2024年7月3日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

モーサテ
【米移民・関税政策のインフレ圧力とその結末】

出演者
矢内雄一郎 池谷亨 片渕茜 平出真有 松本史雄 劔崎仁 
(ニュース)
新紙幣きょう発行

日銀はきょう、約20年ぶりに新紙幣を発行する。紙幣のデザイン刷新は2004年以来で、1万円札:渋沢栄一、5000円札:津田梅子、1000円札:北里柴三郎に代わる。偽造を防ぐために紙幣として世界初となる3Dホログラムを採用している。

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北里柴三郎日本銀行津田梅子深谷市(埼玉)渋沢栄一
きょうの予定
きょうの予定
米 労働市場関連指標/小売業の決算が本格化

劔崎さんは「失業保険の継続受給者数に注目したい。これまで失業保険の継続受給者数の前月比は雇用統計の非農業部門雇用者数の前月比とも緩やかに連動している。失業保険継続受給者数は5月末以降増加に転じ始めているので、今週金曜日に発表される6月の雇用統計はおそらく前月比は20万人を下回ると考えている。ただ本日発表される失業保険継続受給者数は増加するとなれば7月の雇用統計でも非農業部門雇用者数の前月比が20万人を下回る可能性が出始めるということなので、本日の値には注意したいと思う。」などと述べた。衣料品関係の決算について松本さんは「きょうABCマート、ワールドなどが決算を発表するが衣料品企業の決算は注意。株価にとってネガティブなニュースが出る可能性が高い。6月28日に決算を発表したアダストリアは3-5月の業績は8%売上は伸びたがそのあと株価が急落した。ABCマートとワールドがアダストリアと業態が同じというわけではないが、基本的には円安でコストや人件費があがっている。全体としては向かい風という状況。業績好調な小売企業は基本的に高額ブランド品がインバウンド円安恩恵で拡充する百貨店に限られる。」などと述べた。

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ABCマートアダストリアワールド雇用動態調査
(気象情報)
気象情報

全国の天気予報を伝えた。

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熱中症
(経済情報)
NY株式

2日のNY市場 株価の終値を伝えた。

米 化学物質「PFAS」規制に注目

東海東京証券アメリカ・武井さんは「バイデン政権の環境保護局は4月に発がん性のリスクが懸念される物質”PFAS”について飲料水に含む量を制限するための新たな規制を発表した。その許容レベルは日本の基準の1割未満という厳しい数字。この規制を守るためにはアメリカの公共水道システムの最大10%インフラを更新する必要があり、土壌などの洗浄も必要で、除去には2040年までに約3,000億ドルの費用がかかると試算されている。また、アメリカの多数の自治体は先月水道システムのPFASの責任をめぐる訴訟で3Mやデュポンなどと和解した。ただ、企業との和解金は除去に必要な額の2割にも満たないとされ、今後も訴訟など企業に対してさらに負担を求める動きが増えると予想される。水道などの計測技術を持つ『ザイレム』は2023年に水処理を手掛ける企業を約75億ドルで買収し、水資源不足問題への取り組みを進めており、今回の規制を事業拡大の機会としている。また、産業廃棄物を手掛け汚染された土壌の洗浄で実績がある『クリーン・ハーバーズ』やPFASの除去でアメリカ空軍と協力する『リパブリック・サービシズ』も収益拡大の機会と捉えている。3社の株価はこのところ過去最高値の水準で推移している」などと話した。

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3MPFASアメリカ合衆国環境保護庁クリーン・ハーバーズザイレムデュポン・ド・ヌムールブルームバーグリパブリック・サービシズ東海東京証券アメリカ
為替/金利/商品

