- 出演者
- 矢内雄一郎 佐々木明子 平出真有 藤井由依 白井さゆり 中空麻奈 門田真一郎
白井氏が挙げたキーワードは「トランプ関税でアジアが気付いた次の戦略」。今回の相互関税でアメリカがASEAN諸国と日本に適用した一律10%を含んだ税率を確認。中国からアメリカへの太陽光パネルの迂回輸出拠点となっているとされるカンボジア・ラオスに続きベトナムが高い数字となっている。白井氏はベトナムについて「トランプ大統領が第1次政権で、中国に対する輸入関税率を平均して20%まで引き上げた。現在はさらに上げて約50%のため大きな打撃がある」、「第1次政権の際、約20%の関税率を避けるために中国からベトナムへの輸出が増え、ベトナムからアメリカへの輸出が増えた。中国からベトナムへの直接投資も増え、沢山できた工場で生産しアメリカに輸出するという経路ができた」、「結果、アメリカの貿易赤字は中国に対して少し減少したが、ベトナムに対しては急激に貿易赤字が拡大した」などと述べた。大国中国の手前、アメリカのベトナムに対する貿易赤字は十分減らない可能性もあるという。
「中国は簡単にサプライチェーンを変えることができるのか?」という質問に対し、白井氏は「シンガポールにテクノロジー関係の企業が沢山あり、日本や色々なアジアとビジネスをしている」と話し、デジタル技術・技術革新力は世界トップレベル・購買行動の変化に合わせ商品ラインを変更し、多品種少量生産できる柔軟な生産工程を構築・製造業では品質の向上をし、圧倒的な競争力などと白井氏が聞いた中国企業の特徴を紹介した。
きょうのキーワード「トランプ関税でアジアが気付いた次の戦略」に関して、白井氏は「アジアの中では輸入出が増えて経済統合が進んで見えるが、貿易収支を見ると、ほとんどのアジアがアメリカに対して貿易黒字。アジア域内が自立しているわけではない」などと述べ、アメリカの輸入市場への依存を減らし民間の内需を高め、アジア域内の共存共栄をはかることがアジアの次の戦略だと話した。「外に目を向けた時のアジアの戦略は」という質問に対しては、「既存の自由貿易協定に参加したい、あるいは新しく作ろうという動きになっている」などとコメント。非常に巨大な自由貿易協定であるRCEPに、アジアの多くの国を入れて巨大なアジアの自由貿易圏を作るべきだという声が高まっているという。また、CPTTP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)についてはハードルが高く、 中国・台湾は申請が棚上げされている。去年イギリスが入り、EUも関心があるという。しかしここでサプライチェーンを作るとしても地域が非常に分散しており、中国が入らずにサプライチェーンが作れるのか疑問の声も。いまはアメリカ以外で皆で協力しようという声が高まっている。
タイの首都・バンコクから日本経済新聞・アジア編集総局の井上航介氏と中継。タイでは18日、連立政権を組んでいた第2党「タイの誇り党」が政権を離脱。党首はアヌティン氏。井上氏は「カンボジアとの国境問題を巡り、ペートンタン首相の対応を問題視したとの要因で、今後安定した政権運営が難しくなりそう」などと話した。経済状況については「タイは新型コロナウイルス後から徐々に経済が回復してきたが、足元では逆風にさらされている。最大の原因はアメリカのトランプ大統領による相互関税。タイは他の新興国と比べて36%という高い水準の税率が適用見通し」などとコメント。相互関税のタイへの影響については「タイでは自動車関連や電子製品などの輸出産業がGDPの約6割を占め、これらに対し相互関税の打撃は決して小さくない」などとコメント。「相互関税の適用が90日間延期し、再適用まで1ヶ月を切っているが、タイはアメリカとの交渉は進んでいるのか」という質問に対しては「タイはアメリカ産牛肉の輸入額拡大や航空機の購入、エネルギーの輸入拡大などを交渉材料にアメリカからの譲歩を引き出そうとしているようだが目立った成果は得られていない」、「タイ政府は2025年GDP成長率予測を従来よりも1ポイント下方修正した(5月19日NESDC)」などと述べた。
