- 出演者
- 森田洋平 ジェフ・バーグランド
オープニング映像。
今回のテーマは「受け継がれる美 琳派の世界」。本日のゲストはジェフ・バーグランドさん。ひもときポイントは、琳派の源流・暮らしの道具への広がり・現代に受け継がれる琳派の美。中継では俵屋宗達が描いたと伝わる数々の絵が残されている養源院から杉戸絵などを紹介する。
俵屋宗達は琳派の始祖の一人。商人などを相手に扇などに絵を描く仕事をしていたと伝わる。「風神雷神図屏風」が傑作と言われる所以は風神と雷神の間に広がる金地の空間にある。支持を得た宗達だが当時の画壇で大きな地位を占めていたのは狩野派だった。宗達は琳派独自の表現の一つ、たらしこみという技法を生み出した。宗達の意匠を継いだのは尾形光琳。
琳派は直接に教えを受けずその人の言動・作品などを模範として学ぶ私淑となる。琳派独自の表現は、金地で表す空間と広がりや大胆な構図とデザイン。
- キーワード
- 上杉本 洛中洛外図屏風狩野永徳琳派
尾形光琳「燕子花図屏風」はシンプルなモチーフを大胆な構成で配置している作品。リズミカルな画面構成を強調するような画面構成を狙っているとのこと。型染めの技法を応用し描いたとされる。
京都・東山区「養源院」から中継。再建時に当時無名だった俵屋宗達が絵を描いて寺に納めたと伝わる。絵師は狩野派の絵師だったが、二条城の障壁画の製作と重なっていたため本阿弥光悦に相談し宗達が紹介された。「唐獅子図」は琳派らしい贅沢に金箔を使った作品。「白象図」は扉を開けるとお客様を出迎えたり見送る構図となっている。宗達は自害した兵士たちを弔うために絵を描いた。松の間には徳川の歴代将軍の位牌が安置されている。「金地著色松図」は襖に松の絵が描かれており重要文化財となっている。
琳派の作風は絵画にとどまらず工芸の世界にも広がった。京焼きに大きな影響を与えたのは尾形乾山。陶芸家・森さんは尾形乾山の写しを得意としている。写しは先人に敬意を込めて発想や思考などの作風を意識的に取り入れること。陶器に絵画のような装飾を施す琳派の作風は後の京焼きに大きな影響を与えた。
尾形乾山の作品の魅力について、渡辺章雄さんさんは「柔らかさや優しさ、独特の雰囲気を持っている」などと話した。
京都で日本画を学んだ渡辺章雄さんは琳派の意匠を取り入れた作品を数多く描いてきた。主なモチーフは花鳥風月。圓光寺にある渡辺さんの「四季草花図」は春夏秋冬を表現し誰もが魅入ってしまう作品となっている。
琳派の世界は尾形光琳「燕子花図屏風」、酒井抱一「八ツ橋図屏風」、神坂雪佳「杜若図屏風」と受け継がれている。渡辺章雄さんは尾形光琳の持つ現代的な感覚、デザイン性の鋭さが魅力などと話した。
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