為替・金利・商品の値を伝えた。

プロの眼
米 大統領選政策のインフレ圧力

きょうのテーマは「アメリカ 移民・関税政策のインフレ圧力とその結末」。先週のバイデン氏とトランプ氏のテレビ討論会でも注目された2つの政策。劔崎さんは「移民政策を通じて再び移民の流入を絞るとなると、労働市場の緩和ベースが鈍るということを通じ、賃金の伸びが下がりきらなくなる→サービス価格の伸びの鈍化が限定的になる可能性がある。関税率の引き上げは財価格の伸びが再び上昇に転じるということに繋がる。移民・関税政策次第でインフレ率が2%に戻る時期が変化する可能性がある」と話した。バイデン大統領は先月、自身の任期中に不法移民が急増したことに対応するため不法移民の入国規制を強化した。アメリカ議会予算局は不法移民の純流入は足元で240万人くらいあり、2027年には20万人に減少すると試算している。バイデン氏が次期大統領となる場合、この試算に概ね沿う形で推移すると考えられる。一方、金融危機以降移民全体の純流入が最も少なかったのは2019年のトランプ氏の第一次政権時代。トランプ氏が次期大統領となる場合、2027年には2019年の水準になることを目指す可能性がある。移民政策がインフレ率に影響することを考える上では「労働人口が2015~2019年のトレンドにいつ戻るのか」というのが重要だと劔崎さんは考える。バイデン氏の移民政策では労働力人口は2026年後半には収束すると考えているが、トランプ氏の場合は2027年末でもトレンドに収束しないという事だと思う。

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ジョー・バイデンドナルド・ジョン・トランプ議会予算局

トランプ氏・バイデン氏の関税政策について。劔崎さんは「バイデン大統領は5月に中国製の電気自動車に対し、現在の4倍の追加関税を課すと決めているが、対中追加関税の引き上げを5月に発表している。一方のトランプ氏は中国からの輸入品に60%、その他の国・地域からの輸入品には10%の関税を課すと考えている。我々の試算では2018~2019年の貿易戦争はコアのインフレ率を0.12%ポイントほど押し上げたことになる。一方、先日バイデン氏が発表した対中追加関税は、対中輸入総額のたった4%に過ぎないので、コアインフレ率は0.003とほぼ影響がない状況。ただ、トランプ氏が追加関税をかけるとなるとコアインフレ率への影響が0.36となり、18年・19年の貿易戦争の約3倍に押し上げてしまうことになる。全体としてはトランプ氏の政策の方がインフレ圧力が高まると言えると思う。現在FOMC参加者はインフレ率が2026年に2%に戻ると見通している。ただ、我々の試算を前提とするとこの見通しはバイデン氏が次期大統領の場合には実現する可能性があると思うが、トランプ氏の場合は2026年でもおそらくインフレ率は2%前半にとどまり、場合によっては利下げもできない可能性も否定できない。トランプ氏は2026年5月にパウエル議長が任期満了を迎え、その前にFRBの議長を交代させるという見方も一部にある。ただ、深刻な違法行為があるとか職権乱用しているなどがない限り、大統領といえどもFRB議長を用意に解任することはかなり難しい可能性が高い。また、インフレ率を巡る環境はトランプ氏の第一次政権時代とはかなり異なり始めているので、トランプ氏がFRBに利下げを強要すればインフレ率は再び2%台後半に戻ってしまう可能性も残っている。トランプ氏は必ずしもFRBに利下げを共用しない可能性もあるのではないかと考えている。全体を総合すると、トランプ氏が次期大統領となってもFRBの独立性が大きく後退するとは思っていない」などと話した。

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FOMC議事録公表ジェローム・パウエルジョー・バイデンドナルド・ジョン・トランプ連邦準備制度理事会
日経朝特急
債券市場に「政治の季節」総裁選 7月利上げに逆風か

債券市場で米国やフランスに続き、日本の政治リスクへの警戒がじわりと広がってきた。9月の自民党総裁選に向けた党内の思惑が伝わり始めたことで日銀が今月の金融政策決定会合で利上げに動きづらくなるとの見立てが市場参加者の間で浮上しつつある。自民党の支持率が低迷する中、政権は一般に国民負担を増やす利上げに消極的にならざるを得ず近く総裁選が控える現状では特に日銀もそうした政権の思惑を無視しづらいとの見立てがある。固定金利と変動金利を交換する翌日物金利スワップ市場では7月会合での利上げ確率の予想は足元で4割にとどまり5月末時点の7割から低下。また日本国債の利回り曲線を見ても5月末から上昇している長期から超長期ゾーンに対して中期ゾーンは低下していて早期の利上げ期待がそれほど高まっていないことが伺える。

