- 出演者
- すっちー 礼二(中川家) 剛(中川家)
今回の探検ファクトリーは大分県の臼杵市で甘口しょうゆを作る工場を探検。甘口しょうゆの甘さの秘密について探る。甘口しょうゆの便利で美味しい使い方も紹介するという。
- キーワード
- 臼杵市(大分)
オープニング映像。
甘口しょうゆの工場を探検。大分県・臼杵市は九州でも有数の醤油の産地として知られている。しょうゆ作りの歴史は古く、一説によると臼杵藩の初代藩主が約400年前、自らの地元・美濃から職人を連れてきた事が醤油づくりの始まりだった。「世界一大きな木樽」は世界記録に認定。高さと直径は9mで容量は540kLと1Lのしょうゆボトル54万本分に相当する。世界一の樽を造った理由は300年ほど前の江戸時代の醤油を再現したいからだった。3年前に仕込んだ醤油が商品として出来上がっているが、一般的な醤油の熟成期間は約半年から1年。世界一の木樽で造った醤油は江戸時代の製法に習い3年かけて熟成させた物だという。
かつて甘くなかった九州の醤油が現在ではどれくらい甘くなったか味見。九州で一般的な甘さの醤油はそこまでは甘く無いが、甘い醤油がいちばん生きる食材がブリの刺身。九州では刺し身に甘い醤油を付けて食べる人が多く、この醤油でも甘さが足りないという。工場では更に甘い醤油を造っており、甘さ成分が約3倍と約5倍の醤油を味見。3倍の醤油は確かに甘いが、5倍は砂糖醤油みたいに甘かった。5倍の醤油は鹿児島県向けの甘口醤油で九州では南に行くほど甘い醤油が好まれるという。
九州の醤油が甘くなった理由について紹介。食文化説では刺身を美味しく食べる為で九州には新鮮な魚が多くあり魚は熟成するほど旨味成分がある。新鮮な魚は旨味成分が少ないタンパクな味で、旨味を補う為に醤油を甘くしたという。砂糖との関係説では砂糖が手に入りやすかった為で江戸時代では砂糖の多くは海外から長崎を通じて輸入していた。その後、鹿児島の奄美諸島などでサトウキビが広く栽培されるようになった。九州では他よりも砂糖が手に入りやすくて醤油が甘くなった説もある。おもてなし説について、昔は砂糖が基調な物で砂糖は良いものという考えがあり砂糖を使った甘い料理が最高のおもてなしだったが、おもてなしのために醤油が甘くなったという。
工場ではしょうゆを年間約1万6000kL製造している。甘口しょうゆの甘さの秘訣に迫る。しょうゆの原料は大豆と小麦と食塩である。水分を含ませた大豆を蒸す。焙煎した小麦を細かく砕き麹菌を加える。蒸した大豆と麹菌をまぶした小麦を混ぜ合わせる。麹室は直径14mあり3日間寝かせる。作業をする人は温度や湿度が納豆菌の繁殖に適しているため朝は納豆を食べてはいけない。麹菌を繁殖させてしょうゆ麹をつくる。麹菌は繁殖時に熱を出す。かき混ぜてほぐし温度を約30℃に保つ。職人が温度の管理や状態をチェックする。麹菌が繁殖し酵素が発生する。食塩水を加えもろみにし発酵用の樽に入れる。酵素が働いてしょうゆのうま味が生成される。乳酸菌と酵母菌を加えることでもろみが発酵ししょうゆの酵素と香りを生成する。ステンレスや鉄製のタンクでは約6カ月、木樽では約1年発酵している。
3人は吉野杉樽の上にあがりもろみを見学した。もろみ改めを確認できるのは工場長だけである。発酵熟成が終わるともろみからしょうゆを搾り取る作業をする。布は300枚重ね、その重みでしょうゆを搾り取る。生揚げしょうゆは加熱処理をしていない。
しぼったしょうゆに水を加え濃さを調整し甘さの秘訣は砂糖である。火入れ後さらに甘くするために甘味料を入れて甘くする。甘草エキスはカンゾウの根から抽出した甘味料、ステビアはステビアの葉から抽出したものである。砂糖はしょうゆに溶かし込める量に限界がある。甘草エキスは砂糖の約35倍、ステビアは砂糖の約140倍の甘さである。
1つ目はたまごかけごはんで甘さが約3倍のしょうゆを使用する。3人はカレイの煮つけなどを試食した。カレイの煮つけは砂糖やみりんを使わず、甘さが約5倍のしょうゆを使用している。焼きうどんも甘さが約3倍のしょうゆを使用している。
すっちーさんはしょうゆを作るときだけは甘くないとした。
「探検ファクトリー」の次回予告。