2025年10月18日放送 4:50 - 5:20 テレビ朝日

テレメンタリー2025
「落日のメガソーラー 問われる自然との共生」

出演者
 - 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

テレメンタリー2025
落日のメガソーラー 問われる自然との共生

北海道・釧路市で獣医師の齋藤慶輔さんは釧路市で、絶滅の危機に瀕した猛禽類の保護や治療を行っている。人間との軋轢を減らす環境活動も行う。この日は釧路湿原で希少種のチュウヒの生息調査を行った。2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、国が推し進める再生可能エネルギー事業。その代表とも言われるのが太陽光発電。釧路市内でもその数は増えていて2012年には25カ所だったのが現在600カ所超。釧路市でキタサンショウウオの研究をしている照井さん。氷河期の生き残りともいわれる絶滅危惧種のキタサンショウウオは開発行為により住処を奪われ2020年にレッドリストのランクを2段階引き上げられた。大阪に本社を置く企業の日本エコロジーは1000キロワットを超える大規模な太陽光発電施設のメガソーラーを全国各地に作ってきた実績がある。釧路市内で新たに17箇所で建設を計画している。地域住民とともに事業を行ってきたという。しかし釧路市では自然環境に対する姿勢を巡り不信感を産んでいた。

キーワード
キタサンショウウオチュウヒ日本エコロジー猛禽類医学研究所釧路市釧路市(北海道)釧路湿原

去年12月に行われた住民説明会では参加者から建設予定地の一つに、国の天然記念者のオジロワシの巣があると指摘された。日本エコロジーが配布した建設地は予定地のすぐ外側にオジロワシの巣がある。専門の業者が作成した場所でもオジロワシの巣は建設予定地の外側にあるように見える。しかし、釧路市に提出されている事業計画の内容では、正確な位置を落とし込むと、実際の建設予定地から南西方向にズレていることがわかった。オジロワシの生態を脅かす開発に、対策を講じてこなかった釧路市義。今回で市長は追求される事態に。獣医師の齊藤さんは建設予定地周辺でオジロワシの雛にGPSをつけ、生息状況の調査を行ってきた。オジロワシのひなの活動範囲は500mが中心で、1000m以上離れた場所でも活動していることがわかる。齊藤さんは、雛がソーラーパネルの下に入ってしまうと親が雛を確認できずエサを運ぶことができないという。最悪餓死してしまうという。釧路市からの通告をうけて日本エコロジーは巣のある場所の建設中止を決めたが巣から500m圏内での建設は続行するという。1980年に国内で始めラムサール条約に登録され、国立公園にも指定された釧路湿原。雄大な自然と希少な生き物が息づくこの周辺でメガソーラーの建設が相次いでいるのか?専門家は日照時間が長く建設費を抑えられる利点があるという。

キーワード
オジロワシ大越拓也日本エコロジー猛禽類医学研究所釧路市釧路市議会釧路市(北海道)鶴間秀典

釧路湿原の歴史は50年以上前に遡ると建設が相次ぐもう一つの理由に1978年代から80年代まで全国で被害が相次いだ原野商法。値上がりの見込みがない原野や山林を将来値上がりするという謳い文句で不当に買わせる手法。釧路湿原周辺もその一つだった。釧路湿原の回りに5ヘクタールほどの原野を所有していた女性は荒野を遺産として相続し、毎年支払ってきた固定資産税の総額は20万円に。重荷となっていた土地を買い取っていたのが太陽光発電事業者。評価額の10倍で買い取ったという。

キーワード
釧路湿原

6月に、釧路市が打ち出したのは全国で2例目となるノーモアメガソーラー宣言。実効性はないものの、自然環境を脅かす開発に市の姿勢を示した。今、釧路湿原で相次ぐメガソーラーの建設。希少な生き物が住んでいる近くでも新たな建設が始まった。その近くにはこの春生まれたばかりのひ名がいるタンチョウの姿が。獣医師の齊藤さんの環境省の生物保護センターから300mしか離れていないという。メガソーラーを行うのは大阪の日本エコロジー。4.2ヘクタールの土地に6600枚のパネルを設置しようとしている。日本エコロジーが釧路市のガイドラインに沿って行った希少生物の調査の結果、タンチョウだけでなく絶滅危惧種のキタサンショウウオなど建設現場には生態を確認していないという内容だった。日本エコロジーはこの結果を釧路市と野生生物の保護を監督する市立博物館に提出し工事に取り掛かっていた。齊藤さんは希少生物の置かれた現状を伝えるためにドローンを撮影した映像をSNSに投稿している。この映像は大きな反響を呼び、1600万回以上閲覧された。

キーワード
タンチョウ北斗市(北海道)日本エコロジー猛禽類医学研究所環境省釧路市釧路市(北海道)釧路湿原鶴間秀典

事態はその後急変し、道の調査で日本エコロジーの森林法違反が発覚。太陽光発電施設の建設で0.5ヘクタールを超える森林を開発するには都道府県知事の許可が必要。しかし、日本エコロジーは道に申請しないまま0.86ヘクタールを伐採していた。生物調査のずさんさも明らかに。釧路市立博物館によると日本エコロジーが行ったタンチョウの調査は専門家への聞き取りのみで現地での生息調査は行っていなかった。オジロワシについては2月から9月の繁殖期に2年にわたる毎月3日間の調査が必要だが繁殖期でない時期に3日間のみの実施。日本で繁殖する猛禽類のうち、最も生息数の少ないチュウヒには調査事態していなかった。9月始めには国会議員らが建設予定地の視察へ。説明を行ったのは大阪の本社からやってきた日本エコロジーの松井政憲社長。違法に伐採した部分は植樹をすると説明。希少生物の調査が不十分だったという指摘には再調査を進めていくとしているが建設の受理が釧路市からされているとの理由に、工事は続行する方針。釧路市議会では太陽光発電施設の許可制とする条例案が開けつ。条例が適用されるのは来年移行に始まる施設のみですでに稼働しているものや建設中の施設には適用されない。鶴間市長は東京を訪れ、法改正の必要生を環境大臣に自ら訴えた。

キーワード
オジロワシタンチョウチュウヒ北海道日本エコロジー浅尾慶一郎環境省釧路市立博物館鈴木直道鶴間秀典
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.