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日本銀行自由民主党自由民主党総裁選挙金融政策決定会合
株高「NISA世代」支え 個人株主が過去最多

日経平均株価が2日、3カ月ぶりに4万円を超えた。この支え役になっているのが、新NISAをきっかけに投資を始めた個人投資家。2023年度の個人株主数は1年前に比べて462万人増の7445万人と過去最多を更新した。企業が株式の持ち合い解消で売り圧力を強めるなか、個人と外国人がその受け皿となる構図となっている。主要証券10社に1月から5月のNISA口座経由の買い付け状況を聞いたところ個別株トップはNTTで2023年6月末に株式を25分割して1万5000円程度で購入できるため投資に回す資金余力の小さい若年層には魅力的とみられる。

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イオンモール内定辞退者 3年以内なら即採用

イオンモールは来年、新卒学生が同社の内定を辞退しても3年以内なら最終選考だけで採用を決める制度を始める。辞退者が別の所で働いた後、転職を希望する時に即座に採用できるようにする。小売業は新卒の採用競争が激しい。小売り大手によるユニークな人材のつなぎ留めの取り組みは各社に波及する可能性がある。

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総裁選 7月利上げに逆風か?/株高 NISA世代が支え手

剱崎仁さんは「政治が日銀の金融政策にどこまで影響するかというのは常にある議論。日銀はすでにこの6月の会合で7月の会合において今後1、2年の具体的な国債減額計画を決定すると発表している。市場への影響を考えると国債の減額計画の発表と利上げ、これを同時に行うというのはそもそも難しいのではないかという考え方がある。私自身は7月の利上げは政治の影響は別にしてもそもそも難しいのではないかと思っている。減額計画は市場の想定の3兆円2年後という数字よりもより低くなるという可能性もあるのではないかと思っている」と話した。松本史雄さんは「企業にとって安定的な株主じゃなくて株価を意識する、株のリターンを意識する投資家が増えているという意味では積極的に上場企業が株価を意識した経営をしていかなきゃいけない。それは当然株主によってもプラス。一方で必ずしも個人投資家の株の買い越し額が大きくプラスになっているわけではないというのが今の現状。株主数は増えているが株主比率で見ると個人は実は上がってきていないところにつながっている」などと述べた。

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日本銀行日本電信電話植田和男
深読みリサーチ
防衛予算増額で注目

山和証券・元トレーダー志田憲太郎の解説。重工業大手3社は三菱重工業、川崎重工業、IHI。各社防衛関連や航空機関連だけでなく発電所やプラントなどのインフラ関連、産業用機械など多岐にわたる事業内容。売り上げは三菱重工業がおよそ5兆円。経常利益は3社が参加している航空機向けの国際共同開発エンジンに異物混入があった問題で検査や整備のために約1兆円の損失が発生した。出資比率に応じて各社は損失を一括計上している。IHIはおよそ1600億円、川崎重工業が580億円、三菱重工業は約200億円。IHIは赤字転落した一方で三菱重工業の影響は相対的に軽微であった。増益率は三菱重工は4.7%、川崎重工業は3.4倍、IHIは黒字転換のV字回復。2023年3月期と今期の会社予想の増益率を比較すると三菱重工業が73%、川崎重工業が56%、IHIが34%。直近2年間の株価では三菱重工業が約2.4倍、川崎重工業が約61%上昇、IHIは約5%の上昇。今期の会社予想は市場は織り込んでいる。今後の話題となっていることは防衛予算の増額。防衛予算増額による業績影響が最初に意識されたのは23年8月に発表された三菱重工の第1四半期決算の決算説明資料。航空、防衛、宇宙事業の受注額が6871億円で前期の通期分に匹敵する額を最初の3カ月で達成した。全事業でみても前年同期比で75%増。11月の第2四半期決算発表時には航空防衛宇宙事業の通期受注見通しを1兆円から1.8兆円に引き上げた。前年同期比で約2.5倍となる水準。防衛省の産業強化の方針が報道された。

