- 出演者
- 池谷亨 中垣正太郎 平出真有 古旗笑佳 吉崎達彦 柴田光浩 糸島孝俊 棚瀬順哉
NY株式の値動きを伝えた。
大和証券キャピタルマーケッツアメリカのシュナイダーさんはトランプ氏の影響力の変化について「大規模な関税による混乱がトランプ支持層に与える影響は気になる所。トランプ大統領は『関税による製造業の国内回帰や財政赤字の削減、関税収入による減税』を公約に選挙で大勝したので、政権にとって関税は大義ともいえる。ただ2日の相互関税発表直前まで議論が紛糾していたとされている。強硬策に踏み切る決め手となったのは前日に実施されたフロリダ州の下院補欠選挙。フロリダ州は共和党が強く、前任者2名は11月の選挙で30ポイント以上の大差で当選したが、今回の補欠選挙は関税政策などへの逆風が強く、事前予想は『接戦』だった。しかし結果は10ポイント以上の差をつけて共和党が2議席とも勝利となり、トランプ政策評価の試金石ともいえる選挙で勝利したことで強硬派を後押ししたようだ。しかし下院で共和党が過半数を占めるとはいえ僅差にとどまり政権幹部は危機感をつのらせているようだ。先日トランプ大統領はステファニク下院議員の国連大使指名を撤回。彼女は共和党若手のエースで承認は確実視されていたが、地盤が民主党優位のニューヨーク州。大使に就任し議員を辞職すれば補欠選挙で民主党候補が選出される可能性があり、これ以上共和党の議席数を減らせないとの危機感が透けて見える。週末は共和党重鎮のテッド・クルーズ上院議員らがこのままでは中間選挙で共和党が打撃を受けると政権を批判するなど風向きの変化も見られる。今後、減税法案を進めるためにもさらなる世論悪化は避けたいところ。」などと述べた。
為替・金利・商品の値動きを伝えた。
吉崎さんは「トランプ関税は、全ての国に最低10%の一律関税を課し、さらに貿易赤字が多い国・地域には赤字額を輸入額で割った比率の半分を税率に課します。そして、今後の税率は相手国との交渉に応じて柔軟に変更するというものです。つまり、最低でも10%はかかるというものです。石破政権には首脳会談を求める声が強いですが、相互関税を防ぐにはお土産を用意しないといけないんですよね。それに、交渉したところで日本は関税が10%になるだけですからね。また、カナダはもうすぐ総選挙で政治空白に突入しますし、EUは実際強いところが言えませんからね。日本は情けない話ですが、結局様子見した方がいいのかもしれません」などと話した。
糸島さんは示したグラフについて「日本株のなかの日経平均はエレクトロニクスや半導体装置といったウエイトが高い指数でナスダックと波動がほぼ同じ。去年7月くらいまではほぼ同じような動きをしていたが8月にかけて大きく下げた。これはさらに為替が円高になったことによって日経平均がさらに増えた。ナスダックは高値を更新し今年2月後半まで高値圏だった。そのあと暴落したが、そのあと為替がなかなか円安にならず上値が思い。なので日経平均はナスダックに比べ同じ動きをしていたのに為替の影響で動いていない。」などと解説した。棚瀬さんは「10年債利回りと為替の影響はなかなか難しく、過去の動きを見ると日本の10年債利回りとドル円は正の相関だが今年に入ってからは違っていて、日本の動きで日米金利差が動いているのでドル円度の相関はなくなっている状況。」などと述べた。
きょうのゲストは大和証券・柴田光浩さん。今回のテーマは「攻めと守りのバーベル戦略」。柴田さんは「このところトランプ政権の関税が景気の先行きの不透明感を強めており、株式市場 ボラティリティが大きくなっている。こうした環境下ではポートフォリオのバランスが大切で、投資のセンチメント悪化で下落したような銘柄の戻りを狙う攻めの銘柄と安定感のある比較的ディフェンシブな銘柄の両側を併せ持つことでバンスを取る”バーベル戦略”が良いと思う」などと話した。銘柄を「攻め」と「守り」で分け、「攻めの方ではITソフトウェアと金融をあげる。中長期でのITソフトウェアの成長性は引き続き高いと思うので下落局面では押し目買いが有効。金融は足元は景気懸念で下がっているが、今後は利下げや減税の話が出てくれば過度な景気懸念の揺り戻しがあると思う。守りの方では食品のようなディフェンシブセクターで株主還元などにも目配せしつつ銘柄を選べば良いと思う」と話した。
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「攻め」と「守り」の銘柄を1つずつ紹介する。「攻め」では動画配信プラットフォーム大手の「ネットフリックス」を挙げ、「190を超える国・地域で展開しており、日本でも会員数が昨年1,000万世帯を超え普及が進んでいる。彼らのすごいところは世界で3億人の会員を抱えているにも関わらずいまだに会員数が増えていること。増えている理由は大きく2つ。1つはアカウントの共有を厳しく取り締まったこと。従来から彼らのサービスは”同一世帯での利用”が前提だったが、複数端末で同時視聴も可能だったため、友達同士でアカウントをシェアしているケースもあった。これに対しIPアドレスなどの利用環境を解析し取締を強化したことで会員数が増える要因となった。もう1つはコンテンツの拡充う。元々はインターネットで申し込む宅配DVDレンタルから始まった会社なので、彼らのコンテンツはドラマ・映画が多かった。最近はスポーツなどのライブ配信も始めており、これによって従来の動画に興味がなかった人たちにも普及できるようになった。コンテンツを作ったり獲得したりするコストは会員数と連動しない。そのため会員数が増えるのは利益面で大きなメリットとなる。直近はアメリカでも値上げを発表しており、これもコストは変わらない一方で収入を押し上げる要素となる」などと話した。リスクについては「値上げにより解約が増える可能性がある。さらに次の決算から会員数や顧客単価の詳細な開示がなくなる予定もあるため、決算に対する評価が定まりにくくなる可能性もある。ただ、WWE(アメリカンプロレス)の配信による効果が出てくると思うし、値上げについては割安感のある広告付きプランというのを用意しているので、会員数増加で増益を期待したい」と話した。ネットフリックスの株価を確認した。
