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浜口さんは電気代・ガス代について「5月から再エネ賦課金が2.5倍も上がる。補助金も縮小になる。どういった状況になるのか答弁してほしい」などと問うと、齋藤経産相は「特別高圧を含む電気や都市ガス料金は基本料金と従量料金等からなっている。5月以降の料金について再エネ賦課金が上がるが、4月に比べ5月の家庭における電気・都市ガス料金は1割強少なくなる傾向があるため具体的な料金負担額は答えられない。LPガスに関しては再エネ賦課金などで影響を受けるものではない」などとした。浜口さんは「賃上げ交渉には影響がある。補助金は今の水準を維持していく。再エネ賦課金の徴収停止の対応もけんとうしてほしい」などと話すと、総理は「5月以降の対応について現時点で何かが決まっているわけではないが、国際的な燃料価格の動向を見極めたうえで検討したい」などとした。
浜口さんはガソリンについて「いま4月以降は補助金を終了ということになっているが、総理は5月以降も夏ぐらいまで延長するという方針とみえる。なぜ中途半端に延長するのか」などと問うと、総理は「5月以降の措置は何も決まっていない。3党の実務者協議というものが開催されたこともあった。国際情勢などを踏まえて対応したいと考えている。激変緩和事業は臨機応変な価格抑制ができ、幅広い燃料をカバーできるという利点がある」などとした。浜口さんは「出口戦略として補助金から減税にトリガーを発動し、暫定税率を恒久的に廃止することも考え、減税でガソリンの値段を下げるような対策が必要と考えるが、総理にその考えはあるか」などと問うと、総理は「激変緩和事業は国際情勢などを踏まえて対応したい。そのうえでトリガー条項凍結解除については流通現場や、実務面での課題も含めて整理する必要がある」などとした。浜口さんは「すでに国会の議論の中で国民民主党からはガソリンスタンドの税還付の負担軽減など具体的な提案はしている。総理は予算委員会の議論の中でも至急検討すると言ったのに何もない」などと言うと、総理は「2月6日に玉木代表が提案されたことも含め、3党実務者協議で具体的に検討させる用意があると話したが、具体的な検討があるまでに御党は3党協議を離脱表明した」などとした。
浜口さんは「実務面などでの課題が整理できたら、トリガー発動してガソリン減税を出口戦略としてやるという気持ちはあるのか」などと問うと、岸田総理は「対象となる油種についてや、脱炭素に向けた国際的な潮流や財源の問題などを合わせて議論することは大事だと思う。5月以降の対応について出口も見据え、対応を考えたい」などと答えた。
地方創生と高速道路料金に関して浜口さんは「地方創生には人流と物流の活性化が必要。地方創生において高速道路が果たす役割についてお伺いしたい」などと話すと、総理は「高速道路は国土の骨格となる道路。人流・物流の活性化を通じて地方創生に貢献するもの。災害時における住民の避難などの観点からも重要」などとした。浜口さんは「地方創生の肝は移動コストを下げること。1年間限定で、高速道路のワンコイン500円定額制の提案をしたい。対象はすべての自動車で、期間も365日24時間。経済効果は高速道路上限1000円のときよりも大きい」などと言うと、総理は「政府は今年度石川県で道路の多頻度使用者を対象に最大50%割引する通勤パスを試行的に実施し、結果を踏まえて来年度から北海道など5道県に思考地域を拡大することとしている。ワンコイン制は以前も議論したが、他の交通機関との関係や、高速道路への過度な交通集中など以前上限1000円で実施した際にも課題があった。老朽化などの喫緊の課題や財政的な影響なども考え議論する必要がある」などと話した。
