2023年11月9日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【日本初のカレー粉を作った百年企業 不屈の商品開発術!】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿
絶品カレーに世界各国の料理 プロ顔負けの味付けを簡単に

エスビー食品は1923年に創業した。社員数は2100人で売り上げ高は1200億円。スーパーのスパイスコーナーでシナモンやチリパウダーなどの世界各地からの様々なスパイスやハーブを仕入れる。エスビーはスパイス商品の売上は国内トップシェア。多くの人に馴染みがあるのはスパイスの味や味がきいたカレールウ。エスビーはカレーだけで40種販売しており、シェアはハウス食品についで2位で、エスビーの武器は使っているスパイスやハーブの種類が多い。また赤缶カレー粉という商品は30種以上のスパイスを使用している。その赤缶カレー粉が今年進化し二人前の小分けタイプのルウを発売。より手軽に使用できるよう国産牛などのだしを加えカレーファン獲得を狙う。

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エスビー食品ハウス食品坂戸市(埼玉)生鮮市場TOP 坂戸八幡店赤缶カレー粉

エスビーのスパイスのこだわりを探るために倉庫へ。世界中から厳選して集めたスパイスはこの倉庫だけで3000トンへ。集めた大量のスパイスは選別と粉砕を行う工場に運ばれるが産地を明かせないスパイスも多く、殆どが企業秘密だという。スパイスを選別する機械では光の中を流れるこしょうをカメラが捉え、色や形が悪いものを瞬時に識別子空気で吹き飛ばしていく。エスビーが得にこだわっているのはスパイスを粉砕する工程。20本の杵がもちを作るようにターメリックを砕く機械があり、このようなやり方をする理由には熱が出にくくスパイスの香りが飛びにくいという。スパイス本来の香りを残すために倍の時間がかかるこのやり方を創業時から貫いている。粉砕されたスパイスは信州の上田へ。ここでカレー関連の商品を作っているがどのスパイスをどれだけ配合するかは秘密。また香りを最大限に引き出すために配合のタイミングもスパイスごとに変えている。長年培ってきた秘伝のノウハウによってエスビーのカレーは作られる。

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エスビー食品上田市(長野)東松山市(埼玉)

数種類のスパイスと調味料が合わさった商品は手軽にスパイス料理が作れる。炒めた具材に振りかけるなどし、楽しめるという。シーズニングと銘打ったこの商品は100種類をラインナップする。ローズマリーのトマト煮やジャンバラヤなど世界各国の料理が気軽に楽しめる。こうしたエスビーの商品は3700種にも。

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エスビー食品シーズニング鶴ヶ島市(埼玉)
ヒットを生む商品開発術 食べ歩きに試食100回

エスビー食品の商品開発担当者はこの日都内のタイ料理店へ。すでに販売しているエスニックカレーのリニューアルのためにヒントを求めてやってきた。エスビーの商品開発の肝は食べ歩き。食べるだけでなく店側と交渉しその厨房の中にお邪魔し、どんなスパイスを使っているかなど、その店の美味しさの秘訣を学んでいた。その後インド料理店へ向かい、こうして一日4~5軒カレー屋をまわることも。また味を覚えているその日のうちに試作品作りへ。現在販売しているエスニックカレーは、食べ歩きで得た情報をもとに、輪切りの唐辛子をいれるなどし、一つの商品で100回以上の試食を行う。本格的かつ日本人にあう絶妙な辛さを探っていく。

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エスビー食品マンダラメナムのほとり 神保町本店千代田区(東京)板橋区(東京)

こうした試作品作りは会社だけでなく自宅で行なわれることも。唐辛子のうんちくを語る池エスビー食品の社長の村和也は、長年商品企画を担当し、2000代前半にはエスビーのスパイス部門を再建しチューブ入りのお得用を企画するなど数々のヒット書品を生み出してきた。刻んだハバネロに高温の米油を注ぐなどし、ハバネロラー油を作った池村。スパイスへの飽くなき探究心はエスビー社員のDNAだという。コロナ禍での売上について池村はシーズニングシリーズがふりかけるなどし気軽に外食でしか食べられないようなメニューが簡単に出来るコンセプトで在宅勤務の人などに料理をしてみようとし売上が伸びたという。また社員が食べ歩きをしている姿に池村は外に出てスーパーの売り場をみたり食べ歩きをするよう推奨しているという。また一番大切なのはシェフの話を聞くことで、料理の素人の自分たちがいくら修行を積んでもその道の専門家とは知っていることが違うので、直接作り方を学ぶことがメーカーの技術を高める上で大切なことだと答えた。またz自身も試作品を作るというが実際にやってみないと気づきが生まれないという。

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エスビー食品ゴールデンカレーシーズニング
日本初の商品を続々と開発!失敗を恐れない開拓スピリット

