2025年8月22日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025

出演者
藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れ、出演者が挨拶をした。

ニュースラインナップ

議論が活発化しているウクライナの「安全の保証」。イタリアのメローニ首相が提案したNATO加盟に代わる新たな集団的な支援の枠組が検討されていると、アメリカのメディアが伝えている。

(ニュース)
“再攻撃24時間以内に軍事支援判断”検討

ウクライナの停戦後の安全の保証をめぐって、アメリカのトランプ大統領はヨーロッパ各国が地上部隊を派遣しアメリカは航空面などで支援する枠組になる可能性を示すなど、議論が活発化している。こうした中、アメリカのブルームバーグは「ウクライナが再びロシアの攻撃を受けた場合、同盟国が24時間以内に軍事支援を行うかどうか判断するという形式をヨーロッパの首脳らが選択肢の1つとして検討している」と伝えた。これはイタリアのメローニ首相の提案によるもので「ウクライナのNATO加盟を認めず、集団的な支援の枠組みを提供する」としている。安全の保証をめぐり、ウクライナのゼレンスキー大統領は詳細は10日以内に決まるという見通しを示している。一方欧米の議論が活発化していることを受けて、ロシアのラブロフ外相はロシアの立場を尊重するようけん制。ロシア軍はウクライナ各地に連日激しい攻撃を行っていて、ウクライナ空軍は「ミサイル40発と無人機574機が使われた」と発表した。西部リビウの地元当局者は「1人が死亡した他、住宅など約30棟が被害を受けた」としている。

チベット自治区式典 習主席が出席

中国の習近平国家主席が、チベット自治区の成立から60年の式典に姿を見せた。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が、後継者選びをめぐって「外部の介入を認めない」としているのに対して、中国政府は「政府の承認が必要だ」と強調している。式典は「チベット自治区の経済と社会が過去60年で大きく発展した」として、共産党の統治の成果が強調されていた。会場には「共産党の統治戦略を全面的に貫く」という看板も。共産党の最高指導部メンバーが、ダライ・ラマ14世や中国を非難する欧米諸国を念頭にけん制する場面もあった。一方北京郊外で中国政府が外国メディアに公開したのは、来月3日の「抗日戦争勝利80年」にあわせて予定されている軍事パレードの訓練。パレードにはロシアのプーチン大統領をはじめ、複数の国の首脳も参加するとみられていて、中国としては戦勝国としての立場を誇示するとともに、共産党の正当性を強調する狙いがあるとみられている。

「持ち家」から「賃貸」へ

中国・上海では週末広場で代理の婚活が行われている。チラシでよく見られるのは結婚用住宅ありと持ち家の記述。中国では新郎が結婚後の新居を購入することが習慣になっていた。こうした伝統がかわりつつある。大都市では賃貸を選択する人も珍しくない。空間デザイナー楊さんと夫の黄さんは賃貸住宅3LDK9万円に住んでいる。不動産価格の上昇が続くという前提が崩れ、購入するメリットがないと賃貸に住んでいる。生活スタイルを維持でき、楊さんは「自由な暮らしも優先したい」と話す。中国の中央銀行による調査でも都市部の預金者を対象に住宅の購入予定者の割合は減少。賃貸市場は拡大し、去年までの10年で3倍になった。投資会社は新たなビジネスに乗り出した。商業施設は改造され賃貸専用集合住宅になった。投資会社・呉さんは吹き抜け、ジム・共用スペース、24時間対応受付をつくった。投資会社は商業施設を集合住宅に改造する取り組みを拡大させる計画だ。

中国 「持ち家」から「賃貸」へ

中国の住宅の変化の、賃貸市場拡大について中国政府は前向きに見ているようだ。不動産不況から指導部の方針は追い風になっている。中国は来月借り手の保護を打ち出した賃貸に関する新たな条例を施行する予定。中国では消費でも変化がある。爆買いから節約志向になっている。長引く不動産不況がどういった形で経済や社会に表面化するのか引き続き注目される。

