- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
空前のカフェブームが到来している。スターバックスコーヒーをはじめとする有名カフェチェーンでは、今や行列を作って買うのが当たり前。街を見渡せば至るところにカフェがある。そんな中にあってめざましい快進撃をしているグローバルカフェチェーンはゴンチャ。東京・新宿区の店舗を覗くと平日でも大にぎわいで紅茶やウーロン茶に甘味やミルク、フルーツの香りを足したティーメニューがある。ゴンチャはティーカフェの専門メニュー。客を引きつつけるゴンチャのメニューでは阿里山ウーロンティーを使用している。台湾南部の阿里山で栽培される茶葉で通常100ｇで7000円と普通の茶葉の3倍の値段。他にアジア各地で厳選した4種の茶葉を使用し、抽出する時はそれぞれの茶葉にあわせてお湯の温度や抽出時間までかえて最高の味わいを引き出すという。こうした店内の調理は、火を使わずに全て電気で行っているという。このオペレーションが強み。路面店だけでなく、火を使えない場合もある駅ナカ店など、出店先の選択肢が広がるため。国内のカフェ業界で店舗数トップを走るのはスターバックスで1900店。ドトール、コメダがあとに続く。一方でゴンチャは、現在およそ160店とまだまだ差があるが独自の戦い方で急成長を続ける。
ゴンチャではファンを掴むティーづくりではこだわりにスタッフが抽出を始めた時にシールを貼った。これは抽出を始めた時間があり4時間で品質が落ちるので必ず廃棄する時間を決めている。こうして鮮度にもこだわり抜いている。そのカップの底にはトッピングがあり、アロエ、ミルクフォーム、ナタデココ、タピオカと4種から選ぶことができる。それだけでなく甘さは4段階から選ぶことができ、氷の量も4段階からゼロから多めまで。1万通りの組み合わせから味にを楽しむことができる。1番人気はタピオカ入りブラックミルクティー。このタピオカにもこだわりがあり、台湾産を店で調理しているという。
人の手と時間を惜しまないやり方でモチモチ食感をうんでいるタピオカ。また学生証を提示すれば学割価格で飲み物を注文できる。760円のLサイズが学割で560円に。これだけ客が来ても注文から商品提供までは早く、客を待たせない工夫もある。カウンターのスタッフが接客する後で、別のスタッフがトッピング、シロップ、氷をいれてまた別のスタッフにバトンタッチ。すぐさまティーを注げば完成。チークワークを生かした細かい分業制でスピードアップをはかっている。
ゴンチャは2006年に台湾で誕生した。漢字では貢ぐ茶と書いてかつて中国の皇帝に貢がれたような極上のお茶をと命名された。日本上陸は2015年で、日本法人のゴンチャ ジャパンを設立。2018年にはタピオカブームに入り、ゴンチャのどの店も大行列となり社会現象に。しかし2年でブームが終焉すると新型コロナショックもあり売上を落とす店が相次いだ。そんな時に現れたのはゴンチャ快進撃の立役者ゴンチャ ジャパンの角田淳。角田の前職は日本サブウェイの社長。就任したのは売上低迷期で、社内の問題や火種を次々解決し、自らを消防士と名乗ったやりて経営者。この日は全身泥んこになりアウトドアイベントに参加していた。そのモットーは楽しむことだという。その原点は生い立ちにあるという。南米出身の母親をもつ角田は幼少期をブラジルで過ごし陽気でおおらかに楽しむ生き方が身についていた。ゴンチャの社長を託されたのは、タピオカブームがさり、コロナ禍にもなっていたどん底の2021年。その戦略を紹介。とある店舗ではコーヒーはないが角田は今年の四月にほとんどの店舗でコーヒーを廃止。そのコーヒー廃止後に1店舗あたりの売り上げは増えているというがその戦略はお茶に集中したいと専門店として認識してもらおうと考えた。さらに角田はゴンチャの店作りも変え、壁際に仕切りのついた席が並んでいるがこれは二人がけより狭めの1.5人席。思いっきりおしゃべりをしてもらおうと用意した。おしゃべり歓迎は他のカフェとの差別化戦略の一つで楽しむという角田の根底がある。
ゴンチャは若い女性から人気だが、角田はその理由に一般的にどの家庭でも子供にコーヒーを飲ませる習慣がないと感じていて、麦茶やほうじ茶など生活に強く根付いているというバックグラウンドがあり、お茶系のカフェが自然に受け入れられていると感じたという。また新しく進化したお茶のカルチャーが得に今の若い人たちに受けている理由の一つだという。また回転率よりも楽しい時間や体験を届けたいという考え方でそういう場所にしていきたいと答えた。またゴンチャの店舗数は増やし続けているが角田は必ず状況は改善すると思っていて、そういう意味ではチャンスでもあるピンチの時にあえて積極的に動いていくと語った。また失敗を恐れない挑戦が成長スピードを生むと答えた。