交通安全について浜口さんは「交通事故による死者数のG7での国際比較を見ると、歩行中・自転車乗用中はアメリカについで2位となっている。この背景は何か」と言うと、総理は「この背景は様々あるが、例えば狭い道路のスペースの中に多くの自動車・自動車・歩行者が混在している道路環境などにあると思う」などとした。浜口さんは「イギリスでは人と車を分けて流す歩車分離信号をほとんどの信号に導入している。この信号の効果をどう考えているか」と問うと、総理は「歩行者への安全に有効だと認識している。平成14年に歩車分離信号に関する指針を作成し、渋滞などを考慮しつつ自動車の右左折や歩行者の交通量が多い交差点で導入を推進している」などと話した。浜口さんは「導入推進はしている。全国20万ある信号のうち歩車分離信号は全体の4.9%。さらに整備数は鈍化している。なぜか」などと問うと、松村国家公安委員長は「指針では公共施設付近や通学路などで、また交通環境によっても設置することを考慮するとしている。一方渋滞への考慮などもする必要がある。平成14年とは異なるため指針の見直しが必要で検討していく」などと答えた。
日本共産党・紙智子氏の質疑で衆参の政倫審が開かれて幹部議員らは収支報告書の不記載について昨年秋からの報道がされるまで知らなかったと答えており、聞き取り調査の報告書では還付金についての議員の認識で収支報告書に還付金等の記載がないことを認識していた者は11名はいずれも安倍派議員である等と指摘した。岸田総理は現時点において警察の事実認定を覆す材料や議員の説明が虚偽であると断定できる材料はないため党としても聞き取り調査を続ける等と述べた。紙智子氏は裏金問題ではいつ誰の指示で始まり何に使われたのか、一度やめることを決めたのに復活したのは誰の判断で継続されたのかわからないままである中で何を基準に議員を処分するのか等と指摘した。また関係者とされる森喜朗氏や松本潤一郎氏・安倍派幹部らを証人喚問するべきである等と述べた。岸田総理はとうとして事実確認を続け、証人喚問は国会での弁明や議論を踏まえて国会の日程を入れたうえで判断すべき等と述べた。
紙智子氏の質疑で能登半島地震の被災者の中には住む家が倒壊し用水路や農地の被害の全体像が把握できていない人もおり、漁業・農業の復興は観光にとっても重要な資源であるためスピード感を持って中身のある復旧が必要だとした。岸田総理は地震も被災地を訪問してスピード感を持った復旧の必要性を伺っており、営農再開については春の作付け時期を見据えて農地や水路の復旧を早急に図り育苗の調整等支援を拡大し、漁場の復旧にむけては国による直轄代行工事のほか地盤隆起により航行できない漁船のサルベージ等を進めている等と述べた。坂本哲志氏は農林水産省ではのべ7700人を現地に派遣して相談を受けており、災害復旧について今季の作付けに間に合うように査定前着工制度を活用して農道や用水路等の復旧を図る等と述べた。
紙智子氏の質疑で輪島港では海底が2mから4m隆起して船が出せる状態ではなく、潮の満ち引きで船底が破損している可能性もあることから船を持ち上げて調べる必要がある。小木港では2mを超える津波で多くの小型船が転覆する被害を受けており、県が管理する漁港は国が代行して災害復旧を進めるが市町村管理の漁港は国が代行する仕組みではないため復旧支援に差が出ないか懸念されている等と述べた。岸田総理は能登半島地震の復旧について県が管理する漁港と市町村管理の漁港を問わず地元民のニーズを踏まえて水産庁職員による支援を激甚災害指定に基づく手厚い財政支援を今後も進める等と述べた。
紙智子氏の質疑で東日本大震災・熊本地震時には自治体で自由に使える取り崩し型復興基金が作られたが、この基金の趣旨について尋ねた。松本剛明氏は東日本大震災時は特定被災地報告団体9件に、熊本地震の際には熊本県に基金が設置され、これらは復興に相当な期間が要すると見込まれて各年度の対応では難しいと判断された場合に個別の補助をする例外的な措置として実施されたものである。使途は基金の収支を踏まえて各県が判断するもので、被災者への生活支援対策や住宅対策・産業対策等に活用されている等と述べた。紙智子氏は国庫補助で対応できない支援を自治体が自由に使える基金を創設するべきである等と述べた。
