- 出演者
- 桑子真帆
トランプ関税をどう乗り越えていけばいいのか考える。
オープニング映像。
スバルの生産拠点がある群馬・太田市。市内に自動車関連の企業が100社ほど集積している。働く人の5人1人が関連する仕事についている。市内の飲食店では、売り上げも落ち、客の数も少なくなったという。主要部品メーカーの東亜工業ではトランプ関税の影響が1000人を超える社員にも及びはじめているという。この日、飯塚社長は労働組合との話し合いの場を設けた。福島保正さんは「一番感じるのは生活の不安」だと話した。飯塚社長は社員のリストラは行わないとする一方、残業の抑制は免れないと伝えた。自動車メーカートランプ関税の影響が長期化すれば1年の営業利益がほぼ無くなる恐れがあるとしている。スバルは世界販売の71%をアメリカが占め、うち7割を日本から輸出している。飯塚さんの会社に打撃をもたらしているのが今月から発動された自動車部品に対する25%の関税だった。飯塚社長は部品を調達する取引先への影響も懸念している。飯塚社長の会社は2次、3次の中小企業に部品や工程の一部を頼っている。2次、3次となるほど小規模で、関税への対応力が乏しい企業が多く、それらの経営が立ち行かなくなれば、生産体制そのものが崩れかねない。太田商工会議所は緊急のアンケート調査を行った。108社のうち、71社が受注量の減少。36社が受注単価の減少を見込んでいると回答した。飯塚社長はいまコスト削減に取り組んでいる。
企業城下町が形成されている地域は全国各地にある。群馬・太田市ではすでに飲食店などにも影響が出ている。自動車産業は日本の基幹産業になっている。日本からアメリカに輸出される品目の中では3割を占めていて、額にすると7兆円にのぼる。自動車産業は関連産業も多いのが特徴。半導体、鉄鋼、販売店、運輸など取引先が多岐に渡っている。石川智久さんは「賃上げへの機運が弱くなってしまう。最近は物価も3%ほど上昇しているので、賃金が伸び悩んだ場合、実質賃金が減って、消費にもマイナスの影響を与える。そのリスクがある」などと述べた。
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- 太田市(群馬)
北海道・オホーツク海の沿岸部。地域の経済を支えるのはホタテ。丸ウロコ三和水産では中国に輸入していたが一昨年、中国が日本産水産物を停止。代わりの輸出先としてアメリカ市場を開拓。去年は2割ほどにあたる約8億円分を輸出した。他の国への販路を開拓できないか模索している。ブリを養殖しアメリカに輸出しているグローバル・オーシャン・ワークスは、あえてアメリカ市場で勝負し続けている。年間の売り上げは約60億円。ブランド価値を高め価格上昇の影響を乗り越えたいと考えている。増永勇治さんは高くなっても買って頂ける商品になるようにしっかりやっていくなどと話した。アメリカの直営店で力を入れているのは高価格帯の商品。その1つがブリの炙り押し寿司だった。今年中に10店舗以上で販売する計画。さらにブリを和食以外にも広げようと、メキシコ風の商品も開発している。
石川智久は「貿易先を多角化するのは非常にいいアイデア。」などと話した。日米交渉の行方について日本側からは経済安全保障と米国への投資の2つのカードが切れるという。アメリカからは数量規制のカードがきられる可能性がある。渋谷和久は「一定数まではかけないが、それを超えたら追加関税をかける。このかたちで落とすのがこれまでのパターン」などと述べた。相互関税は最大で24%。現在は市立関税10%がかかっている。残る14%は7月上旬まで一時停止中となっている。日本のカードは輸入拡大と他国との連携だという。