2025年8月4日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

モーサテ
【米テクノロジー企業決算からの示唆】

出演者
佐々木明子 片渕茜 平出真有 藤井由依 古旗笑佳 小川佳紀 滝田洋一 剱崎仁 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(経済情報)
経済情報

NY株式、株式先物、為替の値動きについて伝えた。

(ニュース)
アメリカ雇用統計 急減速で予想下回る

アメリカの7月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前の月から7万3000人の増加にとどまり、市場予想を下回った。また、5月分と6月分の雇用者数の伸びはそれぞれ大幅に下方修正された。失業率は4.2%と前の月から上昇し、市場予想と一致。平均時給は1年前から3.9%上昇し、前の月からわずかながら伸びが加速。

FRBクグラー理事が辞意表明

雇用統計の発表を受け、今後の金融政策に一層注目が集まる中、FRBのクグラー理事が1日、突如、8日付で辞任する意向を示した。理由は明らかになっていない。FRBクグラー理事は先週のFOMCを個人的な理由から欠席していた。後任の理事が次期FRB議長の有力候補となる可能性が指摘されていることから、誰が起用されるのか注目が集まる。

米大統領「FRB議長は辞任すべき」

トランプ大統領は1日、「FRBのクグラー理事が辞めたのと同様にパウエル議長も辞任すべき」と自身のSNSに投稿。雇用統計を受け、FRBへの圧力をさらに強めた形。この他、金融政策運営に対しFRB執行部の一部から異例の声明が出された。7月のFOMCで利下げ見送りに反対したボウマン副議長は発表した声明の中で「労働市場は活力を失い、ぜい弱性が増している兆しがある」と指摘。また、同じく利下げを主張するウォラー理事も声明を出し、その中で「様子見の姿勢は慎重すぎる」とした上で、金融政策が後手に回る可能性があると警鐘を鳴らした。

米大統領 労働統計局長を「即時解任」

1日発表の雇用統計を巡ってトランプ大統領は「内容に疑念がある」とし、雇用統計を担当する労働統計局のマッケンカーファー局長の即時解任を指示したと明らかにした。トランプ大統領は経済が拡大しているにも関わらず、雇用者数が抑えられているとするとともに、大統領選を前に当時対抗馬だったハリス候補が勝つ確率を引き上げるため、統計内容がねつ造されたと主張。

アメリカ製造業景気指数 予想に届かず

アメリカの製造業の景況感を示す7月のISM製造業景気指数は前の時期から1.0ポイント低下の48で、節目の50を5カ月連続で下回った。また、市場予想の49.5に届かなかった。項目別で見ると、新規受注と生産が前の月から上昇したものの、雇用と入荷遅延がそれぞれ低下。

アメリカ元セントルイス連銀総裁 ブラード氏 「利下げ年内2回 来年前半にも2回」

アメリカの雇用統計の結果を受け、マーケットではFRBが利下げに向け動き始めるとの観測が強まっている。そこで一昨年までセントルイス連銀の総裁として金融政策の運営に携わったジェームズ・ブラードにテレビ東京ニューヨーク支局の片渕茜キャスターがインタビュー。ブラードは「年内の利下げは9月と12月の2回 そして来年前半にも2回利下げすべき」と主張。ブラードはFOMCの参加者の中でもタカ派として知られた人物。5月と6月の非農業部門雇用者数の結果が大幅に下方修正され、利下げに慎重なFRBの想定が崩れたと指摘。足元の物価や雇用の状況を踏まえれば、今の金利水準は高すぎるとみている。利下げに向けて懸念されるのは関税に伴うインフレの再燃だが、ブラードは関税の影響は限定的だと主張。

アメリカ雇用統計 大幅修正の背景は?

ソシエテ・ジェネラル証券の剣崎仁、岡三証券の小川佳紀を紹介。雇用統計ショックでアメリカ元セントルイス連銀総裁のブラードも言っていたが、利下げの織り込みが進んでいる。なぜ5月、6月の数字が下方修正されたのか。剣崎はアメリカの景気自体が足元だけではなく長らく減速が続いていたことがISM製造業景気指数にも現れていたと指摘。低下基調で、いったん回復したが関税等の影響で再び低下。雇用統計を見ると5年ぶりの低い水準。雇用環境の環境の厳しさを示したという見方もできる。マインド系のソフトデータは先行して悪化していく。今後の注目点は、これがどの程度ハードデータに影響していくのか。FRBのパウエル議長は雇用は堅調という認識を示していただけに、それを覆すような数字に見える。

きょうのマーケット
為替

現在の為替の値動きを伝えた。

きょうの為替は

みずほリサーチ&テクノロジーズ・坂本明日香氏のきょうの為替の予想レンジは146.00円~148.20円。1日に発表されたアメリカの7月雇用統計で非農業部門雇用者数、失業率ともに前月から悪化したことを受け、円高ドル安に触れた。本日の日本時間でも、円高に振れやすい展開になるとみている。きょうの注目ポイントは「アメリカ経済主導の相場環境が続くか」。7月31日に発表された日銀の展望レポートでは、2025年度の物価見通しが上方修正された。足元の食料インフレを反映した形での上方修正であり、26年度、27年度はほぼ変わらなかった。植田総裁の記者会見でも大きなサプライズはなく様子見姿勢の印象で、年内の利上げは難しいと見ており相場への反応は限定的と考えられる。今回のFOMCでも雇用と物価の両面について言及があったが、基本的にはそれらの経済指標を主導に相場は動くとみている。雇用や物価を中心としたアメリカの経済指標を受けた米金利の動向でドル円相場が動く可能性が今後も高い。今週は関税が一斉に発動される。関税の影響で徐々にアメリカの景気減速が見込まれることから、雇用環境の悪化に配慮する形でFRBは利下げを行うだろう。方向としては円高を見ているが、一時的な急速な上振れ下振れリスクには注意が必要。

