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- 大竹まこと 阿川佐和子 ビートたけし
スーパーでの米5kgあたりの平均価格は4268円で過去最高値を更新した。こうした中で「米は買ったことがない」などと発言した江藤拓農林水産大臣が更迭された。後任には小泉進次郎氏が就任した。備蓄米が放出されても価格が下がらない理由の背景には流通面での問題が指摘されている。3月までに放出された備蓄米21万トンのうち約20万トンを落札したJA全農は、5月15日時点で約8万トンしか出荷していない。また備蓄米の落札価格も高いと問題視されている。小泉氏はこれまでの入札方式から「随意契約」に切り替える方針を示した。随意契約では政府が特定の事業者を選定して契約する。これにより店頭価格の引き下げが期待できるとのこと。さらに小泉氏は備蓄米を需要次第で無制限に出すとも話した。
オープニング映像。
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- 全国農業協同組合連合会小泉進次郎
江藤大臣の発言について。久保田さんは「国民が米価格の高騰で苦しんでいる中で不適切な発言だったと思う」などと話した。古市さんは「米の値段を下げられなかった時点で大臣としては能力がなかったと思う」などと話した。
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- 江藤拓
小泉進次郎氏について。岸さんは「米価高騰の諸悪の根源は農水省。自民党の農林族では変えられなかった。小泉さんは農林族じゃないのでしっかり改革できる可能性はある」などと話した。東国原さんは「備蓄米放出を決めた江藤大臣の判断は大英断。ただ放出の方法が良くなかった」などと話した。岸さんは「競争入札ではなく随意契約に舵を切った。少しずつ良い方向には進んでいる気がする」などと話した。
JAは米を集荷する際、農家に対して「概算金」を前払いする。この概算金を目安に卸売業者との取引価格が決まるため、その年の米の店頭価格を左右するという。各地のJAではこの概算金を去年より3~4割引き上げる動きが広がっている。久保田さんは「概算金を農家に支払った上で、米価の変動を考慮し見込みより高く売れればその分を農家に追加で払う」などと説明した。古市さんは「政府は米の生産量を抑え続けてきた。ある種国が米の価格を操作していた」、岸さんは「農水省が米の供給量をコントロールしてきた結果、米の値段が2倍になった」などと話した。久保田さんは「米の流通が自由化されて赤字農家が増えた。需要と供給のバランスで価格が落ち着くような政策を行ってきた」などと話した。古市さんは「農家を過剰に守ったことで農家が弱くなった」などと指摘。岸さんは「農業も基本的には産業。米価は本来市場で決まるべき。そこの部分を無視して食料自給率等を求めているからおかしくなった」などと話した。
コメの価格はなぜ急速に上がったのか。その要因の一つにJAの弱体化があると専門家は指摘する。JAは一般企業のような営利を目的とした団体ではなく、農業に携わっている人たちを中心とした「組合員」がお互いを助け合うことを目的とした「協同組合」という組織。1995年に食糧管理法が廃止されるまでは原則全てのコメはJAが集荷していた。しかし、コメの流通の自由化でJAのシェアは低下。専門家によると、2024年は約3割まで落ち込んだ。農業従事者が団結し卸売業者などと価格交渉するというのが本来の組合の役割だが、自分で売るようにしていく流れが大規模農家から強まってきたという。JAを通す生産者が減ってきたことで、JA自体が卸売業者などとの交渉力を失い、今やコメの価格を安定させることができないと指摘する。
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- 全国農業協同組合連合会小泉純一郎東京大学
久保田氏は「私は東京で生まれ育ったので農協を全く知らずに育った。大学は農学部で色々勉強したが、勉強では農協のことがよく分からない。内部から改革しようと思って入った。実際に色んな実務を勉強していくが、一番戦った相手は国。農家の手取りが減るような農業改革をしてくる。結果からすると日本の食料自給率は下がり続けたし、農家の数は減り続けたし、農協も収益が立ち行かなくなり、合併をして大きくなることでコストダウンを図っていくという変化をしてきた。農水省に負けた理由は補助金みたいなものが減ってきた」等と話した。
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- 全国農業協同組合連合会東京都農林水産省
農水省もたいへんだと東国原さんがいう。農業だけ守るのは社会主義国だと古市さんがいう。農業だけなぜ中央が政策を決めなければならないのか。もっとマーケットに任せなければならないのか。わざわざ食料自給率をカロリーベースでいうのか。低く見せる必要はないという。農水省は補助金くださいと言っている。それは農水省の理屈だとのこと。食料安全保障がそもそもよくわからないと言う。食糧は自給できたほうがいいと岸さんが言う。産業として強化する方向だ。農水省は産業という意識はないので、補助金で農業を守ろうとしている。割を食っているのは、農家と市民だと大竹さんがいう。古市さんはコメをまったく食べないとのこと。必要カロリーは減っているとのこと。昭和の時代は肉体労働が多かったのでカロリーが必要だった。コメの関税を下げるべきだ。まずは国内の食料安全保障を考えて国内の生産強化をやっておくべきだったと岸さんがいう。
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- 全国農業協同組合連合会農林水産省
コメ価格の高騰は、家庭に打撃を与えている。飲食店の現状はどうなっているのか。東京杉並区のとんかつ山路。創業50年。近くには日本大学や明治大学がある。山路さんがひとりで切り盛りする。チキンかつ定食Aが人気。茶碗いっぱいのごはんがついてランチは580円。カツカレーも人気だ。安さと量が自慢の店。
安さと量が自慢のとんかつ山路。コメは知り合いの農家から毎月2-3回、送ってもらっているとのこと。福島県の農家から直接仕入れているとのこと。農家からは200kgのうち160kg。足りないとスーパーで購入。いままでコメの仕入れ値は約8万円。高騰で10万円になった。この2万円の差は痛手だ。ごはんの大盛はやめたという。ひとりだから人件費はないとのこと。儲けはないとのこと。赤字ギリギリでやりくりしているという。政府に対しては怒り心頭だという店主。
コメの価格が高いならば収入も増えなければいけないとたけしさんが言う。なぜ物価が高騰するのに給料が上がらないのか。30年間勤労者の収入が上がらなかった。社会保障の額は増えた。コメの価格が高騰。消費者と農家とが一緒になってどうすればいい日本になるのかを考えなければいけない。食料安全保障についても議論しなければいけない。農水省の罪は大きいと岸さんが言う。コメの価格は今後下がる可能性はあるのか。5kg2000円はありえない。5kgで3500円が適正価格だと東国原さんがいう。コメの関税は廃止すべきだと古市さんがいう。輸入米をたくさん買えるようにすべきだとのこと。
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- 全国農業協同組合連合会東京大学
古市さんは長期的にはコメの関税は廃止すべきだという。せめて今、時限的にでも、コメの価格が半額になるまで政府は輸入米を輸入し続けますと宣言すればいい。ミニマム・アクセス米は、国際協定に基づき最低限輸入量が決められた無関税のコメ。日本の輸入枠は年間77万tとなる。無関税枠を超えるコメの輸入に対して1kgあたり341円の関税が課されている。現実には農協グループよりも高い値段で、コメを集めている業者がいる。価格を下げた場合に、業者が大損することがある。それは国家としてやってもいいのか。
一般の農家を票田とする国会議員が利用することになる。小泉議員は人気取り臭いとのこと。
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