- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
東京市ヶ谷のギャラリーでは、現代アートが飾られている場所で彫刻のようにじっとしている人たちは全員読書をしていた。これはアートな空間で読書をしてみようという変わったイベント。予約がリリースから3日で埋まるほど人気になっている。このイベントの仕掛け人がミッションロマンチックの森本萌乃。自身が手掛けたオンライン書店のチャプターズは、月額2530円のサブスクサービスで月におすすめ3冊の本のうち、1冊が自宅に届くサブスクサービス。毎月その進める3冊には、文庫本などの条件があるというがその企画を進めるのは森本とスタッフの脇田が読んで没頭できたものに限る。しかし会員に進める本に関してはタイトルや著者は伝えない。選んでもらう段階ではタイトルをふせて内容を書かれた推薦文だけで読んでみたい一冊を進めてもらう。利用者は21年からスタートし8000人を超えた。
会員の木村さんはチャプターズがとりもつ同じ本を読んだ男女で感想を語り合えるマッチングサービスを使用している。 その話をしている際に相手の顔は見えないようになっている。相手の顔の画面は最初は見えていないが時間が経過するにつれて顔が見えていくという仕組み。20分のトークを終えて連絡先を交換したいかどうかが聞かれる。同じ本をとろうとした男女が出会う、そんな場面が会社のロゴのミッションロマンチック。新宿区にあるオフィスはカフェも併設されている。ここを拠点に読書イベントを開催しているが、出会いの場としても提供している。
チャプターズの利用者の中にはこのサービスを利用して先月結婚した2人。これまで6組がゴールインしている。
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大学を卒業後に第一志望だった電通に入社した森本。しかし4年で退職しその後2回転職し、コロナ禍に仕事を失った。当時、副業として選書サービスを始めていた森本はこのサービス1本でやっていこうと考えた。その事通っていたシェアオフィスを案内してくれた。しかし厳しい現実に、初期投資による借金1000万円があり、資金調達に奔走したが40社に断られた。この事業を諦めなかった森本。本からロマンチックな出会いを生み出してみたいと、そんな一心で資金集めを乗り切り、大量の本を読んではこれだという本を探してきた。最近はネットのサブスクサービスだけでなく、対面での個人向け選書サービスも行っている。この対面選書サービスは、地方でも展開し、全国から依頼が来ているという。
森本は本のタイトルや著者を知らずに選書をすることについて読書家はこの本なら自分が上手く相手に教えてやれるなどとそうした意味合いで選びがちなので感性を大切にと著者とタイトルを隠したがそこに評判をもらっているという。また森本は本を読むのはめんどくさいと思っていたが、映画「耳をすませば」の図書館のシーンで借りた相手の名前を見て恋に落ちていくというシーンで大号泣し起業したという。またこのサービスが無いのは、続かないということなのだろうと思っていたが、早めに失敗してみようと思っていたという。またコロナの影響で会社が解雇されたという森本。資金集めで奔走し、大変な思いをしたが自分の好きなことには狂気や殺気や情熱があり、そこには自負があるという。
福岡市のソラリアプラザは九州の特産品を販売している。福岡の牧場から取り寄せた濃厚プリンや厳選野菜などえりすぐりのグルメが並ぶ。その1角で、アピールしているのは吉開のかまぼこの林田茉優。販売していたのは古式かまぼこと名付けた商品のみ。1本900円以上と、スーパーのかまぼこより高い。魚の味がするというそのかまぼこだが、製造しているみやま市へ。そこにあったのは年季の入った民家。