紙智子氏の質疑で日本の食料自給率が38%で農地や生産者が急激に減少している。農水省は2040年の専業農家は30万人になると想定しており、三菱総研は2050年の米の生産量は2901万tに半減すると推定している。岸田総理はサプライチェーンの混乱や気候変動による不作から世界的に食料自給率の不安が高まっている中で我が国では食料安全保障の強化は課題であり、今国会に提出している食料農業農村基本法の改正案において、食料安全保障の確保を基本理念に位置づけて実現のために需要に応じた生産を図りつつ麦・大豆等の国内生産の拡大を後押しして担い手の育成確保等の生産性の向上を図り持続可能な農業を実現する等と述べた。紙智子氏は稲作経営の時間あたりの農業所得は2015年は592円で2020年は181円で2021年以降は連続して10円となっている等と指摘した。坂本哲志氏は2022年の水田作の農業所得を単純労働時間で算出した所得は10円と低い水準であるが、この結果は自家消費のため等の小規模なものも含めた全ての水田の平均であり、水田作経営のうち所業経営体であると農業所得は平均で699円で水田作付面積20ha以上の層は1877円となっている。大幅に下がった理由は統計の取り方が変化したためで、色々な農家が届け出を出しやすくるために統計の主砲が変化した等と述べた。岸田総理は経営規模の拡大に伴って生産性が向上し収益性の向上が見られる為、農地の集積集約化によって経営規模の拡大を図り生産コストの削減で農業者の所得向上を後押しする等と述べた。
れいわ新選組・山本太郎氏の質疑。「奥能登には歩いて15分かけて用を足しに行くという方がいた。仮設トイレをプッシュ型で支援しているが住宅地にはみられない。災害用トイレも品薄。内閣府の提供数は徐々に減っている。以前伊藤大臣に“総理に伝えてください”とお願いしたがどうですか」と質問。伊藤大臣は「参議院の環境委員会の直後に事務方を通じて伝えております」と回答した。山本氏は「在宅避難者でも避難所生活者と同様に支援するという認識でよいか」との質問に、担当官は「議員ご指摘のとおりと考えている」と回答。
れいわ新選組・山本太郎氏の質疑。山本氏は「把握している在宅避難者数は県で623人、珠洲市危機管理室で2419人。この開きがあり、ここから物資数を組み立てると被災現場では物資が足りなくなる。馳知事は“プッシュ型支援を終了するフェーズにはいる”とコメントしているが、プッシュ型支援は誰が決めるのか」と質問。高橋統括官は「被災自治体の物資供給能力などを見て政府が総合的に判断する」と回答。山本氏は「馳知事の言葉を鵜呑みにせず、被災地の声を聞いてプッシュ型支援の増強をお願いしたい」と主張。岸田総理は「知事の発言が、支援と商流再開の両立が重要ということだと理解している。プッシュ型支援が終了しても、自治体で発注困難な場合に国が調達支援などで継続していく」と回答した。
れいわ新選組・山本太郎氏の質疑。「水道について。断水は珠洲市で約8%、輪島市で約66%復旧した。自宅の蛇口から水が出ることを水道復旧と呼んでいるか」と質問。厚生労働省の担当局長は「政府の発表する数字は都道府県の水道事業団が公的に管理している水道の復旧状況を報告している」と回答。山本氏は「宅地内部の水道管までは復旧の条件に入らない。水道復旧地域での宅地内漏水件数は把握しているか」と質問。厚生労働省の担当局長は「私有財産となるので政府では把握していない」と回答。山本氏は「このような工事は限られた数の業者しか手をかけられない。悪徳業者対策にはいいが今はそれで対応できない。現地では“全国の優良給水設備業者に来てもらうべきだ”との声がある。是非国主導でやっていただけないか」と主張。岸田総理は「国庫補助の制度があるが、この制度の対象となるものの現状を把握して考えてみたい」と回答した。山本氏「仮設住宅の建設ラッシュで人手不足になっている。職人の確保なども含めてお願いしたい」と主張。岸田総理は「ご指摘の点も含めて考えさせたい」と回答した。
参議院予算委員会今日の質疑が終了した。今日は岸田総理大臣と関係閣僚が出席し、岸田内閣の基本姿勢をテーマに集中審議が行われた。岸田総理大臣や閣僚、各会派の委員が参議院第一委員会室を後にする。今日は自民党派閥の政治資金パーティを巡る問題、能登半島地震への対応、医療・介護・子育て政策などについて質疑が行われた。