2024年11月23日放送 17:15 - 18:35 TBS

報道特集
「年収の壁」引き上げへ…当事者の思い△女川原発再稼働…父娘半世紀の闘い

出演者
村瀬健介 日下部正樹 山本恵里伽 高柳光希 関まどか 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

特集は

最初の特集は年収の壁、女性たちの葛藤、その後女川原発の父娘半世紀の闘い

キーワード
女川原子力発電所
(ニュース)
「佐渡島の金山」追悼式 韓国政府が不参加表明

今年世界遺産に登録された佐渡の金山を巡り、韓国政府は当初朝鮮半島出身者が戦時中に強制労働させられた場所だとして反発。日本が毎年金山の労働者のための追悼式をすることを約束し世界遺産登録に同意した。明日が登録後初の追悼式となるが、韓国外務省が式を巡る外交当局間の意見調整が十分ではないとして不参加を表明。韓国メディアは日本政府代表に靖国神社に参拝した生稲晃子外務政務官の出席が理由との見方を伝えられている。

キーワード
ニューデリー(インド)世界遺産佐渡島佐渡市(新潟)外務省生稲晃子金山靖国神社韓国
拉致問題解決に向け石破総理が決意

拉致被害者家族会、横田代表は北朝鮮の工作、謀略にのることなく毅然とした外交を貫いていただきたいと述べた。石破総理は北朝鮮とどのように向き合うかを考え、実現に向けて努力をすると述べた。さらに拉致問題は単なる誘拐事件ではない、日本の国家主権の侵害以外の何者でもないとし、金正恩総書記と正面から向き合うと述べた。

キーワード
キム・ジョンウン北朝鮮北朝鮮による拉致被害者家族連絡会東京都横田拓也石破茂
アメリカ 財務長官に投資家ベッセント氏指名へ

米国・トランプ次期大統領は22日、新政権の経済政策の指令塔となる財務長官にスコット・ベッセント氏を指名すると発表した。ベッセント氏は投資ファンドの経営者で今回の大統領選ではトランプ次期大統領の経済政策のアドバイザー役を務めたといわれている。財務長官選びを巡ってはイーロン・マスク氏が商務長官に指名された投資銀行CEO・ラトニック氏を推すと公言するなどして、激しいポスト争いとなっていた。

キーワード
イーロン・マスクスコット・ベッセントドナルド・ジョン・トランプノースカロライナ州(アメリカ)ハワード・ラトニック
“領空侵犯”頻発 空自「緊迫した空を守る訓練」

今年8月、長崎県沖で中国軍機による領空侵犯が初めて確認されたが、空の守りを担う航空自衛隊では緊急時に備えた厳しい訓練が日々実施されている。西日本の空を守る福岡・築上町の「航空自衛隊 築城基地」。荻田祥3等空尉は去年10月に初めて戦闘機の実戦部隊の一員となった。萩田3等空尉は先輩隊員と共に領空に接近する国籍不明機に警告を出す訓練に臨んだ。先輩が乗る1番機の通信機器にトラブルが起きたと想定して、2番機の荻田3等空尉が警告を行う。機体信号と呼ばれる翼を振る動作で指示に従うよう意思表示した上で再度警告。訓練後のミーティングでは国籍不明機に対する意思表示の大切さを指摘された。防衛省によると、昨年度の航空自衛隊によるスクランブル発進は669回。今年8月には長崎県沖で中国軍機による領空侵犯が初めて確認され、西日本の空を守る築城基地は緊張を強いられている。防衛の最前線の築城基地で訓練だけでなく、実際にスクランブル発進もしている荻田3等空尉。今日も国際情勢を注視しつつ、どのような任務にも対応できるよう備えている。