「守り」の銘柄として世界で200以上の国と地域で事業を展開、カードの利用学で世界有数のシェアを誇る「VISA」を挙げ、「安定感がありつつ拡大も期待できるのがポイント。カード決済は幅広い支出に対応しているため、特定の商品・サービスの好不況に左右されにくいという安定感がある。景気が不透明な場合でも中高所得者の消費は底堅く推移する可能性が高いし、キャッシュレス化が進むことによる成長もあるため、業績が崩れるリスクが少ないと考える。アメリカの取り扱い高は7-9月から10-12月にかけ伸びが加速しており、1月の速報値は10-12月よりも良好だった。さらに3月半ばに開催された説明会では2月も前年がうるう年だった反動を調整すると『伸び率は安定している』とコメントされている。関税などによる不透明感から消費の減速に対する懸念はあるが、いまのところカードの利用状況に大きな変調はないとみている」などと話した。一方、リスクについては「関税の直接的な影響は小さいと思うが、消費の減速につながった場合にはリスクとなる。ただし失業率が大きく増えない限りは個人消費は底堅いと思っている。また、もう1つのリスクをあげるなら為替。ドル高は業績に逆風になるため、ドル高が進むと伸び率を抑える格好となる。ただ、この点については現実化ベースでしっかり業績をみて伸びていれば大きな問題はない」などと話した。「VISA」の株価を確認した。このあと7時8分頃から有料配信サービス「モーサテプレミアム」では「攻めと守りのバーベル戦略」を柴田さんに更に詳しく解説いただく。
トランプ大統領は7日、各国への相互関税を予定通り発動する考えを強調。中国に対し50%の追加関税を課す考えを示唆した。トランプ大統領は中国が表明したアメリカへの34%の報復関税を8日までに撤回しなければ9日から50%の追加関税を課すと警告した。また、報復関税を撤回しない場合は「中国との協議は全て打ち切る」と強硬な姿勢を示していて、両国の貿易戦争は激しくなりそう。アメリカが各国に課すとした相互関税をめぐって発動が90日間停止するとの報道が出たがトランプ大統領は「考えていない」と否定した。一方、24%の追加関税とされた日本は石破総理が7日、トランプ大統領と25分間の電話会談。「双方の利益になる幅広い協力のあり方を追求すべき」と関税の見直しを求めた。アメリカは先程、日本との貿易交渉の担当にベッセント財務長官を指名。
トランプ大統領は7日、日本製鉄によるアメリカ・USスチールの買収計画についてCFIUS(対米外国投資委員会)に再審査を指示。これまで停滞していた買収計画が進展する可能性がある。USスチール買収をめぐっては安全保障上のリスクがあるとしてバイデン前政権が禁止命令を出していた。
メジャーリーグで去年のワールドシリーズを制し、大谷翔平選手らが所属するロサンゼルス・ドジャースが7日、トランプ大統領を表敬訪問。トランプ大統領は大谷選手のもとへ歩み寄り握手をかわし「まるで映画スターのようだ将来は有望だ」と述べ、大谷選手が去年メジャーリーグ史上初の50本塁打・50盗塁を達成した功績をたたえた。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、トランプ政権の関税政策はインフレ・景気減速を招くと警告した。ダイモン氏は、7日に公表した株主への手紙の中で「輸入品だけでなく国内価格にもインフレが起きる可能性が高い。経済の成長を鈍化させる」と断言し、西側諸国との経済分断がアメリカを弱体化させると指摘し、「アメリカ第一主義は結構だが孤立してはならない」と強調した。
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きょうのポイント、テーマは関税。吉崎さんは「トランプさんの発言に一喜一憂する時期がしばらく続くと思う。周りの反応も変わると思う。トランプさんは間違いは認めないが過去に倒産して這い上がってきた人、何かあるんだと思う。上手な変更があると思う」などと述べた。棚瀬さんは「為替への影響の観点からは関税がネガティブかポジティブなのかがキー。マーケット目線も定まっていないようで当初はドル全面安だったがリスクオフでドル買い。JPモルガンでは中長期的には関税はネガティブな要因だと思っていて、要因としては2つ、1つはインフレ。2つめは欧州投資家が米株のロングポジションを相当持っていると思うのでこれの巻き戻しが加速するとドル売り、欧州通貨買いとなってドルの弱さにつながっていく展開を予想している」などと述べた。糸島さんは「週末がアメリカのSQ、関税がどうなるかというところでもう一回、2万9000円ぐらいがあるかもしれない。本当のクライマックスはまだPBR1倍までこないといけない。2万7000円程度があるかもと考えると買いにくい。たくさんポジションを持っている人は上がったところはコントロールして株のウェイトは下げるべき」などと述べた。