2024年8月15日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【“キモカワ”深海生物で V字回復を実現した水族館の舞台裏!】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

“キモカワイイ”で大逆転!異色の水族館
猛暑でも連日の大にぎわい 訪れたくなる最新スポット

連日大にぎわいのアミューズメントパーク。東京サマーランドではこの夏に激流を体験できるプールが誕生した。また豊洲ではグルメの新名所が誕生。千客万来ではうにいなりやマグロ刺身串など豊洲市場直送の海鮮グルメが楽しめる。

キーワード
あきる野市(東京)モンスターストリーム東京サマーランド豊洲千客万来豊洲市場豊洲(東京)
愛知の小さな町に客殺到 レトロな水族館にナゼ!?

愛知県蒲郡市は人口8万人ほどの小さな港町。今回の主役竹島水族館は昭和レトロな佇まいな水族館。オープンから5時間後でも長い行列が続く盛況ぶり。大勢のお客でごった返していた。客を呼び込んでいるのは生きた化石ともいわれるカブトガニやグソクムシなどの深海魚など気持ち悪さ全開の生き物を展示している。小さな水族館だが、深海生物に限れば全国トップクラスの140種類を展示している。中でも一番人気の水槽は深海魚に直接さわれるブース。その館長は小林龍二。小林が飼育員になった20年前に竹島水族館は廃館の危機に。イルカやペンギンといった人気ものを購入するお金はなく、入館者数の採算ラインの年間20万人を下回る赤字の年が続いていた。しかし様々な改革を行った結果入館者数は急増し50万人近くに到達した。今や地方水族館では優等生とも言える黒字経営になった。

キーワード
カブトガニキホウボウグソクムシタカアシガニホンフサアンコウミドリフサアンコウ三河湾竹島水族館蒲郡市(愛知)
手作り感が客を呼ぶ!アイデア満載の節約術

飼育員はクズの葉という夏の時期に生える葉を食材にすると収穫していた。これはケヅメリクガメに与える餌でタダでとれるために一月1万円の食費が浮く。さらに水槽では岩場に波をよせた時の泡を再現。手作り感満載の装置で水がたまるとバケツの水がおちて波を作っている。さらにとある水槽の中のサーチライトは扇風機の首振り機能だけ利用しそこにライトを取り付けている。小林はこうした材料を100円ショップなどで材料を手に入れていると答えた。また水槽の横にある説明看板も手書きで、水槽の魚が1匹で飼育されている理由などを記述。イラストが良いと看板だけ写真を撮影する人も。午前3時、最大の節約術として形原漁港に向かった小林。蒲郡市は約300種の深海魚が水揚げされる。小林のお目当ては展示用の深海魚生物で、タカシガニを1匹3000円で購入したが本来の取引の半分以下だという。小林は地元の漁師の元に通い、深海魚を安く販売してもらっている。協力してくれる漁師も自分がとった魚が水族館で喜ばれるのは嬉しいと語る。

キーワード
クズの葉ケヅメリクガメバトラクスキャット形原漁港竹島水族館蒲郡市(愛知)
“怖いもの見たさ”を刺激 爆売れする土産品も!

竹島水族館の売りは気持ち悪い生き物たち。小林はその特徴を強調すればより盛り上がると考えた。ウツボの水槽は以前は数匹いれていただけだったが今は土管をつるしてウツボの数も倍になり、うじゃうじゃいる様子がホラー映画顔負けの展示に。さらにホームセンターで買ってきたコンクリートブロックを積み上げて魚のマンションを建築。アオハタが入居している。さらに土産物のせんべいはオリジナリティにこだわり、その味はグソクムシ。本物の気持ち悪さをリアルに表現したパッケージが特徴で、煎餅の中にもグソクムシを使用しているが美味しいという。ここでしか買えない煎餅は話題となり売上No.1。

キーワード
アオハタウツボ竹島水族館蒲郡市(愛知)超グソクムシ煎餅
個性派揃いの飼育員たち 深海魚グルメハンターも!

