- 出演者
- 矢内雄一郎 片渕茜 平出真有 中原みなみ 中空麻奈 門田真一郎 藤原崇幸
一方、異次元緩和がもたらす副作用に対して、学者らは厳しい見方を示した。政府の財政規律が緩む要因となったかどうかについて、15%が「強くそう思う」と答え、49%が「そう思う」と回答した。「そう思わない」・「全くそう思わない」と答えた学者は合計8%にとどまった。経済てこ入れのため、政策金利をマイナスとしたり国債を大量に購入したりしたことで、政府の財政支出が膨らみ、将来世代の負担を拡大させてしまう副作用に厳しい目が向けられた形となる。
騰落別ランキングを紹介した。先週の下落銘柄の6位のディスコは、年明け一時15%超と急進したが、大半を打ち消す急落となった。5位のソシオネクストと10位のイビデンは、年末の水準をあっさりと割り込む下げとなった。1位のマネーフォワードについて、岩井コスモ証券の林さんは「決算発表で11月期も赤字が継続するとの見通しを発表し、上場後初の黒字転換の期待が強かったことで売りが殺到しました。発表翌日にはストップ安否例配分となり、翌日には昨年来安値を更新しました」などと話した。
先週の上昇銘柄の6位の東宝は、アニメ映像を中心に、映像・演劇とも好調で、第3四半期の決算は大幅な増益となった。1位の日野自動車について、林さんは「16日、北米向けエンジンの認証不正問題で、アメリカ当局と和解成立を発表し、購入側の集団訴訟も和解の見通しで、一連の事態終結との見方から急速に持ち直しました。制裁金の規模や業績への影響も想定線として、大幅高で昨年来高値を更新しました」などと話した。また、林さんは「今週はトランプ次期大統領の就任式、週末の日銀会合での追加利上げも意識して、神経質な値動きが想定されます。いずれの材料もこのところの日本株割負けにつながった印象もありますが、イベント通過をにらみ売られ過ぎ修正となる可能性もあります。銀行保険など金利上昇がプラスとなる高利回り株のほか、内外の景気堅調を支えとした一部製造業の見直しも期待しています」などと話した。
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SMBCグローバル・インベストメント&コンサルティングの藤原崇幸さんの解説。藤原さんは「企業型DCは企業型確定拠出年金、企業が掛け金を積み立て、従業員つまり加入者が運用する制度で。iDeCoは個人型確定拠出年金のことです。今後見直しが予定されており、昨年末に示された与党の税制改正大綱によると、1つ目は昨今の賃金上昇の状況を踏まえ、第3号を除き拠出金の金額を月額7000円引き上げます。2つ目は、企業年金があるかどうかに関わらず、公平となるよう穴埋め型の引き上げを行ないます。3つ目は、企業型DCはマッチング拠出という形で、加入者自身も掛金を拠出できるがこれまでは加入者の掛け金額は事業主掛金の額を超えることが出来ませんでしたが、この要件も廃止します。DC加入者の状況については、拠出できる限度額に比べると実際の掛け金額は少ないのが現状です。今回の見直しの中で注意すべき点は、退職所得課税の見直しになると考えます。税制改正大綱で示された内容は、今後の国会への法案提出の段階で修正もあると思うので、今後もしっかり見ていく必要はあります」などと話した。次回の1月27日の放送は、松井証券の海老澤界さんが、シャープレシオの見方と注意点について伝える。
日銀が追加利上げに踏み切るのかどうか、先週植田総裁と氷見野副総裁の発言が話題になった。長江さんは「前回の会合、去年12月の時と比べると発言のトーンが大きく変わったので驚いた市場関係者も多かったよう。去年12月、利上げを見送った理由は来年の春闘に関する情報がもう少し欲しいというものと、トランプ次期政権の経済政策をめぐる不確実性も大きいということだった。このハト派発言を受けて市場では次の利上げは3月か4月と見る動きが強まった。だが、このトーンが大きく変化したのが先週。市場関係者は円安が進んだことを理由に挙げる人もいたが、指摘が多かったのは日銀のコミュニケーション力。財務省の幹部も同じような認識を示していたのが印象的で、2025年も日銀のコミュニケーションディスクは要警戒。日銀の出上げ判断に最後まで影響を与えそうなのが、日本時間の明日未明に行われるトランプ氏の就任演説の内容。もう一つ注目したいのは、今後の利上げに関する考え方」などと話した。みずほ証券・山本雅文、ふくおかフィナンシャルグループ・佐々木融のドル円の予想値、東海東京証券・佐野一彦、岡三証券・長谷川直也の日本長期金利の予想値を紹介した。中空さんは「長江さんの解説どおりだと思うんですが、先週マーケットはほぼほぼ今回は利上げと織り込んだと思う。なのでよほどのことがない限り、利上げをせざるをえない状況だと思う。植田総裁はまだもってるなと。21日未明に襲名するトランプ大統領のあとに判断できる。なので、自由度はかなりもっているので、そういう意味ではもってるなと。あとは、長江さんの解説どおりだと思いました」と話した。
BNPパリバ証券・中空麻奈の経済視点は「目先のリスク<潤沢なマネーフロー」。中空さんは「私、クレジットやってたものでなんでもかんでもリスクと言っちゃう。目先はいっぱいリスクがあると思っている。何がマーケットを決めるかというとやっぱりマネーフロー。2024年も結構強かったマーケットになったのは潤沢なマネーフローがあるからだと思っている。金融市場の強みがマネーフローから来ているのでここに注目していきましょうと。たぶんM&A件数も増えると思いますし、いろんなものが堅調に推移すると思う。リスクがあってもあまり当たってなくて結局は強いというマーケットになるかと思う」などと述べた。バークレイズ証券・門田真一郎の経済視点は「CHF」。門田さんは「今週日銀が利上げをすると再びスイスと日本の金利が同じ水準になる。今までは日本の金利が非常に低いのでキャリートレードの円売りというのが言われていたがこれが円売りが止まるかどうかというのが焦点。すぐにそうはならないというのがスイスフランが金利がおさえられているのにも関わらず上昇を続けている。背景としては欧州経済の弱さや政治リスクへの懸念がある。スイス当局は何ができるかというと為替介入をするとか、政策金利をさらにマイナスにまで引き下げる。マーケットはマイナス金利を織り込んでいる。ただマイナス金利は副作用、為替介入も消極的ということで、当面まだフラン高は続きやすいとみている」などと述べた。