キーワード
築上町(福岡)航空自衛隊航空自衛隊築城基地防衛省
侍ジャパン 完全優勝へこのあと台湾戦

世界野球プレミア12、開幕から負けなしの7連勝を決めた侍ジャパンは全勝での大会連覇達成へ、このあと台湾と激突する。ベネズエラとのスーパーラウンド第2戦。6回、満塁のチャンスで牧秀悟がホームランを放った。試合結果は日本9-6ベネズエラ。きょう行われたベネズエラvsアメリカ。アメリカが乱打戦を制し、5-6でベネズエラに勝利。この結果、日本の決勝進出が決まった。侍ジャパンの今夜の相手は台湾。

キーワード
WBSCプレミア12 2024侍ジャパン東京ドーム牧秀悟
栃木・ソフトボールで「1万本ノック」に挑戦

きょう栃木・栃木市で約350人が1万本ノックに挑戦するイベントが開かれた。イベントにはソフトボール元日本代表監督・宇津木妙子さんも参加。お笑いコンビ・U字工事に厳しいノックを浴びせた。会場では栃木県警の警察官が来場者にチラシを配り、闇バイトに関連する犯罪への注意を呼びかけた。

キーワード
U字工事宇津木妙子栃木市(栃木)栃木県警察
(気象情報)
気象情報

全国の気象情報を伝えた。

(特集)
年収の壁 働く女性たちの思い

働き控えを招く「年収の壁」。専業主婦の世帯が多数を占めていた時代にできた制度に長年悩まされてきたのが女性たち。中にはこの制度に対し20年以上前から、時代に合わせて変えるべきと声を上げてきた女性もいる。彼女たちの葛藤を取材。大学生と高校生の子供を持つ女性は、13年前から保育園で働き始め3年前に保育士資格を取得。時給も上がったが、いわゆる「年収の壁」に到達しないよう、働くことを控えざるをえなかった。そもそも人手不足が深刻な保育業界では年収の壁が大きく雇用に影響するという。社会福祉法人「風の森」統括・野上美希さんは「全体としても非正規の方が3割ぐらいいるような業界。壁があることで働き控えをしてしまう保育士さんが多い現状は、非常に難しいと感じている」と述べた。

キーワード
Picoナーサリ玉川上水公園風の森

「年収の壁」を巡っては衆議院選挙で、国民民主党・玉木雄一郎代表は「雇っている側も困っているし、働く側はもっと働ける、稼げるのにそれを妨げている“103万の壁”」とうったえた。少数与党の石破内閣は、壁の解消を強く訴えてきた国民民主党の求めに応じ、きのう「年収103万円の壁」を引き上げることなどを盛り込んだ総合経済対策を閣議決定。石破総理は「賃金、所得を増やしていくよう、全力を尽くしていく」と述べた。だがこの長きにわたって崩れなかった年収の壁は、夫は外で働き、妻は家事とパートという昭和の働き方に起因するとも言われてきた。令和となった今も壁の高さを感じ働く女性たちの思いとは。

キーワード
国民民主党玉木雄一郎福岡市(福岡)
年収の壁 働き控えの女性は

年収の壁に直面し働き控えをする女性がいる。不動産会社でパート職員として勤務する女性は、週3日、年収が103万円以内に収まるよう働いている。1児の母でもある女性は、午後5時には退勤し、4歳の娘を迎えに幼稚園へ向かう。夫と3人で暮らす女性は子供が2歳のときに再び働き始めた。ストレスを減らそうと働き始めたが働いたことで貯蓄もできるようになった。学費など子供の将来を考えると、もっとお金をためたい気持ちもある。しかし立ちはだかっているのが年収の壁。年収が100万円を超えると住民税を、103万円を超えると所得税を納めることになり、更に106万円または130万円に達すると社会保険料の負担が生じる。年収を100万円以下におさめれば住民税、所得税、社会保険料を負担する必要はない。これが女性の働く意欲を抑制させる要因になってきたという指摘がある。1円も引かれたくないという女性は、将来的にはキャリアアップをしたい気持ちもあるが、簡単には踏み出すことができない。

