- 出演者
- 村上龍 小池栄子
オープニング映像。
番組が始まった20年前には日本人の出国者数は1750万人。しかしコロナショックをきっかけにその人数は20年前の8割ほどにとどまっている。円安に物価高、人口減少と逆風吹き荒れる旅行業界。今回は新旧の創業者が占う旅行業の未来を特集。静岡県・熱海市では旅行ツアーが開催されていた。乗っていたのはバスではなく、グリーンスローモビリティという電動車は乗り込むとガイドがカイロのサービス。この車は窓がなく吹きさらしで熱海の街を五感で感じられ、電動なので環境にも優しい。サイズが小さいので狭い山道もスイスイ進んでいく。そして到着したのは熱海梅園。花見をし、さらに早咲きでおなじみのあたみ桜で春を楽しんだ。その3時間のツアーは格安。このツアーを企画したのがHIS。HISが頭角をあらわし始めたのは40年前で、それまで大手が強かった旅行業界で、海外への航空チケットを格安で販売を始めた。さらに格安ツアー連発し、日本人の海外旅行に一大革命を起こしたHISは飛躍的な成長を遂げてきた。その創業者は澤田秀雄。
澤田は3年前に会長職を退いたが、今年取締役として現場に復帰した。その澤田の旅行ビジネスは電話機1台だけのベンチャー企業からスタートした。格安の航空券で旅行業界に一大旋風を巻き起こし、1996年にスカイマークエアラインズを設立。運賃をそれまでの半額程度にし、世の中をあっと言わせた。2010年には開業以来赤字が続いていた長崎県のハウステンボスの再建に乗り出した。澤田は新たなアトラクションを始め、ライトアップやプロジェクションマッピングといった、大掛かりな仕掛けを行った。こうして集客を増やし、半年でハウステンボスを黒字化にしてみせた。澤田はよく番組で口にしていたのは「チャレンジ」。いつの時代も失敗を恐れないチャレンジ精神だという。今澤田は新たなチャレンジを前にしていたが、近年旅行の予約も、AIなどの最新技術をいかし、人を介さずにネットで完結できる時代。
20年前に予約客が殺到したHISの旗艦店のトラベルワンダーランド新宿本社営業所。近年客のニーズが変化したことから24年6月に店舗をリニューアル。店内は以前にくらべ、ものが少なくなり、ゆっくりした空間に変化した。来店は予約制にして、店内が混み合わないようにしている。その理由は今ではオンラインでの予約が主流になる中で店舗にきてもらい、プロのスタッフと旅行先を選んだり困っていることを解決していくという。旅行の手続きをする場所から一緒に旅行を作る店にかえた。AI時代にあえて対面での接客で業績を伸ばしている。澤田は2015年に画期的なホテルを開業。変なホテルはフロントに導入したロボットが話題になった。その変なホテルは変さを増しているという。部屋にはあらいぐまラスカルの新ブランドのHidy! Rascalとのコラボルームが。泊まればここでしか手に入らないコラボグッズがもらえる。他にもチョコボールやカルピス、航空会社のPeachとコラボした部屋も。その数は今は50以上に増えて、売上アップに繋がっている。さらにコラボルームの種類の多さで変なホテルが世界ギネス記録に認定された。こうした取り組みは社員によるものだという。しかしそんな澤田にも6年前に最大のピンチが。2020年のコロナショックによる旅行業界の壊滅的なダメージ。 HISも99%減と瀕死の状態へと陥った。澤田は番組で不安はないとピンチに動じることはなく、次々と核を打ち出した。
HISの異分野チャレンジの舞台はゴルフ。一台のカートがコースを進むが、屋根の上にはAI技術で客のプレーを自動撮影すサービスが。前半ラウンドを終えて戻ってくると、プレーを記録し自動編集した動画が1時間半で送信される。動画には音楽やテロップもつけることができ、ホールごとに違った角度からのスイングをみることが出来るという。値段も1500円と格安。
澤田は現場復帰をした理由について世の中が変化していく中で手伝いがしたいと思い立ったという。また実店舗ではお客の相談に3時間も答えたりなど、店のスタッフはなんでも答えられるという。また年配のお客はAIやインターネットが苦手なのでゆっくり相談するのが良いと語った。またインバウンド客を取り込むために意識していることに変なホテルがインバウンド客に人気だと答え、インバウンド客が増えるのは旅行業界にとってはプラスだと答えた。また復帰してチャレンジしたいことは宇宙旅行などを企画してみたいと答えた。
6年前に澤田は番組にて、宇宙のホテルを作ってみたいと話していた。水平で離着陸する航空機のような形のジェットは現在HISが出資する宇宙開発のベンチャー企業が実験を繰り返している。
澤田はHISの取締役と復帰したが暇だと答え、大勢いるスタッフがやってくれるのでやることがないという。
