2025年4月12日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【春を感じてアート旅(2)石川雲蝶の天井彫刻×シシド・カフカ】

出演者
 - 
(オープニング)
今回は…

石川雲蝶の天井彫刻を紹介。

キーワード
石川雲蝶
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
春を感じてアート旅(2) 奇跡の天井彫刻を見に行く

新潟県の魚沼市の街の中心から5キロほど離れた場所い石川雲蝶の傑作がある。訪れたのは赤城山 西福寺。室町時代に開かれた曹洞宗の古刹。本堂の傍らにあるのが茅葺き二重層で総欅造りの開山堂。四方をガッチリと鉄骨の雪囲いが覆っている。そのお堂は道元禅師と西福寺の歴代住職を祀るために幕末の1857年に建立された。石川雲蝶作の西福寺・開山堂の天井彫刻。天井全面に施された木彫は、道元禅師猛虎調伏の図。畳18畳分の広さがあり、道元禅師が中国で修行をしていた時の物語を掘っている。この天井に表現されているのは日本から宋の国にわたった道元が天童山の行脚の途中で、トラに襲われる。すると道元は持っていた杖を投げつけて岩山の上で静かに坐禅を組んだ。杖は巨大な龍へと姿をになりトラが慌てて退散。鯉が踊り、鷲がにらむ。

キーワード
瑩山紹瑾石川雲蝶赤城山 西福寺道元道元禅師猛虎調伏の図開山堂魚沼市(新潟)
西福寺開山堂の天井彫刻 石川雲蝶の超絶技巧

岩絵具を分だんにつかった鮮やかな色彩は完成から168年経過して一度も塗り直していない。驚くのは驚異の立体感。雲蝶は透かし彫りを駆使して作り上げた。

キーワード
石川雲蝶赤城山 西福寺道元禅師猛虎調伏の図開山堂
神の手を持つ男 石川雲蝶 ・熟練の技

開山堂には板の割れ目や節穴を木片で埋める埋木細工の床が。自らのデザインを楽しむように、ひょうたんなどが描かれる。ミケランジェロが彫刻以外にも絵画でも才能を発揮したように、松の老木の傍らでクジャクが羽を休めて牡丹が白い花を咲かせている襖絵。本職の絵師顔負けの花鳥画。現在確認されているだけでも新潟県内に雲頂の作品は1000点以上あると言われている。

キーワード
ダビデ像ミケランジェロ・ブオナローティ孔雀遊戯之図石川雲蝶開山堂
幕末の天才!石川雲蝶 「天井彫刻」を作るまで

江戸末期の1814年に雲蝶は鬼子母神で知られる雑司ヶ谷の辺りで生まれた。若くして彫刻の修行をした雲蝶は20代半ばで江戸彫刻石川流の技術を習得。石川安兵衛源雲蝶と名乗った。幕府の御用を務めるほどの腕前だったが、老中 水野忠邦による天保の改革で芝居や浮世絵などの娯楽を弾圧し、人々の贅沢を厳しく規制。三条市にある本成寺は鎌倉時代に開かれた法華宗の総本山。6000坪の境内をもつ名刹。江戸で仕事を失った雲蝶がこの寺にやってきたのは32歳のころ。本成寺の檀家の内山又蔵に乞われ本堂の彫刻を依頼。しかし本成寺は明治時代の火災で全焼し作品も彼自身の記録も焼失。その中で残ったのは赤牛。けやきの木目をいかし、その力強さは今にも動き出しそうな造形。さらに本成寺の塔頭には獅子頭の作品が。三条の街で妻を娶り子どもも生まれ、越後の国に腰を落ち着けた。

キーワード
三条市(新潟)内山又蔵本成寺水野忠邦獅子石川雲蝶赤牛雑司ヶ谷(東京)鬼子母神堂
越後のミケランジェロ 石川雲蝶の「透かし彫り」

石川雲蝶が赤城山 西福寺の天井に天井彫刻を彫ることになった理由はこの雪深い土地の心の拠り所になるお堂を建てたいと願った。その願いに感銘をうけた雲蝶は、自らの彫刻で空間を埋め尽くした。その芸術の根幹となる技が透かし彫り。板に彫刻を施し、向こう側が透けるほど彫り込む技法のこと。開山堂内の天井彫刻を始め、その殆どが透かし彫りの作品で、社寺彫刻の横谷さんが驚いたのは道元禅師と白山大権現。日本に帰国が迫る道元の写経を老人に姿を変えた白山大権現が手伝っているという場面。その背後の補綴や小さな香炉など奥の奥まで彫られている。欄間は25センチの厚さのある材僕木を使って透かし彫りで彫られているが欄間は下から見上げることを想定して作られるので角度をつけて彫られていく。その彫り方を真横からみると、白からの目線にあわせて斜めに傾いた角度で彫られている。雲蝶は下から見る角度を計算し見るものの目の錯覚を利用して彫っていた。

キーワード
石川雲蝶蟠谷大龍赤城山 西福寺道元禅師と白山大権現開山堂魚沼市(新潟)

赤城山 西福寺の欄間には永平寺血脉池縁起という作品があり、幽霊を成仏させようと道元禅師が幽霊を諭す。驚くのは幽霊の顔。見る角度によって表情が変化する。不気味さ安らぐような表情に変化する。魚沼市にある永林寺には雲蝶のもう一つの傑作が。本堂横の位牌堂にある極彩色の欄間は楽器を手にした色鮮やかな天女が彫られている。

キーワード
天女永平寺血脉池縁起永林寺石川雲蝶赤城山 西福寺
西福寺開山堂の天井彫刻 越後に生きる、ということ

西福寺 開山堂は堂内の階段上に施された欄間をみると、道元禅師と一葉観音様という作品が。日本への帰国の途についた道元禅師が嵐に遭遇した場面が彫り込まれている。使用されているのはけやきの一枚板。極めて高価だったが裕福な土地でもなくこれだけの木材を集めるは大変だったが大龍和尚が集めた。その心意義を感じた雲蝶は彫刻を色鮮やかに仕上げた。

キーワード
石川雲蝶蟠谷大龍赤城山 西福寺道元道元禅師と一葉観音様開山堂

石川雲蝶はモダンにして華麗な障子の数々。左官仕事の傍らに美しい鏝絵も。その全てが越後の宝となった。

キーワード
石川雲蝶赤城山 西福寺開山堂
(エンディング)
次回予告

「新美の巨人たち」の番組宣伝。

(番組宣伝)
スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~

スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~の番組宣伝。

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.