷社長によるとこれは「高感度上質戦略」で誰もが持つ特別な消費へのマインドを刺激するという。
三越日本橋本店のヒューモルガンはここにしか存在しない店。さらにティール日本橋三越店も百貨店などへの出店は三越日本橋本店のみ。そんな様々な名店を口説き落としてきたのがバイヤーの井上氏。訪ねたのは日本橋兜町のティール本店。パティシエは当初出店するつもりはなかったが、熱烈なラブコールを受けなければ出店しなかったという。また食品プレス展示会では組み合わせ弁当をプレゼンしていた。80種類の商品を自由に組み合わせることで150万通りの弁当が作れるという。
細谷氏は昔の百貨店はわざわざ着飾って行く特別な場所だった。それがどこでも同じになった。ここに問題点の発端があった。それを解決するために「マスから個へ」とか、お客様を呼び込むために「高感度上質消費」を全て狙う特別なものに転換する。一生に1回来てくれればいいが、識別していればいろいろな情報を提供できる。一生に1回と思っていたのにもしかしたら2回になるかもしれない。世界中のお客でそれをやりたいと思っている。将来的にはバイヤーとお客のために販売するアテンダント。外商部員とこれが三位一体になったようなものを一人でやるくらいのレベルになると個のお客にしっかり対応できる。ユニクロの商売については学ばないといけないと思っている。ユニクロの2次産業、僕らみたいな3次産業。この間の微妙なラインを狙わないと独自性のある商品はできないので将来的に本気で取り組みたいと話した。
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細谷社長が伊勢丹に入社したのは1987年。30代の時にはマレーシアの伊勢丹店舗で5年間勤務し業績を改善させた。2009年に三越伊勢丹HDの完全子会社となった岩田屋。2018年、細谷が岩田屋三越の社長に就任した際、1階フロアの雑貨売り場を撤去し広大な化粧品売り場に大改装。細谷が目指したのは九州最大級の化粧品売り場。さらに高感度の店を次々に誘致。そんな百貨店改革で細谷が最も大切にしてきたのが現場社員との対話。この日の相手はクイーンズ伊勢丹の店長たち。このような対話をすでに3000人以上の社員と行ってきた。
細谷氏は一時期どこでも同じようなものを売るショッピングセンターでも百貨店でも同じ。こうなった時に機能や価格というところに巻き込まれていった。そういう意識がある。それを打破するために高いところへという感覚。将来的にはより接客が大切になってくると思っていると話した。
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三越日本橋本店地下1階のお酒コーナーではユニークなデザインのカップ酒が並んでいた。漫画家・水木しげるさんが育った鳥取の蔵元のものやインパクトのあるカップ酒も。これは食品売り場の社員たちが考えたミニ企画でより楽しくお酒を飲んでもらおうと全国からカップ酒を集めた。一方、6階の三越劇場ではさだまさしさんプロデュースの落語会が行われていた。「場所貸し」について細谷氏はありだとし、単なる取引の一つのやり方。その最適解を求めればいいだけなので、お客の気持ちに従って「どんなものを提供できる?その最善って何?」という取引形態を選ぶと話した。
収録後、村上龍が三越伊勢丹についての感想をしたため、「マス」から「個」が生まれると締めくくった。
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カンブリア宮殿の次回予告。