2025年7月9日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

モーサテ
【日本の“対外純資産国”首位転落の読み方】

出演者
池谷亨 片渕茜 中垣正太郎 平出真有 塩田真弓 古旗笑佳 唐鎌大輔 山田修輔 鹿庭雄介 
(ニュース)
企業倒産 11年ぶり高水準

2025年上半期の全国企業倒産件数(東京商工リサーチ)は4990件(前年比+1.2%)、11年ぶりの高水準となった。人手不足による倒産が上半期として最多。物価高騰も経営を圧迫した。サービス業(飲食業、宿泊業を含む)や建設業の倒産が目立つ。

富士通に救済措置勧告

イギリス郵便局冤罪事件。1999年~2015年にかけて会計システムの欠陥で700人以上の郵便局長らが横領などの罪に問われた。イギリス政府が設けたイギリス独立調査委員会はシステムを納入した富士通に対して被害者救済を求める報告書を発表。調査委員会はイギリス政府、郵便局の運営元、富士通に対して10月末までに被害者救済の概要の公表を求めた。

水道代替に向けファンド創設

水処理技術を開発するスタートアップ「WOTA」は雨水や生活排水を処理し住宅ごとに水を循環、再利用するシステムを整備するためのファンドを立ち上げると発表。総額100億円規模の調達を目指す。過疎地などでは人口減少により水道インフラの維持が困難になりつつあるため代替システムとして普及を目指す。WOTA・前田瑶介CEOは「われわれのコアテクノロジーを使って、このようなシステムを作れると水問題解決がより加速すると思う」と話す。

きょうの予定

日本:6月工作機械受注、決算、 SHIFT、サイゼリヤ。ニュージーランド:ニュージーランド中銀が政策金利発表。中国:6月消費者物価指数、生産者物価指数。アメリカ:MBA住宅ローン申請件数。FOMC議事要旨(6/17-18開催分)。

対外・対内証券投資/FOMC議事要旨

みずほ銀行・唐鎌大輔が投資信託による対外証券投資について解説。去年8月に暴落後、約4か月間は低迷している。関税が着地しないため投資意欲も膠着状態となっている。BofA証券・山田修輔がFOMC議事要旨、FF金利見通し(6月時点)について解説。関税の影響はまだ見られない。アメリカでは関税由来での値上げは難しいので年末商戦や秋のモデルチェンジの機会に動きが出てくると思う。

(気象情報)
気象情報

気象情報を伝えた。

(経済情報)
NY株式

8日のニューヨーク株式市場株価の終値を伝えた。

夏季セール開始 アメリカ小売り動向

米国みずほ証券・兼松渉さんは、「アマゾンだけではなくウォルマートやターゲットも対抗し、同じタイミングでセールを開催している。投資家と買い物客にとって目先の不安材料はトランプ関税の影響、これらの小売大手は規模が大きく仕入れ数量も多いことから仕入れの段階における交渉力、価格決定力が強く、大手は有利な立ち位置にあるとみている」などとコメントした。

その他のマーケット

現在の為替、債権、商品の状況を伝えた。

プロの眼
日本「対外純資産国」首位転落の読み方

きょうのテーマは、日本「対外純資産国」首位転落の読み方。みずほ銀行・唐鎌大輔さんは、「1か月ほど前、34年ぶりに日本が世界最大の対外純資産国ではなくなったと話題になった、日本の国力の低下を意味するかとの取材があったが、結論から言うとそうではない、アメリカに1番直接投資しているのは日本なので、文句言われる筋合いは本当はあまりないというのが実態」などとコメントした。

深読みリサーチ
トランプ関税 今後の注目点は

信金中央金庫の鹿庭雄介が解説。トランプ関税について日本は25%と表明され、期限は8月1日に延長となった。トランプ政権は地域別、業種別に様々な関税を発動してきた。4月2日の相互関税導入によって株価は大きく下落。その後はトランプ大統領の発言に株式市場も一喜一憂しながら上向いてきた。交渉がまとまっていない国がたくさんあるので、一本調子で株価が上昇するとは考えにくい。今はVIX指数が落ち着いているが、今後の展開によっては大きく上昇する可能性もある。特に大国の交渉結果が大きな影響を与えるので注意が必要。日本、アメリカ、ユーロ圏の消費者マインドは相互関税導入後に悪化が進み、一旦は持ち直しが回復途上。トランプ関税導入直後には輸出入を中心に駆け込み需要とその反動があったので、実体経済への影響が見えにくい状況。時間が経ってくることで影響が見えやすくなってくる。

