- 出演者
- 金原ひとみ ヒャダイン 三谷幸喜
番組は1000回目を迎えたとヒャダインと金原は答えた。また今回、その記念すべき回にふさわしいゲストと紹介。
この日都内のスタジオではある舞台の稽古が行われていた。作演出を手がけるのは、脚本家の三谷幸喜。手がけるジャンルは幅広く、伝統芸能の歌舞伎や文楽の作・演出にも挑戦。今年65歳になったが創作の意欲は衰えない。様々なヒット作品を世に送り出したその発想術に迫る。
ゲストに三谷幸喜が登場。三谷はこの番組には縁がないと思っていたという。また緊張もすると答えた。
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- 小池栄子
この夏、三谷の舞台作品が3作連続公演が行われている。その一つが1940年代後半のハリウッドで共産主義者を排除する赤狩りを描いた物語。三谷がかねてから温めていたテーマであり、新たな挑戦でもある。稽古で俳優のセリフを聞きながら台本を修正していく。赤狩りを今テーマにした理由には、その頃のハリウッドに興味があり、いろいろと調べたり当時の映画をみた中で、今の時代は言いたいことが言えない風潮にだんだんなっていているという。赤狩りという言論弾圧の時代のものを今描くのも一つのテーマとしてありかもしれないと思ったと答えた。舞台では演出もするが、本業はあくまで脚本家。シナリオを描くのが本業であり、演出家という意識があまりないという。本業ではないところで働いている姿をみられるのが恥ずかしいと答えた。また映画を撮影しても自分が映画監督という認識はあまりないと答え、脚本家が映画を撮影しているというイメージと語った。舞台が一番好きな理由には、出発点が舞台で自分のやりたいことを一番良い形で良いスタッフと俳優でイメージした通りにつくれているのは舞台だと答えた。
三谷幸喜について小池栄子は清水ミチコが出演していた舞台を観に行ったことがあり、三谷幸喜が楽屋にいて、清水が小池を紹介してくれたという。三谷はその時乗り気ではなさそうに、その後も音沙汰はなく、悔しい思いをしたので三谷に芝居を見てほしいという思いが強かったという。そんな思いが叶って2017年に「子供の事情」という三谷作品の舞台に立った小池。三谷の指示ははっきりしていたと答え、できないを先に言う人は好きではなく、稽古場や演技への姿勢や食いつき方で役者を見ながらセリフを足したりしていると答えた。更に三谷作品常連の大泉洋は三谷幸喜の舞台のショウ・マスト・ゴー・オンが好きだったという。そんな三谷作品の舞台に始めて立ったというのが2011年のベッジ・パードン。大泉は三谷の違う人へのダメ出しも台本に書き写していたと答えたが、三谷は合理的な人で、その人にあった面白さをわかっているという。
三谷は大泉洋を起用するとボケたりぼやいたりという面白さを求めているが、我慢する、ひたすら耐えるというような姿も面白いという。また大河ドラマ「真田丸」では周りにすごいキャラがいる状態の中で大泉洋が一番まともで常に我慢している役をやってもらったが、これができる俳優と感じたという。小池栄子については自分のキャスティングではないが、稽古場の休憩時間に小池栄子が駐車場で佇んでいたがシャモのようだったと答えそれがかっこよく素敵だと思ったと答え、その姿に北条政子をやってほしいと感じたという。それが大河のキャスティングに決まったという。三谷が4年前に手掛けた鎌倉殿の13人では小池栄子は北条政子役で出演。小池は今まで生きてきた中で一番のプレッシャーだったという。その中でもプレッシャーだったのが、北条政子が御家人たちを奮い立たせる演説のシーン。三谷幸喜の脚本はわずかなシーンでも、死に役ではなく生きる役として描いてくれるが、その役者がでていない回でも記憶が引っ張られているという。鎌倉殿で大泉は新境地を開いたという。大泉洋は三谷は役者にあった課題があり、その中で三谷が大河ドラマで自分に与えた課題がよくわかったと答えた。佐藤浩市が演じるキャラが大泉洋演じる役に逆に粛清されるシーンは話題をよんだ。大泉は本当にしびれたと答えた。
三谷は脚本について俳優を決めてから当て書きをするという。この人が何を言ったら面白いか、どんな顔をしてほしいかなどとそこから着想をするという。また三谷は小池栄子が死に役ではなく生きる役として脚本を描いてくれると話したことについて、小池栄子が演じてくれるのでやって思ってよかったと思う役を書かなければ失礼になると答えた。また脚本はラブレターのように、その俳優の好きを詰め込んで渡しているという。また三田には子どもの頃におもちゃの兵隊や小さいフィギュアが好きで自分で物語を創っていたという。それが原点で今もやっていることは変わっておらず、一流の俳優たちを動かし、自分の好きな世界を創っていると答えた。