エスビーの歴史を伝えるスパイス展示館は赤缶カレー粉の巨大オブジェがある。1952年には日本初の家庭用瓶入りの特性コショーを発売した。また1970年には洋風ねりからしという日本初のチューブ入りのカラシを発売した。このようにエスビーはスパイスの新しい価値を生み出し今年創業100周年を迎えた。創業者は埼玉出身の山崎峯次郎。17歳の時に東京で初めてカレーライスを食べ衝撃を受けて自分の手でカレー粉を作りたいと思い立った。しかし当時のカレー粉はほとんど海外からの輸入品で、レシピはどこにもなかった。記念館には当時のことを語った肉声が残る。どのスパイスをどんな割合で調合すればいいか皆目検討がつかない状態だったが、自分の鼻と舌だけを頼りに調合し失敗の連続だった。しかしある日突破口が開いたという。捨て忘れていた調合したカレー粉の缶から芳醇な香りがし、これが自分が追い求めていたカレー粉のベースで、日本初の国産カレー粉を販売した。その後も改良を重ね1952年には集大成の赤缶カレー粉を発売。エスビー食品に池村が入社したのは1986年。商品企画に携わってきたが、その中で幾度も失敗を重ねたという。その中でも忘れられない失敗作があるという。レトルトのカツカレーを作ろとしていた池村は、商品開発の担当者に無理と言われても本当に作ってしまった。

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エスビー食品スパイス展示館山崎峯次郎板橋区(東京)洋風ねりからし特性コショー赤缶カレー粉

池村は2000年にどうしてもレトルトのカツカレーを作りたいとレトルトにみじん切りのカツを入れた商品を発売。しかし一部のファンにしか売れなかった。商品化を決める役員会議では販売前には猛反発を受けた。しかしそれを見ていた社長は面白いの一言で商品化を決めた。池村は失敗してもよいというトップのチャレンジしてみろという精神が未だに受け継がれていると答えた。池村の次なるチャレンジは低迷するスパイス部門の立て直し。2003年にはスパイスファンを増やすために従来よりも量を減らして値段も買いやすい100円均一にしたスマートスパイスシリーズを販売。その後もORGANIC SPICEや初心者向けのシーズニングシリーズなどを相次いで発売し、スパイス部門の売上を20年でおよそ5割アップさせた。池村は自身が社長になったら社員が迷っていたらやらせると答え、役員会にかけるほど吟味と改良を重ねた試作品はアイディアは最後までやるかやらないかメンバーが悩み抜いてきたものなのでならやらせてあげようというのが会社の考え方だという。また創業者がすごかったのは失敗作のレシピもすべて書き残していたのでその中の一つだけ熟成によっていい香りがしていたという。その記録を紐解いてもう一度作り直し、また作り直し最終的にカレー粉なが生まれたという。また日本人はなぜこんなにもカレーが好きなのかについては栄養価が高く大きな鍋で安価なじゃがいもや人参などの野菜を使用したくさん作れる上、すぐにもりつけることがでお腹いっぱいになるところが母親にとっても便利だと答えた。また日本初にこだわっていて、消費者が顕在的にこれがあったらいいと思っていないところに新しい便益があるはずだと答え、昔は粉を溶いてわさびなどを家庭で作っていたがそれをチューブにして今までになかったものづくりという発想でねりからしが生まれたという。データにない生活の抜け目を探し出すことが大切だと答えた。

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FAUCHON シーズニングシリーズORGANIC SPICESPICE&HERBシーズニングS&B こってりカレー レトルトエスビー食品スパイス&ハーブシリーズスマートスパイス板橋区(東京)
肥料にスープのダシまで!? 食品廃棄物を有功活用

毎日大量のスパイスやハーブを使うエスビー。選別に漏れたスパイスとハーブの廃棄物がでてくるが、その量は月に20トンに及ぶ。その再活用に動いていたが農業用の肥料を作る会社では、廃棄されたスパイスやハーブから堆肥を作っていた。八ヶ月寝かせたスパイスは虫除けの効果があるのではと期待される。この堆肥を今ホームセンターで売られているハーブの苗の肥料に活用できないかとエスビーとともに検証を重ね、商品化を目指している。一方エスビーの社内でもフードロスを減らすだけでなく、商品作りに活かそうとしている。この日作っていたのはカレーなどを作る家庭ででた鳥の不要部分を煮込んだスープ。

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エスビー食品プロトリーフ鹿沼市(栃木)

エスビーの社内でもフードロスを減らすだけでなく、商品作りに活かそうとしている。この日作っていたのはカレーなどを作る家庭ででた鳥の不要部分を煮込んだスープ。その試飲をしていた社員立ちだったが、味の評価は上場。そのスープを使ったラーメンに池村は美味しいと答えた。そこからこのスープを使った商品開発ができないかとアイディアを膨らませた。池村はスパイスとハーブの持つ機能性を研究し、サプリメントも何種類日出しているという。またヒット商品のコツには自身はキーマカレーを手掛けた商品を作ったがキーマカレーが流行する前に手掛けた商品だという。商品の耳に入る認知率や外食での経験率が高まらないと商品は売れないと答えた。

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エスビー食品
(エンディング)
編集後記

村上龍は今日の総括にS&B、エスビーと聞くだけで、赤い缶を思い出し、カレーの香りがしてくる。創業者は初めて食べたカレーライスのおいしさに魅了され、情報が何もない中、味と勘だけを頼りにカレー粉の製造に没頭した。周囲から変人扱いされながら数年かけて1923年日本初のカレー粉の製造に成功した。この探究心がS&Bの100年を作った。池村さんは、データの中に新しいニーズはないと言う。自分の足を使った市場調査が重要視されている。食べ歩きだ。新商品の試食も、100回を超えることがあるらしいとした。

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エスビー食品赤缶カレー粉
次回予告

カンブリア宮殿の番組宣伝。

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