2024年10月10日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【新発想のフライパンを作る!無名の町工場“ヒット商品”開発術】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

町工場発!肉がおいしくいなるフライパン
プロの味を家庭でも味わえる 思い…値段高い…でも大ヒット

日本料理 小伴天では料理長の愛用するフライパンがある。豚肩ロースを焼いていくが他社の製品とは違い表面はカチッと仕上げ中をジューシーにしたい時に使用するという。そのフライパンが生まれたのは愛知県碧南市。住宅街にあるこの町工場が石川鋳造。創業は1938年で40人の従業員がいる。溶かした金属を型に流し込んで固めた製品を作る鋳物だが、昔ながらの工場の一角に去年雰囲気の違う建物が作られた。そこでは日本料理屋でも使用されていたフライパンがあった。このフライパンの名前は おもいのフライパン。家庭向けに開発されたフライパンで、安いフライパンだと1000円を切るがこのフライパンは1万円以上とお高め。通常のフライパンが570グラムほどだがこのフライパンは1800グラムほど。2017年に発売されると累計7.6万枚を販売し、ネットを中心に扱っていて現在1ヶ月待ちという人気ぶり。その社長は石川鋼逸。地方の小さな町工場をフライパンで一躍注目企業にした石川。成功のカギは行くを美味しく焼くことにとことんこだわった。

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おもいのフライパン三河オインクとんてき定食日本料理小伴天のプレミアムおせち石川鋳造碧南市(愛知)
なせ肉が上手に焼ける?「重い」「厚い」職人の技を結集

おもいのフライパンで焼くと何故肉が上手に焼ける?一般的なフライパンと焼き加減を比べてみる。同じ火力で肉を焼いていくと、2分後には焼きめに差があり、一般的なフライパンは焼きムラができ、一部が焦げているがおもいのフライパンは程よい焼き目が均一についている。実際にサーモグラフィーを使用して熱の伝わり方をみてみると一般的なものは温度の高いところと引くところがあるが、おもいのフライパンは全体が均一の温度になっている。理由はその厚さ。一般的なもののほぼ2倍で、分厚い鉄全体で熱を受け止めてから肉に伝えるので均一に焼くことができる。さらに鋳物には遠赤外線効果で肉の中にまで熱が伝わる。そんなおもいのフライパンには町工場の技がつまっている。鋳物の原料には工場から出る鉄くずが再利用されている。中でもおもいのフライパンはより強度の高い鉄くずを使用していて、それを炉に入れ熱すると、溶けて液体状になり温度は1500度に。通常フライパンは金属板を型ではさむプレスが一般的だが鋳物の場合は溶けた鉄を型に注ぐ鋳込みで作るがこれが難しい。

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おもいのフライパン石川鋳造

一つ一つ丁寧に諸国が形を整え、そのフライパンを特別な方法で再び焼き上げる。この焼入れという作業でフライパンの表面が酸化し膜が張る。この膜によって塗装なしでも錆びにくく食材が焦げ付きにくくなるという。

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おもいのフライパン石川鋳造
選りすぐりの肉が毎月届く 家庭でちょっとした“ぜいたく”

おもいのフライパンは売り方もユニーク。愛知県豊田市にある精肉店はブランド牛が売りの地元の肉好きの御用達の店。その肉の売り場の隣にはおもいのフライパンがあったが、量販店には置かずにあえて売る場所を搾っているという。この店だけで毎月100枚以上の購入に結びついている。肉好きをターゲットにした戦略はこれだけでなく、石川鋳造が始めたお肉のサブスクは、毎月29日に厳選されたお肉が届くという。おもいのフライパンならたった1分で美味しそうな焼きめができる。

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内藤精肉店石川鋳造豊田市(愛知)
「重い」「厚い」「値段が高い」すべてが“真逆”で異例の大ヒット

スタジオにはおもいのフライパンが登場。小池は一般的なフライパンと重さの違いを確かめた。石川はフライパンの重さについては26センチのフライパンで1.8キロあるという。また名前の由来についてはまずは素直に重いということをお客に伝えたかったという。また買ってもらう人の顔を想像し 、社員一同思いを込めて一枚一枚精魂をこめて作っているので使い込んでフライパンを育ててほしいと答えた。また量販店で販売をしない理由に石川は客層を見るにフライパンを買う際に持ってふって軽さや値段を見るなどし、おもいのフライパンとは真逆のものを欲しがるという。また自分たちのフライパンをしっかり理解して買ってほしいという思いがあると語った。また溶かした鉄を型に流す鋳造の特徴には鉄を溶かすのにいろいろなものを配合し化学反応をさせより強度を高めているという。

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おもいのフライパン石川鋳造
一流シェフも感動…1100円の驚きサービス

おもいのフライパンは一生もの。石川鋳造では長年使い込んで焦げなどがこびりついたフライパンを修復してくれる。修復前のフライパンと比べると新品同様に蘇る。生まれ変わったフライパンは持ち主のもとへ。

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おもいのフライパンプレヴナンス石川鋳造碧南市(愛知)青山(東京)
「重い」「厚い」「値段が高い」すべてが“真逆”で異例の大ヒット

石川鋳物のフライパンについて石川は、当時は他にもあったが他のものはほとんどが軽量化路線だったという。しかし美味しくお肉を焼きたいと思い、焼き面を厚くしたという。世の中の1%の人に美味しく使ってもらいたいという思いがあると答えその人達に徹底したこだわりを届けたいという。