雇う側にもしわ寄せ 年収の壁

年収の壁は労働者だけではなく雇う側にもしわ寄せが及んでいる。近畿や首都圏で300店舗以上展開するスーパーマーケットチェーン・ライフ。東京・世田谷区にある桜新町店は、従業員270人のうち150人がパートタイマー。年末が近づくこの時期、働き控えが増える。シフトの調整がより大変になる。ライフでは能力に応じて時給を5円単位で上げているので、出勤を控える人は自ずと増えていく。パートを始めて5年半になる40代の女性は、年収の壁には常にジレンマを感じているという。夫と子供2人の4人家族。家事をしながら働くのにはパートの方が都合がいい。だが年収の壁を超えると途端に税金や保険料の負担が生じてくるため、毎年働き控えしているのが現状。全国のスーパーで働くパートタイマーのアンケート。配偶者がいる人の約6割が年収の壁を意識して就業調整していると回答。そのうちの8割が100万円、または103万円の壁を意識している。更に7割以上が年収の壁が解消されたら今より働く意欲があると回答。

キーワード
ライフライフ桜新町店日本スーパーマーケット協会
年収の壁 変えられない政治

80年代までは、専業主婦の世帯が共働き世帯を大きく上回っていた。その後、女性の社会進出が進み共働きが主流になった。こうした社会の変化を受け年収の壁について歴代の総理も見直しに言及。しかし、壁は崩れなかった。中でも批判があったのは、130万円の壁となっている社会保険料の支払い。共働きやシングルマザーは自己負担にもかかわらず、サラリーマン世帯の専業主婦の保険料は社会全体で負担している点が問題だと指摘されていた。民主党政権で厚労大臣を務めた小宮山洋子氏は「共働きの人もシングルの人もみんなでサラリーマンの妻の保険料を払っている。どう考えてもおかしい」と語った。この制度を巡っては、2000年代初頭、厚労省の有識者会議で女性の就業を抑制、制度が邪魔をして就業や賃金における男女格差が固定などと繰り返し批判され、見直しが提言されてきた。2009年に政権交代した民主党は、マニフェストに新しい年金制度を作ることを盛り込んでいた。その後大臣に就任した小宮山氏は制度の見直しに取り組んだが、民主党政権が短命に終わり、年金改革の機会は訪れなかった。

キーワード
民主党
働き控えをなくす新たな制度

こうした政治的経緯を踏まえ、去年10月、政府は暫定的な措置として年収の壁支援強化パッケージを導入。年収106万円の壁については、新たに発生する社会保険料の負担を和らげるため、1人最大50万円の手当てを支給。130万円の壁については、最大2年間扶養にとどまれることとした。しかしいずれも期間限定で、利用が思うように進んでいないのが現状。今年から支援強化パッケージを導入したスーパー・ライフで、4月から利用を始めたというパートの女性は、以前は1日4時間、週4日の勤務だったが、支援強化パッケージを利用したことで夫の扶養からは外れたが、社会保険料に相当する手当が会社から支給されることになったため、今は壁を気にせず働けるようになった。それでも支援パッケージを利用できるのはライフの場合、1年間。ライフでは、対象となるパート職員約1万人のうち支援パッケージを利用しているのは800人。社会保険料の負担が生じる130万円の壁の議論はこれから。ライフ桜新町店・杉秀彦副店長は「壁を意識しなくていい制度を作ってもらいたい」と語った。

キーワード
ライフ桜新町店世田谷区(東京)
年収の壁 20年前に訴えた女性

20年以上前に、厚生労働省の有識者会議で年収の壁の問題点を訴えた神奈川・横浜市で子育て支援のNPO「びーのびーの」を運営する原美紀事務局長は、結婚出産を機に勤めていた企業を退職し、2000年にこのNPOを立ち上げた。当初は夫の会社からの手当てがなくなるという理由で、年収の壁を意識して働いていたという。NPOの職員や施設を利用する女性たちも同じような葛藤を抱えていたと話す。NPOを立ち上げた翌年の2001年、原事務局長は、厚労省の有識者会議に出席し、年収の壁は実態と合っていないと制度の改善を訴えた。しかしその後も20年以上、根本的な見直しには至らず、多くの女性がキャリアの断絶に悩む姿を目の当たりにしてきた。一方で施設を利用する子育て中の女性の価値観は変わってきていると感じている。「女性の働き方が多様化する中、時代に合わない制度設計を早急に変えるべき」と原事務局長は語る。