三谷は出演するはずだった俳優が急遽でられなくなった場合には代役をしたことがあるという。三谷は新橋演舞場で時代劇をしていた時に、公演がもうすぐという時に女優が倒れてしまったという。もう中止といわざるを得ない状態だったが、大きな荷物を預けてまで見に来ているお客に今から帰ってくれとは言えないため娘役だったがやると答えたという。開演まであと2時間。稽古もできなければ、セリフも覚えられない。三谷は黒子スタイルで客に返金対応、面白くないと思えば帰ってくれて構わないと言ったうえで代役をした。また4年前に上演した舞台では出演者の体調不良やケガが相次いだ時には、芝居のテーマが始まったら最後まで芝居を突き通さなければいけないだったという。その中で三谷は代役となり4役を演じ、更に主役まででられなくなると、その主演も代役で演じたという。しかし撮影現場にはあまり顔を出さないという三谷。脚本家として参加しているとそこには別の演出家もいるために自分がいくと失礼になってしまうと答えた。
三谷幸喜は日本大学芸術学部在学中の1983年に劇団「東京サンシャイン・ボーイズ」を結成。最もチケットが取れない劇団と言われるまでに。そんな三谷にテレビドラマの進出のきっかけが訪れる。三谷とヒット作品でタッグを組んでいたフジテレビの石原隆さんは、最初にタッグを組んだのは「振り返れば奴がいる」。新しい脚本家を探さなければいけなくなり、それがクランクインまで1ヶ月を切っている状況だったという。その中で三谷に白羽の矢が立ったが、三谷は当時連続ドラマをやったことがなく、空いていたら脚本をお願いできないかと伝えにいったという。三谷から承諾をもらい、打ち合わせとなったが、喜劇作家だった三谷だが、ドラマ自体はシリアスで、三谷がイメージしているものと、プロデューササイドがイメージしているものが食い違っていたために、三谷は自分ではないかもしれないと語ったが、その夜に電話がかかってきて、三谷はこのドラマのシリアス度、どんくらいハードボイルドなイメージなのかと自分はどのくらいと言われての難しいと言ったら、ゴルゴ13なら難しいが、ブラック・ジャックくらいならなんとかできると伝えてきたという。石原さんはブラック・ジャックで結構ですと答えたという。このドラマは最高視聴率22.7%とヒット作に。
三谷は振り返れば奴がいるについて、まだ業界のことを知らずに、クランクイン1ヶ月前に話が来たことを普通のことだと思っていたという。その時はもうOP映像はあるとみせられ、主演の二人が浜辺で走っている様子にこれでなにか創ってほしいと言われたという。三谷は陸上の話がいいかと最初に発想を浮かべると、走っている人を描きたいわけではないと言われたと答えた。三谷は映像作品の原点には海外ドラマが大好きで、その世界に少し近づけた感じがあったという。海外ドラマの中でも特にお気に入りだというのは日本では1972年に放送された「刑事コロンボ」。それが「古畑任三郎」につながる。1994年に始まった古畑任三郎は田村正和演じる独特のキャラクターと毎回豪華な犯人役との駆け引きが人気を集めて国民的人気ドラマに。しかしこのドラマが生まれるには難題があった。田村正和が刑事役はやらないと答えたという。そこで三谷のとった行動が田村正和の心を動かした。
古畑任三郎の主演を田村正和にオファーしたが、田村正和は刑事役はしないと答えたという。そこで三谷が試しにシナリオを描くと言い出し、それを田村正和にわたり、田村正和本人と会って企画が成立したという。三谷は田村正和を起用しようと思ったきっかけには、刑事コロンボが大好きで、一緒に制作をした石原さんも好きだったという。しかし、当時もコロンボ風のドラマはやっていたが、形だけだったので自身はあの精神を受け継ぎたいと理屈でせめて犯人に音を上げさせるような作品をやりたいというところから古畑任三郎の企画が始まったという。三谷は小説を書くのは苦手で、企画書でストーリーを400字20枚で書くことはできず、シナリオで書いたと答えた。
古畑任三郎のヒット後に、ドラマの脚本家として引っ張りだこになった三谷。直面したのはテレビならではの制約。三谷は制約をも力に変えていった。三谷は初めてテレビドラマをやった時にあまりの制約の多さに驚いたというが、1時間のドラマだと正味45分で途中でCMが3回入るきまりがある。スポンサーの関係でできないことも多く、その中で自分はなんて楽をしていたのだろうと思ったという。そこで制約を一番いい形で利用しようと思い書くようになり、その方が向いていたと答えた。
金原は自身は制約がない方がいいと答えたが、その理由に枚数をオーバーしてしまい、こんなんじゃ書ききれないと思うという。短編では30枚でと言われるが、それでは絶対に守れないと答えた。ヒャダインは制約はあればあるほどいいと答えた。三谷は曲に関しては、作るのはとても難しいと答えた。また昔は思いつくままにセリフも描いていたが、だんだんセリフとは何と思うようになってからは書かないで済むなら絶対ない方がいいとセリフが短くなっている気がすると答えた。
劇作家・演出家の野田秀樹は三谷作品は花見の場所取りのうまさがあると例えたが、良い場所を見つける才能があると答えた。
