今週からNHKでは「どう守る 医療の未来」と題して様々な特集を紹介。日本は世界でも有数の医療大国であることは変わらないが、医師不足・医師の偏在といった問題が解消したわけではなく、こうした問題を抱えながら医療従事者や現場の必死の努力で医療の質を維持してきたのが現状。「NHKスペシャル」を紹介。舞台は島根県内にある地域の中核病院。現場の取材からは行き過ぎた医師の偏在の問題が見えてきた。ミスやトラブルを起こす一部の医師にも頼らざるを得ないほど現場は追い詰められていた。番組ではこの病院が患者を守り病院を立て直すための取り組みにも密着した。患者のための医療はこれからどうあるべきかを考える。このような企画・取材のきっかけが視聴者の声。寄せられた声すべてが医療ミスだったかは不明だが、医療に納得いかない人が多くいることは事実。課題から見えてきたのは医師の偏在の問題が根底にある。全国の医師偏在マップを紹介。様々な要因を考慮した数値で単純な医師の数の比較ではない。東京の中心部は多数区域となっているが、その周辺部分は少数区域が広がっている。国は医師偏在の対策として2008年頃から医師を増やしてきた。実際に当時と比べ今は5万人以上増えている。診療科偏在のグラフを紹介。一番高いのは近年の需要の高まりを受けて美容外科。一方で消化器・一般外科に関しては若干減っている。また、産科・内科・小児科と地域医療には欠かせない診療についてもほぼ横ばいとなっている。「ETV特集」を紹介。患者を断らない病院での働き方改革の問題について。「クローズアップ現代」を紹介。病院の経営難による閉鎖や縮小について。医師の偏在などの問題と病院の経営状況の悪化という2つの問題が重なることで限界が迫りつつある。これまで日本は国民皆保険制度で国民全員を公的医療保険で補償する制度によって安くて高度な医療を誰でも受けられるのが当たり前になってきた。しかし、高齢化が進む中で医療費を増大させることは国民にとっても大きな負担になる。現場から「限界だ」との声が上がっている今だからこそ、番組を見て考えてほしいという。「NHKスペシャル」は総合テレビで6月1日よる9時、「クローズアップ現代」は総合テレビで6月2日よる7時半、「ETV特集」はEテレで31日よる11時から放送。