竹島水族館では飼育員とお客が会話している現場に遭遇する。小林は竹島水族館は小さく人気者の生き物がいないので飼育員がそのポジションを担っているという。この日来ていた女性客のお目当ては飼育員。今や飼育員に熱烈なファンがついているが飼育員の三田が人気者になっている理由は深海魚を調理しその解説を公表している。こうして飼育達は個性を発揮しながら思い思いの活動をし、ファンを取り込んでいる。

キーワード
イガフウリュウウオオオグソクムシ竹島水族館蒲郡市(愛知)
ユニーク展示に客殺到 奇抜なアイディアの源泉は?

スタジオには竹島水族館のお土産が登場。カピバラの落し物はカピバラのおしりから中身のお菓子が取り出すことができ、落し物はまさにアレにそっくりだという。メダカの産卵 もまるで産卵をするかのように中身のお菓子が取り出せる。小林はこの土産物に関してはメダカの赤ちゃんが卵の中でできているのを再現したという。メダカの赤ちゃんは中の卵が透けて見えるがそれを飴で再現した。小林はこうした工夫を取り入れる理由にどこの水族館も同じようなものを発売しているが、それではつまらず友だちに自慢できるものをと作ったという。また地元漁師から深海魚を譲ってもらい協力をしてもらっているがもし嫌われてしまったら水族館の水槽はほとんど空になってしまうという。そのために漁師とその家族の水族館の入場は無料にしているという。するとその水槽をみた漁師たちが魚が少ないので今度持ってくると把握してくれるようになると語った。また生き物たちの説明看板についてもルールがあり文字は少なく絵で表現するようにし、また絵を下手くそに描くように指示しているがその理由は、絵が上手な人が描くと写真のようで見ないが、絵が下手な飼育員が一生懸命描いたほうがみるようになるという。また魚の味も解説しているが、小林は他の水族館の館長には魚屋のようなことはするなと怒られるが、実際にお客の声の中で聞かれる質問のなかで一番多いのはこの魚は食べたら美味しいのか?だったという。またお客が何を求めているのかを知るために出口で聞き込みをしたことがあるが、魚を観に来たという人は少なく、暇だから、癒やされたいからなどという意見が多かったという。そこからどうお客を楽しませるかに考えがシフトしたという。

キーワード
カピバラの落し物メダカの産卵竹島水族館蒲郡市(愛知)
“魚好き少年”から経営者へ どん底で気付いた水族館の本質

この日小林が訪ねた先は蒲郡市内にあるアクアリウムショップ。小学生の頃から毎日のように通い、店の人や常連客と魚の話をするのが楽しみだったという。魚を好きになったきっかけは漁師の祖父の存在。漁から戻って来る時に珍しい魚を持ってきてくれたという。その後、熱帯魚を自分で繁殖させて店に持ち込んでは月に4.5万円稼ぐことも。飼育員を目指し大学は水産学部に進んだが当時水族館の飼育員は欠員が出ない限り募集はなかった。なんとか潜り込んだのは廃れていた地元の竹島水族館だった。3年目の2005年に入館者数が過去最低の12万3000人を記録した。水族館は蒲郡市立で事態を重くみた市は廃館を検討。ここまでは天職を失ってしまうと危惧した小林は、立て直しのため自費で全国の水族館を視察した。しかし資金のない竹島水族館が真似できるようなことはなかなかなかった。そんな中小林はいろいろな水族館に共通する課題に気づく。それは水槽の横にある習性などを書いた解説看板。どこの水族館にいっても誰も解説看板をみていなかった。思いついたのは客が興味をもちそうな手書きの解説看板だった。しかし張り出した翌日には、出社すると剥がされてデスクの上に放られていた。その理由は手で書くなんてみずぼらしいと先輩にいわれたという。それでもめげずに看板を書いては貼っていると次第に小林に共感する仲間が現れた。2015年にはその仲間たちと法人をたちあげて水族館の運営権を獲得した。小林は館長になりこれまでとは違い、業績が悪ければ職を失うリスクを背負った。ここから小林はお金がなくてもできる改革をしていく。さらに、並行して進めたのが飼育員の意識改革。

キーワード
ポセイドン竹島水族館竹島社中蒲郡市(愛知)

飼育員の平松は帳簿を書いていたが、飼育員には1年分の予算と水槽を自由に作れる裁量を与えた。自分で選ぶ責任があるが平松はウエットスーツを着込んで海へ。

キーワード
竹島水族館蒲郡市(愛知)
TVerで配信中!