実体経済の中で注目すべきはGDP個人消費の動き。相互関税導入前の1-3月期から既に日米欧ともに弱含んでいた。トランプ関税の悪影響が加わることで予想以上に悪化が進む可能性もある。個人消費の悪化には2つの波及経路があり、1つは関税分がそのままインフレ率に上乗せされる場合。そうなるとアメリカの個人消費に影響が出る。もう1つは関税によるコストアップ分を企業内で吸収する場合で、販売価格が上昇しない一方、輸出企業の業績悪化が進む。そこで働く人々の雇用や所得に影響が出て、個人消費を下押すことになる。より厳しいのは前者で、スタグフレーションに陥ると政策対応が難しくなる。後者は輸出関連企業などの個別株への影響が早く大きくなる可能性がある。実際は2つの経路がミックスされた形で実体経済に影響が現れる。トランプ関税の今後のリスクは3つ。1つ目は他国の交渉がまとまらないことで、日本にも間接的に影響が及ぶ。2つ目は関税以外の分野に交渉範囲が拡大すること。例えば中国がドルを売る対応を取ればアメリカや他国の長期金利も上昇する可能性。3つ目はトランプ関税以外による下押し圧力。中東情勢の急変などでマーケットが荒れたり、エネルギー価格が上昇しインフレ率上昇に拍車をかかったりすることも予想される。 

モーサテ朝活Online

番組終了後、午前7時8分ごろから投資情報の有料配信サービス「モーサテプレミアム」で「モーサテ朝活Online」をライブ配信。

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シン・CFO 参上 経済指標で企業を斬る
コーナーオープニング

ANAホールディングスを取り上げる。先週新しい制服のデザイナーを発表した。全職種のリニューアルは初。ANAホールディングスの業績は、売上高は2期最高、営業利益は2期連続減益。

ANAホールディングス 中堀公博CFO コロナ乗り越え成長フェーズへ

6月27日株主総会でANAホールディングス・芝田社長は「自社株買いも選択肢の一つ。中間配当制度の導入も検討」と話した。直近の大型自社株買いを行ったのは新型コロナ前の2017~18年700億円。ANAブルーベースで話を聞く。ANAホールディングス・中堀CFOはコロナ禍で財務担当役員として資金調達に奔走。ANA史上最大の危機を乗り越え、2022年からCFOとして取り組んでいた。中掘CFOは「財務基盤の回復が順調なので株主還元を強化するフェーズに移行」「中計の想定利益より上振れて推移」「コロナ禍を乗り越えるため2020年度末に35機ほど航空機を退役。ボーイング社からの航空機納入に遅れがあり航空機数が復元回復できていない」と話した。有利子負債も着実に減少している。機材不足の問題が営業利益の足を引っ張っている。2月に合計77機を発注。2030年の国際線供給能力がANA計画で1.4倍に、世界航空需要予測に見合った拡大戦略といえる。足元の機材不足は今後数年続く。中堀CFOは「しっかり乗り切れば成長できる。制約があってもANAグループの成長を次の中期経営計画で示したい」「トランプ関税など外部環境の影響も反映したことを前提に中期計画を策定」という。トランプ関税による貨物事業は中国から北米へ減少、アジアから北米へ増加。中堀CFOは「やっと8回延期していた日本貨物航空のグループ化に対する中国当局の認可が降りた」「欧米向けの貨物機が足りない課題、供給力不足が解消できる」という。 日本貨物航空の子会社化は8月1日全株式を取得予定。中堀CFOは「ROEを挙げるためにROAを重視。試算を活用しながら利益を拡大させる必要がある」と話した。ROAの説明。

世界の航空会社業績

世界の航空会社の業績の合計の推移は、ANAの推移とかなり似ている。コロナ、ボーイングの納入の遅れ、トランプ関税とほぼ同じ逆風を業界全体が受けている。JALもほぼ同じだが、コロナからの回復はANAが一歩早かった。貨物が強かったため。現在は規模の拡大に動いているANAと、筋肉質重視のJALの傾向が強まっている。ANAホールディングス・中掘CFOのインタービュー完全版は、モーサテプレミアムで近日配信する。

(気象情報)
気象情報

全国の天気予報を伝えた。きょうも広い範囲で晴れて厳しい暑さが続く。九州から東北にかけて天気急変に注意。

(ニュース)
アメリカ トランプ大統領「銅に50%」

アメリカのトランプ大統領は、新たな分野別関税の品目として輸入する銅に50%の追加関税を課すと表明した。防衛やEVなど幅広い分野に使われる銅への追加関税について、国家安全保障に関する通商拡大法232条を根拠とする方針。発動の時期を巡っては、ラトニック商務長官がCNBCのインタービューで「7月末か8月1日に発動することになるだろう」と明らかにした。トランプ大統領は医薬品への追加関税の税率について「1年から1年半の猶予を設けて200%」とする方針を示した。

関税交渉「精力的に継続」

関税交渉を担当する赤沢経済再生担当大臣とアメリカのベッセント財務長官が、電話で会談した。日米間の協議を精力的に継続していくことで一致した。日米の関税交渉をめぐっては、赤沢大臣は「日本車への関税引き下げが合意の条件となる」との考えを示している。

スナク前英相 ゴールドマンへ

アメリカの金融大手・ゴールドマン・サックスは、イギリスのスナク前首相がシニアアドバイザーに就任したと発表した。イギリス下院議員として政治活動を続けながら、マクロ経済や地政学リスクに関する助言を行うとしている。

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