WOW!The World
キューバ “世界一美しいカタツムリ”を守れ

キューバの森に住み、世界一美しいカタツムリを言われる「コダママイマイ」。色鮮やかな殻を目当てにしたネット上などでの取引が絶えず、いま問題になっている。野生から消えてしまう前に、キューバとイギリスの研究者たちが共同で遺伝情報の解読を進めていて、今後の保護活動と繁殖などにつなげたいとしている。

オランダ 大型帆船が大集合

オランダの首都アムステルダムに、数百隻の帆船が集結した。5年に1度のイベント「セール・アムステルダム」。今年は船の交易で発展したアムステルダム市が誕生して750年になるということでかつてなく大規模に開催され、5日間の会期中に200万人が訪れるとみられている。

「おむつダービー」で初の歩み

バスケットボールアメリカ女子プロリーグのハーフタイムに行われた、「おむつダービー」。スタートラインにはパパたち、ゴールにはおもちゃを持ったママたちが待っている。トップの赤ちゃんがレース中に突然立ち上がり、歩き出した。なんと初めてのあんよだった。

(ニュース)
ガザ市制圧の方針 予備役約6万人に招集命令

イスラエル軍は20日イスラム組織ハマスの拠点であるガザ市への攻撃を強めると述べたうえで、制圧に向けすでにガザ市の郊外に部隊を展開していると明らかにした。イスラエルのメディアはカッツ国防相がガザ市の制圧に向けて住民退避に関する計画を承認したとつたえている。ガザ地区の保健当局は過去24時間に58人死亡、これまでの死者6万2122人になったと発表していて、犠牲者のさらなる増加が懸念される。一方イスラエル当局はエルサレム東側にあるヨルダン川西岸地域に約3400戸の住宅建設する大規模計画を承認。地元メディアはこの地域に入植地が建設されれば都市圏は南北に分断されるという。パレスチナを巡ってはフランス、イギリスなど国家として承認する方針を相次いで表明、イスラエル・スモトリッチ財務相はパレスチナ国家の構想を消滅させると入植地の計画を推し進めることで対抗姿勢を鮮明にしている。日本を訪れている国連・グテーレス総長は「ヨルダン川西岸を分断する違法な入植地の建設拡大は撤回させなければならない」と述べた。アルジャジーラはハマス軍事部門がイスラエル軍に攻撃したと発表した。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
父と娘 被爆80年の手帳申請

被爆者は2024年度9万9130人。原爆投下から80年。

“被爆の記憶をつなぐ” 80年目の手帳申請

ブラジル・サンパウロの介護施設で暮らす山合敏順(85歳)と娘・玉城レイラを紹介。山合は3年前に認知症と診断され、認知症悪化のなか「アメリカ人は嫌い」「もう日本には帰らない」「広島に原爆を投下したからアメリカ人は日本人を苦しませた」と言うようになった。1945年8月6日、広島に原爆が投下された。山合は爆心地から3kmの場所にあった自宅で被爆した。外出中だった父と兄は死亡、翌年には妹も亡くなった。被爆から11年後、中学を卒業後に母を日本に残して16歳でブラジルへ。当時、国は海外への移住政策をすすめており、多くの人々が南米などに移住していた。

山合は28歳の時、お見合いで出会った日本人女性と結婚しバラ農園を営みながら娘・レイラを育てた。被爆者への偏見や察別をおそれて、被爆体験は語らなかった。レイラは「母からも、あまり人には言わないほうがいいと言われた」と話す。山合は被爆者健康手帳を申請しないまま異国の地で生きてきた。山合は去年、100歳で死亡した被爆者・森田隆と施設で同室となった。森田は広島で被爆しブラジルに移住後に被爆者支援団体を立ち上げ、現地の学生やメディアに向けて被爆証言を続けていた。この出会いをきっかけに山合は被爆体験を話すようになり、レイラは広島市に被爆者健康手帳を申請することを決意した。