キーワード
びーのびーの厚生労働省横浜市(神奈川)
壁は他にも… 時代に合った変化を

子育て支援のNPOで取材したが、年収の壁というだけではなく、その場にいた母親たちが口をそろえていっていたのは「保育園の壁」もあるということ。地域によっては保育園の整備が追いついていないため、預けられるか分からないというそういう壁。保育園では保育士が年収の壁のために働き控えをしいている現状があるというのは本当に矛盾。今回の議論が選択的夫婦別姓の議論と構造が似ているなというふうに感じた。制度を変えれば選択肢が増えてもっと生きやすくなる人は多いはず。20年以上根本的な見直しに至っていない。実際に配偶者がいるパートタイマーの7割以上が年収の壁が解消されたら働きたいと話している。制度自体が働くことを諦めさせてしまっているとも見てとれる。家族の在り方、働き方、多様化しているからあまりにも時代に合わない制度だと感じる。年収の問題は本来なら男女が同じように壁を感じるはずだが、訴えているのは女性ばかり。しわ寄せが女性や若者たちにいっていることにも鈍感すぎる。この問題は社会全体で考えるべき問題。政治家に限らず、あらゆる分野で男性の意識改革が必要などといった意見があがった。

女川原発 半世紀前の反対運動

女川原発の建設に親子で反対してきた父親と女性。父親は東日本大震災発生の33年前、地震による原発事故の危険性を指摘していた。東京の大学に進学していた美紀子さんも卒業後、実家に戻り、父親らの運動に加わった。反対派の団体が発行した機関紙がある。「鳴り砂」の題字は父親が書いたもの。原発建設の予定地となった浜にちなんで名づけられた。今も受け継がれ、累計発行回数は311回を数える。多くの仲間が支えた美紀子さんらの反対運動。当時の仲間とは今も交流がある。原発から1.5kmの場所に住む阿部七男さんも共に戦った1人。漁師だった七男さんは今も原発反対の考えは変わっていない。

キーワード
仙台地方裁判所女川原子力発電所東日本大震災阿部宗悦

根強い反対の声があった一方、原発建設を望む声も多かった。当時財政難にあえいでいた女川町にとって、原発の誘致は起死回生の一手でもあった。町は次第に賛成派と反対派に二分されていった。当時をよく知る人がいる。町の職員から町議となり、9期務めた木村公雄元女川町議は「内戦。武器のない闘いだった」と語った。木村町議は長年、原発の必要性を主張し続けてきた。水産業の他に目立った産業がなかった女川町。半島に位置し、離島も多い町はインフラ整備にも多額の費用がかかっていた。いま、町の自主財源である町税収入のうち約85%を占めるのが固定資産税。その8割以上を負担しているのが東北電力。財源の多くは原発頼みとなっている。また、電源三法交付金と呼ばれる国からの交付金がこれまで40年余で300億円近く交付されている。昨年度も7億円が町にもたらされた。

キーワード
女川原子力発電所女川町東北電力電源三法交付金

女川町・須田善明町長は「原発がもたらしたのは税収だけではない」と話す。原発では核燃料を冷やすため、大量の水を必要とする。町は東北電力が37km先の川から引いている水道設備を共同所有し、町民の生活用水として活用している。町にさまざまな恩恵をもたらすと期待された原発は約10年わたる論争の末、建設が決まった。美紀子さんら反対派の運動も次第に縮小していき、女川は原発の町として歩み始めていた。

キーワード
女川原子力発電所女川町東北電力
1 - 2

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.