2024年8月3日放送 10:30 - 11:00 テレビ東京

ブレイクスルー
猛暑の夏に嬉しい!涼しくて臭いが気にならないTシャツとは

出演者
佐々木明子 真山仁 
(オープニング)
「汚れが落ちる」「猛暑でも臭わない」

シャツについたやっかいな醤油の染みが水につけるだけですっかり落ちる。更にこの時期嬉しいひんやり気持ちいい熱中症予防にもなるTシャツ。様々な機能を持つ洋服を開発するアパレルの異端児、その狙いは。アパレル産業は製造過程で大量の水や石油製品を必要とする。一方で廃棄される服は年間約9200万トン、環境汚染産業の一つともいわれている。今週は小説家・真山仁が、捨てられない洋服で業界に一石を投じるアパレルの異端児に切り込む。

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ハゲタカ熱中症真山仁
オープニング

オープニング映像。

(ブレイクスルー)
猛暑でも快適”冷たくて臭わない服”

真山が向かったのは、東京・日本橋にあるアパレルベンチャー「hap」。デザインだけではない機能性を売りに、業界大手からも一目置かれる存在だという。本日の開拓者はhap社長の鈴木素。名前のとおり、素材の力でアパレルに革命を起こそうとしている。hapでは「カバロス」という機能性がある生地と、それを使った洋服を製造、販売している。「カバロス」は「相反する」という意味を込めた造語。1つの服になんと10種類以上の異なる機能を持たせることができる。早速その実力を見せてもらった。このTシャツには表と裏で異なる機能がある。取り出したのは醤油。表面は軽い撥水加工で汚れをはじく。しかし、しばらくすると吸収する。裏は吸水拡散加工で汗を広げて乾きやすく、表と裏でまったく逆の加工だ。更に水につけると汚れが浮き上がってきた。このまま1分ほど浸すと、醤油の染みがほぼ落ちた。実は布の表面には水とくっつきやすい物質が塗られている。醤油より水を吸い寄せるため汚れが落ちるという。「カバロス」は現在、しまむらやSHIPSなどの大手を含む30社で採用されている。そんな「カバロス」は既製の服に後から機能をつけることもできる。冷感機能ならキシリトール、消臭機能ならグレープフルーツ由来など、機能に合わせて約200種類の成分を独自の分量で配合し、衣類に染み込ませる。去年9月には「カバロスランドリー」という一般向けのサービスをスタート。手持ちの服に好きな機能をつけることができる。自宅に眠るお気に入りの1着も高機能の服に。

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COVEROSS LAUNDRYhapしまむらシップス日本橋(東京)

実は鈴木が着ているTシャツも、猛暑の夏にありがたい光触媒で汚れや臭いを分解する機能が。他にも、特殊な編み方で高い伸縮性があるジーンズを鈴木が突然履き始めた。女性用のウエスト70cmのジーンズは、ウエスト100cmを優に超える鈴木にはかなり厳しそうだが履けた。驚くほど伸びる生地には製造するサイズを減らす狙いがある。更に洋服以外にこんな展開も。枕とブランケットは汗を吸って蒸発させ、気化熱で冷やすという生地を使っている。更に表面には冷たく感じる加工も。他社商品と比べてみると、手から伝わった熱がカバロスのほうが早く下がることがわかる。今年8000枚を販売した人気商品。

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カバロスブランケット

大学卒業後、繊維商社に就職した鈴木が、海外工場で目にしたのはアパレル業界の現実だった。価格を下げるために大量に生産するが、世に出る商品の約50%が売れ残り、捨てられるという現実。そこで2006年に独立し、hapを設立。様々な機能をつければ捨てられない服を作れるのではないか。アパレル業界の闇への鈴木の挑戦が始まった。このあと多機能をうたうアパレルの開発の最前線へ。

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hapバングラデシュ
洋服がまるでスマホに進化?

水につけるだけで醤油の染みがあっという間に落ちる生地や、光の力で汗の臭いを分解するTシャツ。捨てられない服を作るため様々な機能を開発する鈴木。最新の研究が東京・江戸川区で行われているという。案内されたのは都内にある協力企業。何本もの糸を複雑に組み合わせるこの編み方で、世界初の機能を持つ生地を生み出そうとしていた。糸状の金属を細かく編み込み、生地に電気を通すというが、厚手の布に先ほどの電気を通す生地が縫いつけられていた。そこに水が入ったコップを置き、待つこと約10分。布の温度は電流の強弱で自由に設定できるため、洋服に使えば寒い冬も上着なしで過ごすことができるという。更に医療用のヒーターという使い方も。他にも電気を通す布に触れることで、心電図の測定まで。洋服に細い管が入ったTシャツは、管に水を通すことで熱中症対策になるという。鈴木は常識にとらわれない新たな機能を持つ服を生み出そうとしている。画期的な機能を持つ服を次々と開発している鈴木だが、社会への普及を阻む大きな壁が、時代錯誤の洋服の規格。例えば「カバロス」のタグについている抗菌防臭や消臭などは、JIS規格をクリアしなければ表示することができない。しかし機能性の進化は日進月歩。規格の基準の設定が追いついていない。

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hap三機コンシス日本産業規格江戸川区(東京)熱中症

鈴木が今、新たな機能性の服で救おうとしている国がバングラデシュだ。ダッカ大学と共同で研究しているというこの生地は、蚊が寄って来にくいというもの。実際、蚊を生地に近づけると避けるように上へ上へと逃げていく。蚊を寄せつけない生地だ。バングラデシュでは蚊を媒介として広がる感染症・デング熱が猛威を振るい、去年1年間で死者は1000人を超えた。この服で命を救いたいと考えていた。

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ダッカ大学デング熱バングラデシュ
”捨てられない服”でアパレル革命!

洋服に独自の機能をつけて、業界に革命を起こす開拓者・鈴木素。最後に小説家・真山仁がアパレルの異端児の心の内に迫る。鈴木は「トレンドをどうやって文化に変えるか。価値観を文化として継承していくのは大切なものをどう守るかでもあって文化を創っていきたい」などと話した。

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hap
(エンディング)
配信情報

ブレイクスルーはテレ東BIZ、TVer、U-NEXTで配信中。テレ東BIZでは真山仁の深堀りコンテンツも配信中。

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