しかし、80年目の手帳申請は容易ではなかった。申請には被爆当時の状況を記載した申請書とその事実を確認できる書類が必要だが山合の手元に書類はなかったため「被爆者支援団体事務所」(サンパウロ)へ。レイラは森田が集めていた被爆者の資料を調べ、山合の家族写真や兄妹の被爆者健康手帳の写しなどを集めて申請した。8月4日、山合は日本総領事館で清水総領事から被爆者健康手帳を受け取った。

80年被爆体験を背負ってきたブラジル・サンパウロの山合敏順さん。80年という時間は記憶を遠のかせる。被爆の事実を記録する手帳は一層重みを増している。

Human@globe
バシー海峡 慰霊祭への思い

台湾は日本と外交関係がないため、鍾佐栄さんのようなボランティアが犠牲者の霊を慰めていた。

バシー海峡の慰霊祭には日本の遺族など150人余が参列。潮音寺は戦時中日本と南方を結ぶ輸送ルートだった。旧日本軍の艦船はアメリカ軍の攻撃で10万人以上亡くなった。潮音寺管理委員会委員長・鍾佐栄さん74歳の紹介。潮音寺を立てた中嶋秀次さんは元日本兵。終戦の前年輸送船が沈没、12日間漂流の末奇跡的に生還した。土産物店を営む鍾さんは1976年中嶋さんに出会い、慰霊の場所探しを手伝った。1981年中嶋さんは私財を投じ潮音寺を建立。鍾さんは夫の呉さんとともに寺の管理を支援した。2013年中嶋さんは92歳で死去。その後、鍾さんは寺を引き継ぎ、台風などの被害は自費で修復してきた。鍾さんの夫・呉さん85歳は今年3月死去。鹿児島から初めて参列した遺族・吉岡初枝さん80歳は弔事で父への思いを述べた。父をバシー海峡で亡くした吉田宗利住職は「感無量。なんとも言えない気持ち」と話した。バシー海峡ではいま台湾の統一を目指す中国が空母や艦船を度々航行させている。海域の平和と安定をどう維持するか国際社会の関心が高まっている。鍾さんは息子に寺を託すつもりだ。

台湾沖で亡くなった戦没者の慰霊祭。戦没者を悼む寺は日本の遺族にとって救いの場にもなっている。個人の力では限界があるため公的支援をしてほしいという。ボランティアに頼らず、戦没者慰霊を行う方策が課題。来年は11月15日に開催予定。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
石破首相 アフリカ各国の首脳など29人と個別会談

TICAD(アフリカ開発会議)2日目(横浜)。石破首相はアフリカ各国の首脳など29人と個別会談を行った。中央アフリカのトゥアデラ大統領との会談で石破首相は「日本は国の平和と安定のために力を尽くしたい」と発言、トゥアデラ大統領は日本の難民支援や食料支援などに謝意を示した。両首脳は、様々な分野で協力を進めていくことを確認した。石破首相は、あすまでの期間中、各国の首脳などと会談をかさねて、それぞれ関係強化を図りたい考え。

“新たな核施設 建設” “ミサイル基地 確認”

IAEA(国際原子力機関)の最新報告書によると「北朝鮮北西部の寧辺で去年12月から2階建ての新たな建物の建設が行われており、関連するインフラ施設の工事が続いている」「この建物が新しいウランの濃縮施設だとみられる」。アメリカのシンクタンクは「北朝鮮平安北道テグァン郡に、北朝鮮が公開していないミサイル基地を新たに確認した」と発表。初期の分析として、いずれも射程1万キロ超で核弾頭を搭載できるとされる「火星15型」や新型で迅速に発射できるとされる固定燃料式の「火星18型」などあわせて6~9基を保管されている可能性がある。。

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