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福岡県みやま市の吉開のかまぼこ工場へ。1890年創業の老舗で、林田は4代目になる。古式かまぼこの製造方法をみせてもらった。エソを使っているが練り物としては最高級とされるが、長崎で水揚げしたエソを使い、業者に特注ですり身で仕入れる。つなぎは不使用ですり身、だし、みりん、塩だけで作っているという。その分手間もかかっていて、一般的なかまぼこはつなぎの卵などで弾力を出しているが、40度で数時間で寝かせ、魚のタンパク質で弾力を出す工程でぷりぷりな食感を実現している。このこだわりの古式かまぼこは先代が8年かけて開発。体調を崩し一時は廃業寸前だったが、林田が後継者に。3年間みっちり技術指導をうけ製造を再開させた。現在林田を含めスタッフは3人のみ。工場長もまだ30歳だったが以前はプログラミングをしていたという。しかし失敗も多いという。昔ながらの製法は得に品質の維持が難しい。悪戦苦闘しながら改革も行ってきたという。製造に関する湿度や温度について4年間のデータがあり、先代がノートに残した記録をふくめ、全てクラウド上に保管し、スタッフで共有し有効活用している。林田は商品の売り方も変更し、祝い事の贈答品として打ち出し上品なパッケージのギフトボックスを開発。パッケージやロゴも一新した。その売上の7割がオンライン販売だという。
福岡大学の在学中に後継者問題に興味をもった林田。そのきっかけはある町工場に関するニュースだった。講師から岡野工業がすごいという話を聞いた1週間後にニュースでそこが廃業すると記事が出たという。岡野工業はでかい位置細い注射針などを開発。林田は宝のような技術が突然途絶えてしまうことにショックをうけ、その経験からほどなく、地元福岡県内でも同じ問題が起こっていることがわかった。その企業が吉開のかまぼこだった。2018年に先代の体調不良で休業し、林田は先代に会いに向かったというがその話を聞いて跡を継ぎたいと、事業承継している会社探しが始まった。そんな中で出会ったのは瀬戸口将貴さん。地元福岡に貢献したいという想いから畑違いではあったが吉開のかまぼこの買収を決めてくれた。その中で林田に社長をやってみないかと話が及んだ。林田はそれに悩みに悩んだという。しかしその後3年間の指導をうけ、新しい販路を開拓しようと飛び込み営業も。
林田は自社のかまぼこについて今自然由来で作っているかまぼこは業界でも1%もないほどだという。またこの番組に出演した岡野工業が廃業すると知って手紙を書いたという。岡野工業に何回も電話をし、窓口の女性にも怒られたという。しかし手紙を書いて送り、もう一度電話をしたところ会えることになり、廃業を決断した理由などを聞きに向かったという。しかしもう岡野さんは技術の指導もできないほどで本人も後悔していたというが、林田はそれに自身の無力さに痛感し泣きながら地元に帰ったという。林田は吉開のかまぼことの出会いについて、廃業が決まったのに復活を望む声が多かったという。本人もなんとか復活できないかと話していたために関わることになったという。そして事業は最近軌道に乗り始めたと答えた。
林田は、自分の才能について、どんな苦しい直面に当たっても楽しく変換することに関しては親が与えてくれたものと答えた。森本は自分の才能について、才能がないことで、早めに失敗したいと思っていると答え、辛かったことを忘れていき、思ったより大丈夫だったと思えると答えた。森本は今の仕事をずっと続けていきたいとしたが、林田はかまぼこ屋で骨を埋める気はないと答え、跡継ぎ問題に貢献していきたいと答えた。
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先行き不透明な時代 サバイバルに必要なことに森本は好きを原動力にすると答え、林田はお客の声に寄り添うことが大事と語った。
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村上は今日の総括に二人とも若く、よく喋ったが、話は論理的だった。森本さんは、映画「耳をすませば」からビジネスのヒントを得たらしい。映画を見て走り書きしたメモが原型になっている。林田さんは、あとを継いだとき、「かまぼこ」の魅力をどういう風に言語化するか考え、それを軸にロゴマークを作った。「良い後継者がいたら、わたしは辞めるかも」と言うので、「そういう人は意外に辞めない、案外続ける」とわたしが言うと、楽しそうに笑った。二人はスタートしたばかりだが、焦りなどは感じられない。むしろ落ち着きがあった。とした。
カンブリア宮殿の番組宣伝。