この日角田は新規にオープンするゴンチャ 横浜ビブレ店にやってきた。その店のアルバイト募集に400人の応募があったという。この店に限ったことではなく、人手不足に悩む飲食業界ではゴンチャではバイト募集が絶えない。ゴンチャのアルバイトの9割は元々客として来ていたファン。しかも特別な職場関係を用意していて、希望者も殺到している。ゴンチャ 自由が丘店にやってきたがこうして他店舗をまわっている。バイトから普段思っている意見を聞き出し働きやすい現場をと変えようとしている。またバイトの髪の色はカラーバリエーションが豊富で、角田は細かく決められていた髪の色を撤廃し自由にした。こうした働く人を考えた取り組みでバイトが殺到しているという。さらにやる気を引き出す取り組みにはこの日、本社に招かれたのは店舗で働くアルバイトの二人。そこへカラフルなドリンクが運ばれてきた。
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本社に招かれたのは店舗で働くアルバイトの二人。そこへカラフルなドリンクが運ばれてきた。発売間近の新商品でこの二人がこの新商品の考案者。ブルーハワイは渋谷で働くバイトが、洋梨ベリーは岐阜の店舗のバイトが考えた。全国で働くアルバイトに新商品のアイディアを募り商品化するというこのプロジェクトでは、元々多くのアルバイトからやってみたいとの声があり角田が始めた。そして新商品発売の当日には渋谷で働くブルーハワイを考案したバイトにはその胸に自分が考案したという、考案者だけがつけることのできるバッジをつけていた。こうした取り組みが現場の士気をあげている。またこの日行われていたのは世界のゴンチャのトップたちがオンラインで集うグローバルミーティング。全世界でおよそ2200店舗を展開し、日本は世界と比べて店舗数では4位だが売上は世界2位。
角田は日本法人の判断はどれだけ本社に認められるか？についてかなり好きにやらせてもらっているという。面白くいろいろなチャレンジができると答えた。それがゴンチャではうまくいていっているという。自分の会社が好きな人はおおくないのでは？にはすごく成長している会社は関わっている人たちはブランドや会社を思っていると答えた。また角田のいう楽しむは何かをした達成感を得ることか？にはいろいろな楽しいがあるが目標を設定しそこに向かってチャレンジをしうまくいく時もあればそうでない場合もあり、チャレンジしたことを前向きに楽しんでいくというのがゴンチャでの楽しいにしたいと答えた。また髪の色の規制の撤廃について、撤廃前は髪のカラーチャートがあり、この色までならOKという指標があったが、理由が説明できないルールは全部やめるべきだと答えた。またバイト募集では1店舗で300人の応募があったというが、一人あたりの採用単価が通常なら6万円がゴンチャでは5000円以下ですんでいる。その理由は働きたい人が自ら応募してくるので採用媒体にそこまでお金がかからないと答えた。
ゴンチャのライバルともいえるアジア発のカフェチェーンが続々と上陸している。中国で6000店以上を展開するコッティコーヒーは若い女性が多く値段もお得。ライバルが増えて競争が激化する中で角田は新たな一手をうった。この日行われたのは新商品の記者発表会。そこに現れたのはフィギュアスケーターでタレントの本田望結さん。この商品はセブンイレブン限定で売られるゴンチャ初のペットボトル飲料。貢茶 阿里山烏龍ピーチティーエードと貢茶 黒糖烏龍ミルクティーを製造するのは大手のキリンビバレッジ。店舗と同じ山地の茶葉を使用しゴンチャの味を再現している。7月2日にはセブン-イレブン の店頭で商品が並んだ。
セブン-イレブンでペットボトル飲料の販売を始めた理由に角田はゴンチャに入るときにはもうやりたいと考えていたが、目的にはゴンチャはお茶であることが知られておらず、タピオカというイメージが強く全国のセブン-イレブンで発売することで多くの人のお茶のゴンチャと知ってもらえる機会になると答えた。また出店していない県もあり、店に来ないようなお客にも手にとってもらえるようにと答えた。また中国や韓国のお茶のチェーン店が入ってきているが、ゴンチャとしては意識しているか？角田は意識はしているがウェルカムだと思っているという。ティーカフェの市場が活性化することは良いことでゴンチャだけでは面白くない。しかしその中では1番でいたいと答えた。また今後は1000店舗達成を目指したいと答えた。また仕事に楽しみを見つけて挑戦することが大切だと語った。
村上は今日の総括に強さは採用にある。クルーは実際にゴンチャのファンばかり。優秀で、やる気があるのに加え、友だちまで連れてきてくれる。休日。小学生の子どもとスケートボードに行く。子どもたちは失敗を恐れないから上達も早い。自分は怪我をしないようにと用心しながらやるので上達が遅い。失敗しないことには挑戦しないことと同じだ。業績不審のとき、仕事は？と聞かれた。「消防士」と答えていた。会社全体に火種があったからだ。店舗数は、コロナ前に比べ2倍に増えている。今後も前向きな失敗を重ねながら、新しいお茶の文化を広げていく。とした。
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カンブリア宮殿の次回予告。