2026年4月21日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
“次はキューバ”トランプ政権の戦略は 激動中南米

出演者
桑子真帆 小谷哲男 渡邉優 
(オープニング)
今夜は...

トランプ大統領はキューバを手に入れ解放し占領もできるとしている。キューバはトランプ政権の圧力により深刻な燃料不足に陥り、不満が高まっている。トランプ政権の戦略は激動中南米に迫る。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプ
オープニング

オープニング映像。

#5115 “次はキューバ” トランプ政権の戦略は 激動中南米
“次はキューバ” トランプ政権の思惑は?

キューバ・ハバナでは夜は停電の影響で暗闇に包まれ、人々はフライパンなどを打ち鳴らすカセロラソという抗議のやり方で不満を表現している。住民は1日の大半で電気が使えない生活を送っている。キューバは米・フロリダ半島からわずか150kmの距離に位置する人口約1100万人の国。1959年にキューバ革命により社会主義体制となったキューバはロシア・中国・ベネズエラ・イランなどと長年に渡って密接な関係を築き反米路線を全面に打ち出している。トランプ大統領はキューバは破綻国家であり制圧することが名誉なことだとしている。トランプ政権は各国に石油輸出停止の圧力をかけ、キューバには殆ど石油は入っていない。ガソリンスタンドは休業状態で、ゴミ収集車が稼働できず路上でゴミが燃やされている。病院でも電力不足から医療機器が動かせず、この数ヶ月で10万件近く手術が延期されている。さらにトランプ政権はキューバ政府の収入源を断つ施策を進めている。キューバは医療従事者を国外派遣して収入を得ていたが、トランプ政権がその受け入れ停止を各国に要請し、段階的に受け入れ停止の国が相次いでいる。キューバからの医師派遣が途絶え今後の医療体制への不安があるグアテマラ保健省のルイス・シャリシュ局長は遠隔地での医療活動は苦労することになるなどとした。

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キューバ政策の鍵を握るとされるルビオ国務長官はキューバの体制転換を図る狙いを示唆している。2021年の反政府デモでは一極集中の政治体制に反発した反体制派が弾圧された。トランプ政権はキューバ政府体制に圧力をかけることで実利を得たい思惑もある。およそ150万人のキューバ系住民が暮らしているフロリダ州ではトランプ政権の姿勢を支持している人も多い。その一人であるキューバ民主化運動団体のロサはキューバが人道危機状態似合ったことを理解するべきで現体制が退陣するまで追い込むべきなどとした。一方でアメリカ政府のやり方に複雑な思いを抱く人々もいる。その一人のミュージシャンであるエルステンは親戚の多くがキューバで生活しており、対立が深まることで悲劇が訪れると不安に感じている。キューバの国連次席大使であるユリ氏はアメリカとの政治的な対話で解決できるが現実は甘くなく、必要ならば最後の最後まで抵抗し続ける構えだとした。

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なぜ“次はキューバ”?

明海大学教授の小谷と元駐キューバ大使の渡邉がスタジオに登場。小谷らはキューバは中南米における反米勢力のラスボス的存在で、キューバを倒せばベネズエラやニカラグアもアメリカに擦り寄ってくると打算しており、反米勢力の放棄によりアメリカ資本の進出や国内政治を有利にでき、トランプ大統領の個人的な動機でもあるオバマ政権の否定や歴代政権が反米路線を改めさせることができなかったためそれが実現すれば大きなレガシーになるとしているなどと伝えた。渡邉らはキューバとしては体制の維持を図りつつトランプ政権交代を待つ時間稼ぎをしたいとしているが強硬策に打って出てくる可能性もあるため両者のせめぎ合いは緊張感を持って見守る必要があるとした。トランプ政権はドンロー主義を掲げ、西半球から反発・対立勢力を排除し、アメリカの勢力圏にしようとしているが、それが波紋を呼んでいた。

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激動・中南米 “トランプ戦略”で世界は?

トランプ政権による軍事作戦でベネズエラのマドゥーロ大統領が拘束され、ベネズエラでは独裁体制が変わるのではと喜びの声が上がっていた。しかし数カ月後にはベネズエラ国内では政府への不満を公然と訴える動きが出始めていた。現ベネズエラ政権を担っているのはマドゥーロ体制を引き継いだロドリゲス暫定大統領であるが、アメリカとの協調姿勢を打ち出し、過去に拘束された政治犯の一部も釈放した。しかし現地の政治囚釈放委員会は抑圧的な政権姿勢に変わりなく多くの政治犯が拘束されたままで当局による市民の言論への監視も続いているとしている。外交官としてベネズエラに駐在経験があるフロリダ大学のイムダット研究員はトランプ政権は民主化を進めるのではなく石油産業をグローバルに開放し、ベネズエラから利益を得ることにあるあと指摘した。トランプ大統領は先月に中南米諸国12か国の首脳らを集めてサミットを開催し、中国などを念頭に影響力を排除する姿勢を強調した。世界貿易の要衝であるパナマ運河の港は香港系企業が運営しており、運河を中国影響下から取り戻すとトランプ政権は主張している。パナマ最高裁は香港系の企業が港を運営する契約は違憲と判断し、香港系企業の運営県は取り消された。中国は翌日に反発を表明した。パナマは昔から中国系移民が多く、近年では経済関係を強めているため、中国との距離感がパナマの悩みの種となっている。中国系移民の功績などを称える記念碑が去年12月に安全性に懸念があるとして地元当局により撤去された。香港系企業の港運営の違憲判断についてパナマのムリーノ大統領は中央政府から独立した司法の決定を尊重するとした一方で、記念碑の撤去については正当化できないと当局の対応を批判した。パナマ運河庁のイサック氏は自分たちでコントロールできることではなく事態が落ち着くことを期待しているなどと明かした。

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米中の勢力争い

渡邉らは中南米にはトランプ政権の政策を積極的に支持し、受け入れることが自国の利益に繋がると考えている国が多く、そうした国が米主催のサミットに参加しているものの、米中どちらかの踏み絵を踏まされる事態は避けたいと考えているなどと伝えた。小谷らは5月14日・15日に開催するとされている米中首脳会談では米中が世界を主導するG2の可能性と、アジアでの中国勢力も認めないとして全面対決となる可能性があり、どちらに傾くか見届ける必要があるなどとした。小谷らはG2となった場合にはアメリカはアジアから手を引くため、日本の立場は厳しいものになるため日本の重要性をアメリカに再認識してもらいながらも、中南米諸国との多角的な外交をしていく必要があるなどと解説した。

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G2構想ドナルド・ジョン・トランプ首脳会談

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