2025年10月23日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【伝統を革新に変える老舗文具メーカーの挑戦】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿 サクラクレパスが知らぬ間に大変貌!
クレパスにクーピーだけじゃない! 大人の高級文具に工業用製品も

大阪の絵画教室で使用されていたのはクレパス。大人が愛用しているというがクレパスは他のクレヨンと違い色が混ざりやすく色を混ぜて表現の幅を広げることができるという。1925年に発売された超ロングセラー商品で、世界60以上の国と地域で使われている。サクラクレパスを初めて作った会社がサクラクレパス。1921年に創業の文具メーカーで、サクラクレパスでは絵画教室を開催し、大人にもクレパスの楽しさを知ってもらおうと開催。クレパスの名前の由来はクレヨンとパステルを足した造語。固くて線が描きやすいクレヨンと、美しい発色が特徴のパステルを使用。2つのいいとこ取りをしようと作り出したのがクレパス。唯一無二の技術を駆使し、年間2000万本のクレパスを製造している。サクラが世界で初で作ったものはクーピーペンシルはフランスのメーカーと共同開発した、世界初の芯だけで作った色鉛筆。普通の色鉛筆は消しゴムでは消せないがクーピーは消すことができる。1番多いセットは60色入っていて、緑だけでもたくさんある。さらに、今は多くのボールペンで使われるようになったインクも、サクラクレパスが開発。ボールペンに使用される水性インキは滑らかな書き味で支持されていたが、時に滲んでしまうことが課題に。そこでサクラクレパスはインクにある特性を加えた。普段インクは固まっているが、ボールが回って刺激が加わるとサラサラの液体になって出てくるという。その後インクは紙の上でゲルに戻るのでにじみにくい。世界初のロングセラー商品をいくつも持っているサクラクレパス。

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クレパスクレパス 太巻クーピーペンシルサクラクレパスピグマボールサイン80

近年は少子化やデジタル化が進み、文房具の市場規模は縮小の一途を辿っている。そんな逆風の中にあってもサクラは業績を伸ばし続けている。その戦略を指揮するのはサクラクレパス社長の西村彦四郎。11年前に社長となり、サクラクレパスは売上を伸ばしていて去年は過去最高益の470億円に。若くして会社を経営する森本さん。幼い頃から文具マニアでオフィスにはたくさんの文具が。中でも一番のお気に入りは高級筆記具のサクラクラフトラボ。文房具屋さん大賞2018を受賞した人気シリーズ。(矢野経済研究所調べ)。

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SAKURA craft.lab 001サクラクレパス文房具屋さん大賞 2018矢野経済研究所

真鍮シリーズは時間とともにくすみが増して味わいが出ている。こだわりの文房具が並ぶ銀座 伊東屋 本店でもサクラのペンが取り扱われる。またクーピーをスタイリッシュなボールペンにしたものも。この日サクラではクラフトラボの新シリーズを検討。高級にした理由に西村は子供用画材のイメージが強いので、筆記具をやっているメーカーとして認知されていないとブランドを作ったという。千葉県浦安市にある鉄工所の梶哲商店は鉄鋼・アルミなどを加工・販売している。サクラのある商品を作っているが、分厚い鉄をガスを使って切断。切り出した鉄板にそれぞれの発注元の番号をかく。実際に鉄板を熱して試すと、181度まで熱した場合一般的なマーカーは書けない。しかし、鉄工所が使っているのはサクラのソリッドマーカー。ペンキを固形化したペンで。200度近い鉄板の加熱面にも書くことができる。こうした現場では以前はクレパスが使用されていたが、もっと使いやすい専用の商品を開発。ソリッドマーカーは水の中でも書くことができ、雨風の吹き込む現場でも使用可能。他にも工業製品商品も数々開発した。

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SAKURA craft_labSAKURA craft_lab 002SAKURA craft_lab 004クーピーペンシルサクラクレパスソリッドマーカー梶哲商店浦安市(千葉)銀座 伊東屋 本店銀座(東京)

美樹さんは小さな子どもがいるがこまごまファイルを愛用している。開くと蛇腹状になっていてシールや塗り絵など、入れるだけで整理が可能。マチが広く結構な量を収納でき、自立でき出し入れがスムーズ。持ち手があり持ち運びに便利。美樹さんも調味料入れに使用しているという。2024年に発売したがSNSで様々な使い方が話題になり大ヒット。文房具総選挙2025の収納する部門で1位に。スタジオにはサクラの商品が登場。サクラクラフトラボについて西村がその特徴を説明した。黒は黒でも微妙に違う色合いを選ぶことができる。

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SAKURA craft.lab 001SAKURA craft.lab 003こまごまファイルサクラクレパストヨタ自動車文房具総選挙2025

ゲルインキボールペンについて西村は1984年にサクラクレパスが初めて作ったからだという。特許は取得したが取り方がうまくなかったのか、他社からその後同様の商品が生まれていったという。しかし他社も出せたからこそ市場が拡大していったと答えた。

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サクラクレパス
「自由画運動を広めたい…」絵画文化を築いた老舗企業

