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きょうの世界遺産はアルト・ドウロ・ワイン生産地域。2000年に渡り人が作ってきたブドウ畑の景観や、伝統的な農園のシステムにより世界遺産になった。この地で作られたものしかポートワインと名乗ることは出来ない。
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- アルト・ドウロ・ワイン生産地域ポルトガル
ポルトガル北部の港町ポルトからドウロ川を100キロほど遡った場所がアルト・ドウロ。川に沿った東西60キロほどのエリアが世界遺産。人々は長い年月をかけて山々の急な斜面を切り拓き、ブドウ畑に変えてきた。この地を表す言葉が“9か月は冬、3か月は灼熱地獄”。
アルト・ドウロには家族経営から大手まで様々な規模のワイナリーがある。大手のワイナリーの一つは畑の総面積が326ヘクタールで、収穫も人を大勢雇い大規模に行われる。収穫は約1か月続く。摘み取ったブドウから作られるのがポートワイン。アルコール度数が高く甘いのが特徴。かつてイギリスはフランスからワインを輸入していたが17世紀にフランスと戦争になり、ポルトガルからワインを輸入することに。長い航路でワインが劣化しないように、醸造の際ブランデーを加え発酵を止め、アルコール度数を高めることにした。すると甘口のワインが誕生した。それがイギリス貴族の間で大ヒット。その後、世界中でもてはやされた。
一大生産地となったアルト・ドウロのキンタとはブドウ畑や醸造所などワインの生産に必要な機能が一体となった「農園」のこと。畑のすぐ横には礼拝堂もある。こうした独自の農園システムも世界遺産になった理由の一つ。働きに来る人たちのための宿舎は収穫期の約1か月間は大勢が寝泊まりする。
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- アルト・ドウロ・ワイン生産地域キンタ
アルト・ドウロ・ワイン生産地域で作られたポートワインがイギリスで大流行すると多くの偽造品が出回るように。そこで18世紀、ポートワインと名乗る条件を厳しく定めることにした。それが原産地呼称制度。シャンパンやテキーラも同様。
ワイン造りのための様々な機能が一体となった農園「キンタ」の醸造所では掛け声に合わせて赤いシャツを着た人たちが足踏みと呼ばれる作業をしていた。収穫したブドウの実をつぶすワイン造りの大事な工程だ。機械ではなく素足で感覚を確かめながらつぶすことで種を壊さず果汁を取り出せるという。その後果汁を樽に移しブランデーを加えて熟成させる。この地で一冬を越したあと、ドウロ川の下流へと運ばれる。昔は船で輸送されたが1887年、鉄道が開通した。このワイナリーでは敷地内に駅を建設し、ワインを鉄道で運ぶようになった。現在はトラックで運んでいる。歴史ある鉄道は今では地元の人や観光客の足に。途中のピニャオン駅にはアズレージョでワイン造りの風景が描かれている。
アルト・ドウロで作られたポートワインはドウロ川の下流にあるポルト歴史地区。ワインが運び込まれるのは歴史地区の対岸にあるワインセラーで、さらなる熟成が行われる。
「世界遺産」の次回予告。
「ベスコングルメ」の番組宣伝。
