- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
大阪市の野田新橋筋商店街にある八百鮮。40坪ほどしかない売り場に多い日には一日2000人がやってくる。とにかく安いことが売りで野菜がよその3分の1などお得。ほかでは6000円はする高給メロンも2700円とお手頃。鮮魚売り場では魚やカニも手頃な値段で購入できる。さらにナスやきのこの種類などが豊富。人気のトマトは9種類。その社長は市原敬久。八百鮮は開店前から行列ができるほど人気。売り場一坪当たりの年間売り上げは平均一般のスーパーは400万円だが八百鮮は1400万円。現在大阪、神戸、名古屋に10店舗を展開し、売り上げも右肩上がり。
午前5時の大阪市中央卸売市場にやってきたのは八百鮮のスタッフ。逆張り仕入れという旬ではない野菜を大量に仕入れる。遅い時間に売れ残りを抱える仲買人と値引き交渉をする。仕入れた夏の白菜はカレーにいれると美味しいという。煮込めば水分が出て水なしでとろとろと甘みが楽しめると食べ方まで提案した。市場で安くしいれたために2分1カットで108円。白菜はこうして完売した。このやり方で年間3億円を売り上げている。
さらに八百鮮 湊川店のスタッフも仕入れにやってきた。目をつけたのはシャインマスカット。あえて粒や形が不揃いなものを選んで仕入れたが贈答用の半額以下だが、味は一級品。一玉11キロのブランドスイカも大量に仕入れた。雨の日に大量に仕入れた理由には雨の日にあえて重くてかさばるの品を販売する。持ち帰りやすいようにカットし売値も安くしている。狙い通り安く買えると次々と購入された。
八百鮮では店頭にない野菜も頼めば商品を個別に仕入れてくれる。仕入れていたのは府内の飲食店。こうして、プロの料理人にも信頼されている。
八百鮮は社員145人で平均年齢は32歳だという。市原は、野菜の種類などが豊富な理由に、いつ行っても同じ商品があるよりはいつも違う商品が並ぶワクワク感の方が重要だと答えた。また各店舗は個性的で良いと答え、社員が売りたい食べてみたいという気持ちが売り場に溢れていると答えた。また品質とコストのバランスについては店が小さいのでランニングコストが抑えられているという。また仕入れの目利きや調理法の知識は先輩社員に教えてもらうのか?については1割ほどで9割はお客から聞くことが多いという。また仕入れた商品をその日のうちに売り切るのが掟だが、閉店の2時間前から安売りを始め、利益度外視で売り切ることをモットーにしているという。
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現在関西を中心に10店舗を展開している八百鮮。新たな出店地を探してこの日、福岡の商店街に市原の姿が。時代の逆を行くやり方で人気の八百鮮。市原がまだ商店街には可能性があると考えている。市原は1982年に岐阜県で生まれ、社長に憧れて大学で経営学を専攻。ゼミで学んだのは障害者が働く事業所の経営で福祉と経営を考えるイベントを開催するなどのめり込んだ。卒業後は人材派遣会社で営業マンに。将来の企業に向けた準備も進んでいた。そんな市原に父の実さんは会社を立ち上げる前に商売の勉強を促した。そこで当時名古屋を中心に9店舗を展開していたタチヤ 長久手店で勤めた。2007年にタチヤへ転職したが最初に任されたのはかまぼこ売り場。しかし全く売れなかったという。
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八百鮮の社長の市原が18年前に、タチヤというスーパーで働き始めた頃、最初に任されたのはかまぼこ売り場。しかし全く売れなかったという。するとパートの店員がかまぼこ一つ売れない姿に呆れ、代わりにそのパートがお客にバンバンと売っていたという。手売りの難しさを実感したという。悩む市原にヒントをくれたのはタチヤの会長の森克幸さん。当時社長だった森さんはビジネスではなく商売であり、お客と向き合うのが大事だと伝えられたという。市原は2010年に独立し、客と向き合って直接商売ができる青果店を始めた。翌年には八百鮮を立ち上げた。とことんお客に向き合うやり方は今も変わらず続く。1店舗に配置する店員は一般のスーパーよりも多い1店舗25~30人を配置。バックヤードもお客が声をかけやすい構造に。また売り方にもジャガイモ、ニンジン、タマネギを組合わせ自由。5個で216円。市原は大切にしたいことは人情味やぬくもりを商売で表現したいと答えた。また経営学を学んでいた頃の話をし、ビジネスを学び、社長になって周囲を幸せにすると誓ったのに、実際目の前のかまぼこ一つ売れない事実に悔しくて泣いてしまったという。
全国に展開するホームセンターのコーナン。店の一角に2年前、八百鮮がオープンした。八百鮮の集客力に目をつけたコーナン側が出店を依頼した。この店は工場で働く外国人客も多いとあり、置いてあるバナナも料理用。働き方も違う八百鮮。全店舗が午後6時に閉店するが、食品の小売りでは珍しく日曜日を定休日に。社員の平均年収は550万円。店長は900万円に。若い社員の前で市原は商売の魅力を語った。採用活動では社員の活動を紹介するYouTubeチャンネルを運用し魅力を伝えている。今や八百鮮は年間500人が応募する人気企業に。市原は若い世代に八百屋の魅力を伝えたいと答えた。また長期休暇は暦にあわせてしっかり休みがあるという。サービス業も休めると、働きたいと思える業界にしていく必要があると答えた。
市原は先行き不透明な時代 サバイバルに必要なことに愚直に毎日積み上げる事が大切だと答え、従業員もお客も地域の人も喜んでいる状況を作るのが大事だと答えた。
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村上は今日の総括に、大学で「福祉革命部」というところに所属し、福祉と経営を考える催しを演出した。障がい者雇用に関することがメインだった。「経営は金儲けが目的ではなく、誰かを幸せにすることだ」と学んだ。そして、八百屋をはじめる。商売の原点だと思った。チラシ広告費ゼロ、在庫を持たない、そういう形の店にしていった。簡単ではない。しかし、正しかった。無限の鮮度を集める店に、という思いから店名を考えた。右肩上がりの成長を続けている。かっこい人だった。顔も佇まいもかっこよかった。とした。
カンブリア宮殿の番組宣伝。