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IHI三菱重工業山和証券川崎重工業防衛省

新たな防衛産業政策では利益率を8%程度から最大で10%まで引き上げて半導体など価格上昇コストの調整代金も考慮するとされ最大15%の利益率との報道。企業側は利益目標を10%としている。コスト調整は補填部分。三菱重工業は従来の利益率とされている約8%は防衛省の期待値。実質利益率は5%程度。10%程度となると予算、利益率は倍となる。受注も明確に表れてきたので防衛関連への物色が活発化してきた。三菱重工業だけでなく他の2社の受注も増加見通しとなった。川崎重工業は第2四半期時点では三菱重工業ほどの増加とはならなかったが通期で約2倍、利益率も27年度まで10%以上を目指す方針。IHIも前期が過去最高の受注額で今期はそれを更新する見込み。民間の航空受注も含まれているために防衛予算だけではない。今期予想のセグメント別利益比率参照。三菱重工業はエナジーが主力。エナジーは火力発電に強みがあり原発、再生エネルギーとバランスよく展開。CO2回収でも高いシェアがある。物流ではフォークリフトの業績貢献が期待される。AI需要を背景とした電力需要の高まりはインフラへの投資継続が期待されて防衛関連としてだけでなくインフラ関連としても本命。川崎重工業は他の事業が落ち込んでいたこともあり今期まではバイクと四輪バギーのパワースポーツ&エンジンが稼ぎ頭。航空に加えて船舶などのマリン、精密機械ロボットが本格回復となれば総合的な爆発力がある。水素関連事業へも注力しており、将来の成長ドライバーになる。IHIは航空機のエンジン関連では技術力の高さに定評がある。今期から民間向けの需要が本格回復することに加えて防衛予算の増額。航空、防衛という視点で見ると比率が一番高いIHIが最も注目される。

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IHI三菱重工業川崎重工業防衛省

3社の株価を紹介。三菱重工業は受注額急増以来人気。上場来高値を更新中。業績はこれから追いつく形で株価を正当化していく段階。川崎重工業は長いレンジをうわ抜けるか。IHIはエンジン問題の影響で最も出遅れているが航空防衛関連として本来なら最初に物色されても良い。防衛、航空銘柄の注意点について志田さんは「ボーイング社の動向。品質問題から生産ペースを落としている。株価も低迷。需要はあるが作れないとなると民間航空機需要の回復を見込んでいる各社の決算に狂いが出る可能性がある」などと話した。今日の番組終了後、午前7時8分ごろ〜モーサテプレミアムでモーサテ朝活Onlineをライブ配信する。引き続き、志田さんから重工3社の今後についてより詳しい話を聞く。

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(気象情報)
気象情報

東京の映像を背景に、気象情報を伝えた。

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FRBパウエル議長 利下げ開始「さらなる確信必要」

FRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長は2日、ポルトガルで開催されているECB(ヨーロッパ中央銀行)フォーラムのパネルディスカッションに出席し、利下げ開始にはインフレ減速のさらなる確信が必要との認識を示した。パウエル議長は「利下げに踏み切るには、さらなる確信が必要。米国経済は力強く、労働市場も堅調なので、時間をかけて正しく判断することができる。それが我々の計画だ」と述べた。パウエル議長は先週の個人消費支出物価指数の結果を「1年前から目覚ましい進展」と評価しつつ、「現在のインフレ水準が、実情を正しく反映しているか見極めたい」と強調。インフレ目標の2%に「来年末か再来年までに戻る」との見通しを示した。

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シントラ(ポルトガル)ジェローム・パウエル欧州中央銀行連邦準備制度理事会
仏 中道・左派が候補一本化

フランス・国民議会総選挙の決選投票を巡り、2日までに中道・左派政党の候補210人以上が出馬を辞退。各選挙区で候補者を一本化することで票の分散を防ぎ極右・国民連合による政権獲得を阻止する。国民連合・ルペン氏は決選投票で単独過半数に達しない場合、他党議員と個別に連携する形で組閣をはかると現地メディアに話している。

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マリーヌ・ル・ペン国民連合
米 認知症新薬を承認

アメリカのFDA(食品医薬品局)は、製薬大手・イーライリリーが開発したアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」を承認した。初期段階のアルツハイマー病患者が対象で、病状の進行を抑える結果があるとされている。イーライリリーは日本の厚生労働省にも承認を申請していて、すでに承認されているエーザイのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の強力なライバルになるとみられている。

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