10年国債

10年国債利回りの値を伝えた。

株式先物

日経平均先物の値を伝えた。

きょうの株は

岡三証券・小川佳紀氏の日経平均の予想レンジは39700~40100円。先週末のアメリカの株安に加えて急速に円高が進行しており、リスクオフムードが強まることが予想される。世界の株式市場はアメリカの株高に支えられる形で適温相場(ゴルディロックス)が続いていた。梯子を外される形になると反動が出やすい。きょうの注目ポイントは「アメリカのテクノロジー企業決算からの示唆」。先週発表されたテクノロジー大手各社の決算は、市場予想を上回る好決算となった。利益を積極的に設備投資に充てる姿勢が強まっている。各社、次世代のAI技術に加え、データセンターへの投資を膨らませているのが特徴。半導体の需要拡大に加えデータセンターの運営に必須な電力需要の急増が、日本企業に与えるインパクトは大きい。テクノロジー分野における電力需要はデータセンターや暗号通貨のマイニングが中心だが、今後はAIの普及によってAI用のデータセンター向けが伸びると見込まれている。効率的な送電や消費の最適化を含めたトーナルの電力マネジメントが必要。電力を作る、送る、使うという3分野に分けられる。作る分野では日立などが次世代原発SMRの共同開発を進めているほか、原発の部材の企業も注目される。送る分野では、送配電の効率を高める機器などを手掛ける企業が挙げられる。使う分野では、新しい技術「光電融合」が注目されている。NTTのアイオンと呼ばれる技術が挙げられる。

(ニュース)
渇水による農作物の影響懸念

記録的な水不足や猛暑の影響で米などの農作物への被害が懸念される中、小泉農林水産大臣は新潟県のため池を視察。南魚沼市のため池では貯水率が約10%と水不足が深刻化しており、農水省が派遣した給水車が水を補給した。小泉農水大臣は「人・モノ・金の支援を3本柱で講じて、コメの収量が不安がある地域に水が来る状況を届けていきたい」などと話した。

基準値15倍超の硫化水素検出

埼玉県行田市でマンホールに男性作業員4人が転落し死亡した事故で、事故後に測定した下水道管内の硫化水素の濃度が国の基準値の15倍以上だったことがわかった。4人が当時、転落防止用の安全器具を着けておらず、地上から酸素を送るマスクも用意していなかった。警察は業務上過失致死の疑いも含め、捜査している。

産油国 9月も大幅増産

OPEC(石油輸出国機構)にロシアなど非加盟の産油国を加えたOPECプラスは、来月に日量54万7000バレルを増産することで合意した。声明では「供給拡大は低水準の在庫など健全な市場環境を踏まえた」と説明している。OPECプラスは今年の春以降、供給拡大を加速しており、需給が緩み価格の下落につながる可能性がある。

カムチャツカで火山噴火

ロシア極東のカムチャツカ半島にあるクラシェニンニコフ火山が噴火した。ロシア通信によると約600年ぶりの噴火で、先月30日に起きた大地震と関連している可能性がある。(ロシア通信)ロシア非常事態省によると、噴煙は上空約6キロに達し、太平洋方面に広がった。噴煙の方向には集落はないとのこと。カムチャツカ半島では先月30日の地震当日にもクリュチェフスカヤ火山で噴火が起きていた。

今週の予定

5日火曜日にはアメリカで6月の貿易収支が発表される。関税政策など貿易摩擦の影響がどの程度出ているのか、注目が集まる。6日水曜日、国内では6月の毎月勤労統計が公表される。物価上昇に賃金の伸びが追いつかない状況が続くのか。7日木曜日にはアメリカが約70の国と地域に対し、10%~41%の新たな相互関税を一斉に発動する。8日金曜日、日銀が政策金利を据え置いた7月の金融政策決定会合の「主な意見」を公表する。週前半、アメリカのパランティア・テクノロジーズやAMDなどが決算発表の予定。週後半の7日にはソニーグループ、トヨタ、ソフトバンクグループなど大手企業が相次いで決算を発表する。

日本 6月 毎月勤労統計/パランティア・テクノロジーズ決算

弱い雇用統計を受けて今週は神経質な展開となりそうだ。ソシエテ・ジェネラル証券・剱崎仁氏は、日本の6月の賃金のデータに注目し「特別給与の伸びは昨年6月に比べると鈍化するのではないか」と予想。日銀が注目している一般労働者の所定内給与は、伸びは着実に高まる。人手不足が続いておりインフレ率も高い状態、さらに賃金を上げるというノルマのようなものも定着してきている。剱崎氏は「来年の春闘も底堅いものになると思う」と意見を述べた。鍵を握るのは、インフレ率を上回る実質賃金の上昇になるか。岡三証券・小川佳紀氏によると、パランティア・テクノロジーズはデータ分析のプラットフォームを提供している会社で、防衛分野、ヘルスケア、金融分野など幅広く活用されている。売上高は四半期ベースで4割近くも伸びている。営業利益率も4割を超えている。ペイパルの共同創業者であるピーター・テイル氏が創業したというところも注目を集めている。小川氏は「エヌビディアと同様に成長期待の高い会社で、決算がアメリカのテクノロジー企業全般に与える影響は大きい」と話した。

1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.