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きょうのテーマは「タイ経済停滞 打開の一手は?」タイ経済を支える主要産業の実情を井上氏が解説。タイ国内で特に話題となっているのはコメ問題。タイではコメが余り過ぎて定価が急激に下落。農家は政府に対策を求めデモを展開しているという。原因となったのが、世界最大のコメ輸出国であるインドの動向。インドのコメ輸出量は世界2位、3位のタイ、ベトナムの合計量を上回り国際価格に大きいな影響力持っている(出所USDA・22~23年度)。インドは2023年7月に、データの引き下げと国内市場での供給価格を優先させるため高級品種を巡って白米の輸出を禁止。これにより国際市場でタイやベトナムの価格は例年より1~2割ほど高騰。ところがインドは2024年9月に禁輸解除し、供給を巡る懸念がゆらいで国際価格も下落基調に。タイ政府は3月、インドやベトナムと輸出価格の安定で競技したと明らかにした。 こうした中、タイが狙うのが日本市場。日本にはエスニック料理店が普及し 、タイ米を緊急輸入した平成の米騒動と比べると、日本人のタイ米への関心が強まっていると思われる。
「観光業はコロナ禍を経て回復してきているのか?」という質問に対して井上氏は「観光産業はふるわないのが実情。最大の原因は中国人観光客の減少。ことし1月に中国人俳優がタイ到着後、ミャンマー国境の詐欺拠点に拉致された事件が大きな問題となり、タイの治安への懸念が高まり、中国人が予約していたタイ旅行をキャンセルする動きが広がった。昨年は670万人以上の中国人観光客 がタイを訪問したが、ことしは5月までで200万人未満とペースが低下(出所:タイ観光・スポーツ省)。中国人の客足をいかに戻すかが今後の産業復興を左右すると言っても過言ではない」などとコメント。打開の一手について井上氏は、「トムヤムクン」がことしユネスコ無形文化遺産に登録されたことを挙げた。タイでは、2018年から無形文化遺産の登録が増えているという。井上氏は「トムヤムクンの世界的認知度が高まれば観光の誘客に繋がるのでは」などと話した。他の一手についてはSNSをきっかけに急激に人気が高まった「Butterbear」というクマのキャラクターを挙げた。
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全国の気象情報を伝えた。
アメリカのトランプ大統領は21日、イスラエルと戦闘を続けるイランを攻撃したと発表した。対象となったのはイラン中部にある核施設で中東情勢が一段と緊迫している。アメリカのニューヨークにある国連本部では安全保障理事会の緊急会合が開かれていた。グテレス事務総長は冒頭、米によるイランへの攻撃を「危険な展開をもたらした」と非難し、関係国に外交による解決を改めて求めた。アメリカの代表団は「同盟国と国民、利益を守るために断固とした行動をとるべき時が来た」と攻撃を正当化した。アメリカの国防総省は記者会見を開き、作戦の状況を明らかにした。「ミッドナイト・ハンマー作戦」と呼ばれ、イラン中部のフォルドゥなど核施設3か所を標的とした。アメリカ中西部の空軍基地から最新鋭のB-2戦略爆撃機が空中で給油しながらイラン上空に飛び入り、地中60メートルまで攻撃できるという「バンカーバスター」という爆弾14発や潜水艦から巡航ミサイル「トマホーク」24発以上で攻撃。日本時間きのう午前7時40分から25分間にわたって空爆が行われた。IAEA(国際原子力機関)は、「現時点で施設外での放射能レベルの上昇は確認されていない」としている。アメリカメディアのアクシオスによると、トランプ政権はトルコの仲介でイランとの高官級・大統領自身による直接対話を模索していた。ただ、潜伏中とみられるイランのハメネイ師の承認が取れず、会談は中止となり、トランプは攻撃の実行に傾いたと伝えられている。
参議院選挙の前哨戦となる東京都議会議員選挙が投開票された。自民党は政治と金の問題で非公認となった候補を含めても21議席で、過去最低だった2017年の23議席を下回り、大敗した。第一党となったのは小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会で、無所属の立候補を含め31議席を獲得した。都民ファーストの会に自民党と公明党を加えた知事与党は過半数を維持した。一方、これまで都議会に議席を持たなかった国民民主党が9議席を獲得したほか、参政党は3議席だった。石丸伸二が代表を務める再生の道は全員が落選した。
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株式先物の映像。