- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
埼玉県下川越市には客が押し寄せている店がある。久遠チョコレートではアイスクリームなどがあるが、看板商品はカラフルで様々な種類があるQUONテリーヌというい手作りのチョコレート。リピーターも多い理由はその味わいの多彩さで、159種類以上の味がある。風味を楽しめるようピュアチョコレートになっている。店は口コミで広がり、急拡大。北海道から九州まで、全国40店舗を展開。また映画にもなっている。その会社を作り上げたのは久遠チョコレート代表の夏目浩次。愛知県・豊橋市が久遠チョコレートの本拠地でその商店街の一角にあるのが本店。久遠チョコの秘密は商品の生産体制にある。チョコレート作りを担うのは多くが障害者。全国の久遠チョコレートでショコラティエとして製造に携わるのは430人。さらに夏目はパウダーラボという店を立ち上げたがチョコレートに混ぜる食材加工の工房で、障害が重い人々が働く場として3年前にスタートしたという。行っていたのは石臼で材料をパウダー状にする作業。その中で重度の知的障害とダウン症の荒木だけは違う機械を使用していたが水平移動が苦手で石臼と同じ構造の機械を使用して製造しているという。
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障害者が働けるように工夫をしているというが久遠チョコは通常ではありえない高賃金を払っている。重度の障害者は月給5万円以上を支払い、中度や軽度の障害者には月給17万円を支払っている。全国平均の10倍になるという。夏目が商品作りで注力するのは高い付加価値を産む食材探し。愛知県の東栄町にある茶畑にやってきたが標高は700mあり、雲海が出るほどの高さ。夏目はここで独自の製造法にこだわる尾林さんのお茶づくりに感動し、最近チョコレート作りに使い始めたという。農薬などを一切使用せず、積むのは一番茶のみ。茶葉を臼でひいいて厳選されたチョコと混ぜ合わせたのが東栄町雲上一番茶テリーヌ。
夏目が見つけ出した食材で次々に商品を生み出すのが開発を担う山本と餅田。この日試作していたのは酒粕パウダーを使用したもの。このチョコに混ぜ込んだ酒粕も普通のものではなく、数々のコンテストで金賞を取る惣誉酒造の物を使用している。ここではほとんど行われなくなった天然の乳酸菌を使って発酵させる生酛という発酵を行い製造をする。こだわりの酒粕をパウダーラボで粉にしていままでにない久遠テリーヌを作るべく様々な配合を試しているという。久遠チョコレートの年商は18億円に拡大し、様々な企業からも注目されている。コールセンターのベルシステム24の社内カフェでは久遠チョコレートの商品を扱っている。そのチョコレートを作っているのが豊橋市内の施設だが、ベルシステム24が感銘を受け、自ら出資し久遠チョコレートの製造に乗り出したという。作ったチョコレートは久遠チョコレートの店舗で販売し、障害者も雇い、久遠の生産体制を支える。また多様性を学ぶ場として、ベルシステム24の社員研修の場としても活用している。
久遠チョコレートのQUONテリーヌがスタジオに登場。小池は味の感想に美味しいと答えた。夏目は久遠チョコレートの全体で700人のうち430人が障害を持っている従業員になるという。またパウダーラボを作った理由については障害の思い人たちと一緒に働くためにそどうしたらいいか考えたときに、チョコレートは全部粉砕し粉末に練り込んでいるがその工程は立派なものづくりであり、外注していたので任せたという。また破格の高賃金で障害者を雇っていることについて夏目はまだまだ納得できない数字で元企業努力をし、一つ一つの仕事に価値をつけ給料をあげていきたいと答えた。またそうすることで従業員たちも仕事に誇りを持つことができるという。
不岐阜県高山市は夏目の新店が。世界的に活躍する有名パティシエの柴田武さんとのコラボ業態でチョコを分だんに使用したソフトクッキーの専門店。半年前にオープンし大盛況。障害者も積極的に採用している。