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今年1月にHISで大きな役員人事が行われた。澤田の息子の秀太が社長に就任し若返りをはかった。今旅行業界は若い世代が台頭している。旅先で住み込みで働いて収入を得ながら旅ができたり、空き家を改装した施設に格安で泊まれるサブスクのサービスなど新たな旅を提供するベンチャーが増えている。そんな中でも今話題の旅行ベンチャーがビルの一室に。ホットスプリングの社長の有川鴻哉は、以前はWEBデザイナーで女性向けメディアを制作していた。エンジニア3人が社員で、海外旅行の年間取扱高数十億円にのぼる旅行予約サイトのこころからを運営。LINEでの旅行相談が出来、航空券とホテルのセットプランが出てくるが、簡単なアンケートに答えれば旅行の相談がLINEのチャットでできる。中でも一番の売りは、十数人の専門スタッフが相談に回答し、旅の達人が対応してくれ、AIの知識と自身の経験を踏まえた回答が返してくれる。これが急成長の秘密。
有川は旅行業界に入った理由に旅行が好きという思いだけだったと答えた。誰よりも旅行者に詳しい旅行会社というポジションなら狙えると感じたという。そのために航空業、宿泊業からは門前払いをくらっていたと答え、その中で転機になったのはコロナ禍。コロナ禍がおわり、多くの旅行会社が動き始められないタイミングで、身軽だった自身の会社が素早く対応できたことが成功の鍵だったと答えた。澤田も立ち上げの頃は苦労したと答え、3億円の赤字が出たこともあったと答えた。また有川はLINEのサービスを使うのは年配の人が多く、LINEだけは使えるという人も多いと答えた。
有川の予約サイトのもう一つの売りはらくらくキャンセル。旅行当日の朝に寝坊して空港にいけない場合でも全額返金してくれるサービスがあるという。
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有川の予約サイトのもう一つの売りはらくらくキャンセル。全額返金の保険で、旅行当日の朝に寝坊して空港にいけない場合でも全額返金してくれるサービスがあるという。ソウル行きのあるプランだと、加入料は5315円。有川は旅行の当日キャンセルの理由は子どもが急に熱を出してしまうなどの保険でカバーできないような理由が多かったという。そこを確率と旅行販売の仕組みをあわせて保険という形で提供しているという。
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澤田はHISのサービスは今までは日本から世界へ旅行客を送っていたが日本は人口が増えないと答えた。
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澤田はHISのサービスは今までは日本から世界へ旅行客を送っていたが日本は人口が増えないと答えた。今後は海外の旅行客を全世界で受け入れると答えた。日本は人口減少が進み、今後旅行者の数が頭打ちになる可能性がある。そこで、HISは世界58の国と地域140拠点で外国人旅行客の受け入れを開始。近年では南米のボリビアやペルーの支店で新たな顧客開拓を行っている。ケニアのマサイマラ国立保護区では宿泊用のロッチを建設中。欧米の旅行客に狙いを定めていくという。
有川は若い男性の海外渡航率が下がっていると答えた。20年前と比べると20代の海外渡航者は減ってはいるが20代の割合が一番多い。しかし男女で比べると、男性が減少しているのに女性はほとんど減っていない。有川はその理由に女性のほうがアクティブで推し活などにも能動的だと答えた。また日本人のパスポートの取得率が低く、その手数料が下がる予定だが、やはり高いと感じると澤田は答えた。また澤田は旅行業界は今後続き、やり方次第ではまだまだ発展すると思うと答えた。有川は海外旅行は放置しておけば伸びなくなる可能性を感じていると答えた。
先行き不透明な時代に サバイバルに必要なことに有川はAIが便利なものを作る中で、誰でも同じようなサービスを提供する中で人間らしさや働き方を強調している会社が生き残っていくと答えた。澤田はAIの時代なのでそれを取り入れるのはいいが、ヒューマンコミュニケーションが大切だと感じていると答えた。
村上は今日の総括に澤田さんは取り締まり役として復帰した。なんとか初期の苦労話を聞きたいと思うのだが、笑顔を見せるだけで、言わない。「成功するまでやれば成功する」という話を繰り返すだけだ。不老不死の研究が実を結んだ、10歳若返ります、そういうことを言う。有川さんは、よく喋った。印象に残ったのは「人間の果たす役割がわからないサービスは消えていく」という言葉だ。ITを駆使して極めて少人数でやっているビジネスなので、「人間の」という一言が意外性があった。考えたら、HISも店頭でのやりとりを重要視している。とした。
カンブリア宮殿の番組宣伝。