1900年代前半、子どもの美術教育は手本を描き写すことが中心。そこに目で見て感じたものを自由に描くべきだという自由画運動が起こり当時アメリカから入ってきたクレヨンが使用されるように。しかし輸入品であるクレヨンは高価だった。そこで、創業者の1人、佐武林蔵は1921年にサクラクレパスの前身の日本クレィヨン商会を設立。2年間の試行錯誤の末に低価格でかつ質の良いクレパスを作ることにした。1925年にクレパスを発売。使い方を教えて回ったという。クレパスは棒状絵の具の大革命と絶賛され、全国へ瞬く間に普及していった。1969年にマイネームを発売し1973年にはクーピーペンシルを発売するなど発明文具を次々に売り出した。西村はクレパス誕生から30年後の1955年に、2代目社長の孫として兵庫県で生まれた。1980年にサクラクレパスに入社し、最初は営業部へ配属。そんなサラリーマン人生の中で一つの転機が。商品企画部に移った際に、西村は新商品の企画を担当。レーシングカーデザイナーの由良拓也がデザインしたペンが西村の仕事を大きく変化したという。

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クレパスクーピーペンシルマイネーム佐武林蔵国立国会図書館山口県文書館徳田家日本クレィヨン商会玉川大学玉川学園由良拓也
カーデザインの巨匠とタッグ 在庫の山が…今や高額商品に

西村は由良拓也のデザインしたペンを作りたいと思っていたが、ラブレターを送り続け実現したという。第一弾はよく売れたものの、第二弾の自分が売りたかったものを販売したが全く売れなかったという。しかし数十年後にネットオークションで高値で取引されていたという。

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サクラクレパス由良拓也
学校向け通販事業に挑むも 販売店者社内では猛反発

西村は自信満々に販売したシャープペンが売れず、この販売をきっかけに、考え方を新たにした。良いものを作るだけでなく社内の営業担当や販売店が売る気になってもらい、商品が売れていくことはすごく勉強になったと答えた。商品力だけでは物は売れないと肝に銘じた西村は時代にあった販売方法を模索することに。また通販カタログ事業のエデュースは、学校の備品などをウェブなどで注文すると翌日に届けるサービス。当時、アスクルを始めとする企業向けのカタログ販売が広がっていった。西村はそれを太いパイプをもつ学校向けに展開できないかと考えた。学校向けアイテムを6000点掲載。さらに西村はサクラクレパスが続けてきた販売の仕組みを変えようとした。以前は販売店にサクラクレパスが卸して販売していたが、この通販カタログ事業では学校と直接やりとり。これまで間に入っていた販売店には、代金の請求業務を委託し、売上に応じた手数料を払う仕組みに変えようとした。それに反発したのが販売店。また社内からも販売店との関係悪化を恐れて反対の声が上がった。

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アスクルエデュースサクラクレパス世田谷区(東京)氏田
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学校向け通販事業に挑むも 販売店や社内では猛反発

西村は通販カタログ事業のエデュースを立ち上げようとしたが、社内外から猛反発。しかし西村はこの事業は会社の未来は左右すると、引かなかった。エデュースが伸びれば収益もあがると販売店を説得。5年がかりで納得させ、エデュースを開始。これが大ヒットした。実際学校ではクラブのメンバーが着ているハッピやハチマキやバチなどはすべてエデュースで購入した。7年前からエデュースを活用しているというが、イベントごとで急に必要になるがエデュースは翌日に届くので安心だという。教育現場の90%が登録しているという。ラインアップは2万5000点に拡大している。こうして2014年にサクラクレパスの社長に就任。今では会社の売上が4割がエデュース事業に。また通販サイトには他社の商品もあるというが自社の商品を売るという意識は捨ててほしいと社内にお願いしたという。

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アスクルエデュースサクラクレパス世田谷区(東京)成城学園初等学校目黒区立菅刈小学校目黒区(東京)
保育士も保護者も大喜び! 便利な写真選別機能を開発

大阪市内の保育園ではサクラクレパスが始めたサービスを行っている。それは、子どもたちが自由に絵を描いているがその様子を保育士が撮影。保護者のために園児たちを撮影しているという。それを保護者達に送るためにパソコンに送ったデータから演じの枚数を同じにしてアップする。その手間をサクラクレパスが解決した。

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すまいる保育園サクラクレパス城東区(大阪)

大阪市内の保育園では保育士が保護者のために園児たちを撮影。それを保護者達に送るためにパソコンに送ったデータから演じの枚数を同じにしてアップする。その写真を選定し、各保護者にその写真を枚数を同じにするのが保育士の負担に。サクラクレパスはその負担を解消するサービス「イロドキ」を開始。園児の顔をAIが認識し、自動で振り分けるが、保護者には自分の子どもの写真だけが届くという。施設側は使用料無料。保護者はダウンロードで有料。

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すまいる保育園イロドキサクラクレパス城東区(大阪)
「子供の情操を育む」日本社会に貢献したい

西村は会社は社員が全てと語り、先輩が自由画運動を行い画材が広まったことで日本社会に対する貢献は大きなものがあると答えた。

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(エンディング)
先行き不透明な時代 サバイバルに必要なことは…

西村は先行き不透明な時代 サバイバルに必要なことにロングセラーになるような最初に生まれる商品を生み出すのが大切だと答えた。

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編集後記

明治のこと、海外から美術教育が入ってきた。大正時代になり、デモクラシーの中で、欧州で勉強した人が、自分が感じたことを自由に表現することを勧め、クレヨンが必要になった。当時、クレヨンは輸入品のみで非常に高価だった。品質がよく、低価格の画材が求められた。クレパスが生まれる。クレヨン+パステルの造語で、サクラという語感と合う。筆記具でも、世界で初めて実用化した水性ゲルインキボールペンを作った。紙に「書く」「描く」という行為では最先端を行き、売上高に占める海外比率は44%だ。とした。

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次回予告

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