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おもいのフライパン石川鋳造
イチローと対戦した男が挑む赤字転落…社運をかけ大勝負

こだわりぬいたフライパンづくりにチャレンジし大ヒットさせた石川。そのチャレンジ精神の原点は高校時代にあった。石川は、甲子園を目指す高校球児だった。地元碧南高校で野球部の所属。ポジションはピッチャー。県大会では後のメジャーリーガーのイチローと対戦したことも。大学で教職課程をとり、母校の教師になり野球部の監督として甲子園を目指した。県立高校で設備が十分でなかったために石川鋳造の倉庫の一部を室内練習場に改装。選手たちを鍛えるためにバッティングマシーンを設置。愛知県の県大会ベスト4に導いた。30歳になると石川鋳造に入社し32歳で父の跡継ぎで社長に就任。その頃、石川が気になっていたのは職人の働く態度。彼らは当たり前のように咥えタバコで作業をしていたがそれを見かねた石川は、タバコを吸うことを注意すると職人は口出しをされたことに激怒。さらに大きな試練にはリーマンショック。売上の柱だった金属を溶かすのに使用するルツボという製品の受注が落ち込んで赤字に転落。会社が自立できる商品はなにか?と石川が目をつけたのは、フライパン。しかし、フライパン作りの経験はなく、しかもライバルは五萬といる。完成まで試作品は1000枚以上。開発費に1000万円をかけた。膨れ上がる費用に、社内では反対の声があり父も反対していたという。追い込まれた石川だが意外な場所でヒントを掴む。

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試作1000枚以上で完成 ヒントは焼き肉店にあった!

フライパンの試作で活路が見いだせない中で、ヒントを掴んだ石川。それはいきつけの焼き肉店での出来事。鉄板で焼く肉はどこで食べる肉よりも別格に美味しいと感じていたというが美味しい店は分厚い鉄板を使用していることがわかった。以来、焼き肉店に通い詰めて鉄板を調査。分厚さが肉の美味しさを左右すると発見し分厚いフライパン作ることに。こうして構想から10年が経過した2017年の12月におもいのフライオパンを発売した。地元碧南市のふるさと納税の返礼品にも採用されるとSNSでバズりはじめた。そしてコロナ禍を経ておうちごはんやキャンプメシにうってつけのアイテムとしてファンを一気に増やした。

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おもいのフライパンふるさと納税石川鋳造
イチローと対戦した男が挑むおもすぎるヘルメット…開発秘話

石川は高校時代に甲子園でイチローと対戦したという。今では良い思い出でまた稲葉篤紀とも対戦したことがあると語った。また当時石川鋳造に入社した当時は会社の雰囲気が暗く感じたという。鋳物は3Kの代表的な仕事で昔ながらの職人の仕事のせいか、社内で罵声がとび、タバコを吸いながら製品を作っていたという。その現状に何回も同じことを言い続けて改善していったと答えた。またリーマンショックを経て先々を見据えた柱になるものを作らないと思い立ったというが、この会社が潰れてしまうと分析していたという。色々議論を重ねた中にはヘルメットという案もあったが鋳物で作ると首が折れてしまうほどの頑丈なヘルメットになってしまうという。

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外食チェーンも熱視線 新商品で挑むのは“あの食材”!

おもいのフライパンの成功で外食チェーンからも声がかかるようになったという石川鋳造。みそかつ 矢場とん 羽田エアポートガーデン店の人気メニューは極上リブ鉄板とんかつ御膳。このメニューに使用されているのが石川鋳造の鉄板。試験的に導入されたが今後は全店舗に展開する予定。石川鋳造は今やフライパンだけではないという。

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おもいのフライパンみそかつ 矢場とん 羽田エアポートガーデン店大田区(東京)極上リブ鉄板とんかつ御膳石川鋳造碧南市(愛知)
フライパンで社風も一変 今度は〇〇をおいしくする

石川鋳造には新商品の開発にあたるチームがいる。部署を超えて集まって考えていたのは卓上コンロで使用できる深型鍋。早速テスト調理をしご飯がこびりつかずに使用でき、またフタがおもいのフライパンになる。

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おもいのフライパン石川鋳造碧南市(愛知)
フライパンで社員も一変 肉好きで入社する社員も!?

石川はフライパンを発売する前は社員に愛社精神がなく気持ちがバラバラだと感じていたがフライパンを販売してからは社内の雰囲気が明るくなったと語る。また慰安旅行では社員がおもいのフライパンのロゴ入りパーカーを着てきたことが嬉しかったと述べ、会社を愛してくれていると感じることができたという。また実際におもいのフライパンで入社した社員も。肉が大好きで応募したという。おもいのフライパンでは消費者との向き合い方も変えた。ショールームで開かれていたのはファンミーティング。企画した石川の狙いは消費者の生の声を集めること。

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(エンディング)
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編集後記

村上は今日の総括に会社を継いだのは、32歳のとき。野球が好きで、高校野球の監督になるため、教員免許まで取得。30までは好きなことをという父親との約束で30歳で入社。すぐにリーマンショックが起き、創業以来はじめての赤字。自動車のEV化で主力商品のアルミ用鋳鉄ルツボは売上が3割に。若手社員を集めチームを。特性を考えるとフライパンが。肉を焼く鉄板は厚みがあればあるほどおいしく焼ける。1000回以上の試行錯誤。「おもいのフライパン」完成。大谷翔平のようなスターがいる組織より、チームワークで勝利していく組織を目指したい。とした。

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次回予告

カンブリア宮殿の次回予告。

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