夏目は伝説の経営者のヤマト運輸の小倉昌男を尊敬してやまないというが、宅急便の生みの親で、晩年に資材を投じて開業したのはスワンベーカリー。障害者の自立を目的とし、その働く場としてベーカリーを提供した。夏目は大学院生だった24歳のときにスワンベーカリーについて書かれた本に出会った。夏目はその本から障害者の月給が1万円であるという事実に衝撃をうけたという。それを小倉が経営の力で障害者の実状を変えていこうというものだったという。多くの障害者は、就労支援施設で作業を行い時間や出来高に応じて工賃をうけとる。平均の月収はわずか1万6507円。その実情を知った夏目はスワンベーカリーを自分も手掛けたいと小倉に手紙で何通も送った。半年後に面会ができるという知らせがあり、小倉と実際に対面した。しかし小倉は経営もなにもしていなかった夏目に経営はそんなに甘くないと言い出し名刺交換に応じてくれなかったという。その後夏目は一念発起し豊橋市内にベーカリーを開業し障害者3人を雇用し、商売をスタートさせた。この店で夏目は障害者に最低賃金を保障し10年以上悪戦苦闘した。しかし借金は増え続け結果は出せなかった。そんな中で出会ったのは有名ショコラティエの野口和男さん。一つ一つの作業が単純なチョコレート作りなら製造工程を細分化すれば高度な商品を作れると思いついた。そして2014年に久遠チョコレートが誕生した。
夏目は小倉昌男にスワンベーカリーを手掛けたいと手紙を送り、実際に会えることになったが名刺をもらってくれなかったという。その時の衝撃には頭が真っ白になってしまったというが、半年もかけた願いだったがわずか数秒で終わってしまったことにショックと少しのイライラを感じたという。しかし今では見かけより商売は泥臭いものと言いたいことがよくわかると答えた。しかしその後立ち上げたベーカリー事業ではパン作りは大変だったと答え、素材に時間を合わせる必要があり、それができないと廃棄になってしまうという。また薄利だったが、チョコレートは利益が出る上に手作業がたくさんあり、溶かせばまた最初からできることが魅力的だったという。また障害者と属性がついただけで低賃金という理解できない状況を仕方ないと捉えることに社会のあり方としてナンセンスだと答えた。
久遠チョコ 驚きの”人材戦略“。
北海道のエスコンフィールドHOKKAIDOに来ていた夏目。施設内には久遠チョコレートの新業態のソフトクッキーの店がある。この日店舗で働くスタッフの面接がありその面接に密着した。面接にやってきた土屋さんは軽度の知的障害があるという。どんな作業ができるかなどと聞いていく中でリラックスした雰囲気に。そして採用が決定した。採用基準は働きたい意思があるかのみだという。夏目は働く意思がある人材に対しどうすれば仕事を生み出せるかそれだけを考え人材と向き合ってきた。障害者の荒木も今やかかせない人材に。母親やヘルパーに支えられ今では一人暮らしをしているという。夏目は採用基準はないと答え、また仕事の適性についても障害に関係なくお互いに個性や性格を知り距離を縮めていくのと同じと答え、相手を知ろうとすることは今の社会に足らないことだと答えた。また障害をもつ従業員の親が喜んでくれるのがうれしいと答えた。
久遠チョコレート 直方店は開業して三年経過するというがここはフランチャイズの店で年商6000万円を稼ぎ、地域での障害者雇用の重要の場になっている。晴れてから久遠チョコレートのファンだったオーナーの川口さんはとにかく参画したかったと答えた。夏目は最終目標に、名古屋で開催する日本一の百貨店のバレンタインがあり、一ヶ月で30億円以上が売れるそのイベントがあるがそこで一番になると答えた。
村上は今日の総括にに働くスタッフの約6割が障がい者。障がい者は「B型事業所」と呼ばれる福祉作業所で働くことが多い。平均工賃は月額1万6千円程度。憤りを感じた夏目さんは「月額1万円」の壁を打破すべく、知的障がい者のあるスタッフを3人雇い、ベーカリーを開業。借金を重ねつつ、最低賃金を保障して雇用を守った。「ただし製品化を高めると、ついてこられない人がでる」30代でショコラティエに転身。チョコは当たった。重要なのは、夏真さんが感じた「憤り」だ。いちばん底に怒りがある。底にある怒りは、あらゆる誘惑と欺瞞から本人を守る。とした。
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カンブリア宮殿の番組宣伝。