番組はTVerで配信中!

キーワード
TVer
ここまでやる!?飼育員の奮闘「客を楽しませたい」

平松はウエットスーツを着込んで海へ。自身で魚の調達まで行っていた。ターゲットは浅瀬の小さな魚。別の日に平松は新しい水槽づくりへ動き出した。主役に選んだのは鮮やかなルリスズメダイ。同じ水槽を受け持つ桃井と作業をする。こうして満足のいく水槽が完成した。

キーワード
ハタンボルリスズメダイ竹島水族館蒲郡市(愛知)
「悔しくて泣いた…」失意のなかで見つけた生き残り策

小林は竹島水族館に就職が決まった時について、当初は大きく立派な水族館で人気の生き物を飼育し華やかな生活を送りたいと思っていたという。また当時の竹島水族館については人がおらず、入社2年目でアシカショーをしていたが、アシカと一緒にでていってもお客がおらず、館内では営業をサボって寝ているサラリーマンなどがいたと答え、その人を起こして無理やりアシカショーを見せていた時もあったという。また魚は誰にも見てもらえない状態で水槽がいることにもかわいそうと感じたというが、魚も好きで捕まえられてここにいるわけではないが、客がいないとまるで牢屋に入っているかのようなので水族館は何かを伝えられなければいけないと語った。また竹島水族館の再生のために全国の水族館を見てまわったという小林。しかしその中で取り入れられるものは無かったという。大きな水族館で客が大きな水槽で魚を見て楽しそうにしているのを見て悔しくて泣いてしまったという。しかしそれが反骨精神となり盛り上げる材料にはなったと答えた。また運営管理の権利を獲得したが失敗すれば終わるという中で、崖っぷちに立っていたという。また水槽を受け持つ飼育員には予算を振り分けているというが小林は自分の頃は上の指示がないと魚を買えず、ソレが嫌だったので今の形にしたという。

キーワード
竹島水族館蒲郡市(愛知)
弱小水族館 まさかの借金6億円!?

竹島水族館では大掛かりなリニューアル工事が行われている。

キーワード
竹島水族館蒲郡市(愛知)
テレ東BIZ、U-NEXT

テレ東BIZ、U-NEXTで配信のお知らせ。

キーワード
U-NEXTテレ東BIZ
借金6億円の大勝負 リニューアルの目玉は?

竹島水族館では大掛かりなリニューアル工事が行われている。しかし連日大勢のお客で賑わっている水族館だが、リニューアル踏み切ったのは混雑しているためで、地元の人に関してはその混雑さに来たくないと言う声もあり、ゆったりみれるようにしたいという。銀行から6億5千万円を借金して2倍の広さにして10月に完成予定。目玉は竹島水族館ではかなり無理をした7mの巨大水槽。

キーワード
タカアシガニ竹島水族館蒲郡市(愛知)
大勝負のリニューアル!魚から学んだ教訓とは

小林は今回のリニューアルについてお金はないがどんどん挑戦しなければ上にはいけないとし、魚は水に流されないように泳ぎ続けているが人間も同じで止まっていたら時代の流れに流されてしまうと語った。

キーワード
竹島水族館蒲郡市(愛知)
(エンディング)
編集後記

村上は今日の総括に「水族館は生きものを見てもらう施設なのに誰も見てくれない。すごく可哀想」館長になる前の小林さんの言葉だ。「水槽を眺めているほうが好き」という小学生だった。学生時代には「イルカの飼育係になりたい」当時は水族館の求人は圧倒的に少なかった。狭き門を突破して竹島に。「こんなところはいやだ」セイウチもラッコもいない。「生きものに触れる水槽が欲しい」という客の声。3億円必要だったが、予算は2500万円。成立したのはタカアシガニの触れるプール。自分達の資源を活かすという戦略が、ごく自然に決まった。とした。

キーワード
タカアシガニ小林龍二竹島水族館
次回予告

カンブリア宮殿の次回予告。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.