2025年4月6日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
“トランプ関税”の衝撃 世界は 日本は

出演者
牛田茉友 曽我英弘 
(オープニング)
オープニング

オープニングの挨拶。アメリカのとrンプ大統領が各国への関税を発表したことで株価は下落。国内ではアメリカに向け輸出する企業から不安の声が聞かれている。また相互関税に加え自動車関税を課すことを表明した。これを受け各国は報復関税を課すとし、中国は34%の追加関税を表明。石破総理は与野党の党首と会談を行った。

キーワード
ドナルド・ジョン・トランプマーク・カーニー石巻(宮城)石破茂
(日曜討論)
“トランプ関税”ねらいは/相互関税「日本24%」は

アメリカ・トランプ大統領が表明した関税政策の内容。先週、トランプ大統領が相互関税(9日に発動)を発表した。中国に対して34%、韓国に25%、EUに20%、日本に24%。個別の関税率を示していない国や地域は一律で10%の関税を課す。トランプ大統領はすでに品目別や国別に関税措置を発動している。自動車に25%の追加関税を課す措置は3日に発動した。元駐米大使・佐々江賢一郎氏はこの狙いと影響に関して「前置きとして、今回のアメリカのアクションは歴史に逆行するもの、アメリカや世界のためになるのか疑問。アメリカの産業の復活を意図していることだが、そこにつながるか疑問。アメリカの世界における立場がどうなるのか、リスクを負っている。日本だけでなく世界が苦境に立つ可能性があるとした。元日本自動車工業会会長志賀俊之氏は「アメリカの貿易赤字は膨大だが、戦後の交渉を重ね今がある。現在の落ち着いている状態を無視して関税をかけるのはいかがなものか」と疑問を呈した。またアジアへの関税を高くしていることに関して中国を意識してのことではないかと推測するとした。JETRO(日本貿易振興機構)調査部長・藤井麻理氏は「トランプ大統領は1期目から貿易赤字を解消すると宣言しており、今回の関税措置も貿易赤字を解消する目的」とし、アメリカ国内に雇用を呼び戻すなどの目的があるのだろうとした。、エコノミスト・崔真淑氏は株価など経済的な影響に関して、わかって関税措置を行っているのではないかドル安と金利低下をトランプ陣営は再三口にしておりこれが製造業などにつながると考えていると指摘。KTX社長・野田太一氏は現状影響は大きくないとしつつも、今後は影響があると懸念しているとした。またトランプ氏の政策に対する対策も、トランプ氏が今後任期が4年しかないことを踏まえアメリカ国内でなく日本国内で対策を講じるしかないとした。日本の24%という数字の算出方法は明らかになっていない。アメリカは「非関税障壁を考慮すると46%の関税に相当」としている。USTR(アメリカ通商代表部)は、各国の膨大な数の関税、規制、税制などを個別に計算することは複雑としている。24という数字は日本との貿易赤字額÷日本からの輸入額を2で割った値に近いという。元駐米大使・佐々江賢一郎氏は「全くわからない」とアメリカの計算式に関して疑問を呈し、この関税を課すことで緊縮方向に向かうとし、交渉のための材料としているのではとコメント。志賀俊之氏もまtが数字の根拠に関してはわからないとし、政府間と企業での考え方の違いに関して言及した。崔真淑氏は日本経済において確実にマイナス、企業が生産拠点を分散するだけではリスクヘッジできないなどとした。

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ドナルド・ジョン・トランプ欧州連合米国通商代表部
世界経済への影響は/“トランプ関税”をどうみる/日本経済への影響は

トランプ大統領の関税政策に対し各国からは反発や報復の動きがある。中国財務省はおととい、アメリカからの全輸入品に対し34%の追加関税を発表。カナダ・カーニー首相はアメリカからの自動車に25%の報復関税を発表した。世界経済への影響についてJPモルガンチェースは「血を見ることになるだろう」と題したリポートを発表。世界経済がことし景気後退に陥るリスクを40%から60%とした。崔真淑は世界中で株価が下落する中で、日本やアメリカにとってはマイナスだが、この状況が続くことが中国にとってはプラスに働く可能性があるなどと話した。こうした状況でもトランプ大統領は方針は決して変わらないなどと発言している。佐々江は中国が自由貿易の擁護者だという意識が浸透しないかが不安の種で、中国が米中の貿易戦争を世界的なストーリーとしてアメリカより優位に立つ状況が果たして好ましいものか考えなければならないなどと話した。アメリカ国内の受け止めについて崔真淑は、トランプ氏の熱狂的な支持者はいるものの、その動きはインフレによって抑えられているなどと話した。

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JPモルガン・チェースダウ・ジョーンズ工業株価平均ドナルド・ジョン・トランプマーク・カーニー中国財務省米国・メキシコ・カナダ協定

日本経済への影響について野村総合研究所の木内登英氏の試算によると、相互関税に自動車への追加関税の影響も加わると日本のGDPは0.71%押し下げられるとしている。崔真淑は今回の関税が実際に実施されれば大手自動車メーカーの営業利益の3割が吹き飛ぶのではないかとの試算もあり、解決を為替要因だけに頼るのもリスクとなるため、今後関税の数字を下げられるかが焦点になるなどと話した。

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木内登英野村総合研究所
自動車関税 影響は

自動車への追加関税は先週発動された。日本を含む全ての国や地域から輸入される自動車に25%の追加関税が課される。現在、日本からの乗用車には2.5%かけられ、25%が上乗せされるため27.5%となる。主要部品についても来月3日までに25%の追加関税を課すとされている。去年一年間の日本からアメリカへの自動車の輸出額は6兆264億円で、アメリカへの輸出全体の28.3%を占め最多となっている。さらに自動車部品も1兆円以上輸出されている。また自動車産業は関連産業まで含めるとが約558万人が雇用されているため、影響の拡大が懸念される。今後の対応について志賀は、簡単に販価を上げることは出来ないのでコストを下げて我慢して出していくことになるのではないかなどと話した。佐々江は交渉によってマネジメントすることが重要などと話した。

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日本自動車工業会財務省貿易統計
求められる対策は

政府は先週、国内産業への影響を精査し企業に万全の支援を行う考えを示した。具体的には特別相談窓口の設置や企業の資金繰り支援などを行うとしている。また関係閣僚による会議体設置の意向を示すとともに、トランプ大統領との電話会談を模索し、現在調整中とのこと。対抗措置としての報復関税には否定的な考えを示している。崔真淑は、トランプ氏はドル安を引き起こしたいが基軸通貨としての立場は失いたくないという考えを持っているので交渉カードはある。ミクロな企業では対策できないこともあるので政府の行動力を見たいなどと話した。また円安のため輸出の金額ベースでは増えているが数量ベースでは2008年以降減り続けているのでこれを機に付加価値のある商品について考えれば良いなどと話した。

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ドナルド・ジョン・トランプ
「自由貿易」はどうなる/日本の戦略は/トランプ政権とどう向き合う

これまでアメリカは自由貿易体制を進め世界経済を牽引してきた。1948年にはGATTが発足し、1995年にはWTOが設立され、アメリカを中心に自由貿易体制が拡大してきた。今回の関税政策はこうした流れに逆行するもので、世界経済の転換点とも指摘されている。佐々江は日本は東南アジアなどを支援し、アメリカに圧力をかける努力が必要などと話した。藤井は、貿易環境が見えにくい中で輸出入を特定の国に依存するのではなく多角化することが重要などと話した。

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GATT世界貿易機関

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