- 出演者
- 長谷川博己
オープニング映像。
富山県の春の風物詩、となみチューリップフェア。愛知県からやってきたデイサービスのグループ。ほとんどの人が手助けを必要とする。登り始めたのは高さ26メートルの螺旋階段が続くチューリップタワー。屋上から見えたのはチューリップアート、砺波市のマスコット「チューリ君」の顔。一行を連れてきたのはデイサービスを運営する坂元玲介さん。今回のツアーは坂元さんが手掛けるパッケージツアー、デイサービスのスタッフに加え看護師も同行して健康管理を万全にしながら高齢者が安心して楽しめるツアーだという。一行は富山観光をした後、宿泊先へ1泊2日の旅。理学療法士の資格も持つ坂元さんがストレッチも介助し、その後は夕食の会場へ。高齢者に優しい手押しカートを常備していることが、この施設を選んだ理由の一つ。今回は、1泊2食付き11万5500円。安くはないがツアーはすぐに売り切れるとのこと。
愛知県豊田市に、坂元さんが運営するデイサービス「P-BASE」がある。市内に4カ所、利用者は850人ほど。要介護の認定を受けた人だかりだが、状況を維持し悪化を防ぐことを目指す。そのためにも大事な運動。坂元さんは、旅が日本の介護費用を抑えることにもなると考えていた。より豊かに晩年を生きるヒントとは。
愛知県豊田市、デイサービスの「P-BASE」を運営する坂元さん。この日やってきた先には、墓地があった。動画を撮りながら段差の高さを図っていく。そしてやってきたのは、デイサービスの利用者のお宅。依頼者の小野田さん、99歳の母・よしみさんは3年前に足を骨折して以来車椅子生活で、認知症も進み最近では出かけることも難しくなっていた。よしみさんが長い間行っていない夫が眠る場所に連れて行ってあげたいという、坂元さんが下見していた”あの”お墓。事務所に戻るとスタッフと共にオーダーメイドツアーの計画を練る。坂元さんが「P-BASE」を立ち上げたのは13年前、そして旅行のサービス「じぇぷと」を始めたのは8年前。ずっと赤字だったが、去年ようやく採算が取れるようになったという。始めるきっかけとなったのが、山本洋さん。長いリハビリ生活で生きる意欲を失っていたが、歩けるようになったら露天風呂に入りたいと話したため、一緒に行った際に泣いて喜んでくれたという。その出来事が創業のきっかけとなったと話した。
旅行当日、おばあちゃんと旅行に行きたいと娘からひ孫まで4世代に渡る9人での旅。まずは墓参り。しかし、墓地へと続く道がトラックで塞がれているというトラブルが発生。坂元さんが交渉に向かうと、すぐに車をどかしてくれた。急な坂だが、お孫さんたちの力も借り、想定通りタオルを使って引っ張ることで登ることができた。段差も孫の徹さんと協力し、車椅子ごと抱えて乗り越える。見晴らしの良い小野田家のお墓に到着した。3年ぶり、4世代が揃って来たのは初めてで、よしみさんの願いが叶った。墓参りの後は、近くの温泉旅館で食事会。食べたいと言っていた五平餅もある。最近は食に興味を示さなくなったというよしみさんが、かぶりついていた。特別に用意してもらったかいがあった。そして、ひ孫に押されて久しぶりに温泉にも入った。
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- 五平餅
そんな坂元さんのもとに更に難しい依頼が来た。四方博之さん64歳、2年前の3月に難病のALSと診断された。体が動かなくなる前に万博に行ってみたいという。四方さんと妻のルミ子さんは、トヨタ自動車に勤務し職場結婚だった。地元開催だった20年前の愛知万博ではまだ小さかった息子たちを連れて、何度も足を運んだという。家族と思い出をたくさん作った万博に、もう一度行くことが四方さんの願いだった。そして当日、出かける準備から手伝う坂元さん。四方さん夫婦にとっては半年ぶりの遠出で、電車より車で行くことを選び車内では話しも弾む。4時間かけ大阪・関西万博の会場に到着、この日は夏日になった。まずは四方さんが楽しみにしていた日本館へ、展示の目玉である火星の石に触れ、次はアメリカ館。今回の旅には欠かせないことがある、アメリカ館に入る前坂元さんが四方さんの足をもみほぐす。体が固まらないよう、定期的に繰り返す。そして館内へ、そこには技術者だった四方さんが夢中になる体験が待っていた。
ガイアの夜明けはTVerで配信。
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難病患者の四方さんの願いを叶えるため、大阪・関西万博の日帰り旅行プランを建てた坂元さん。四方さんが特に楽しみにしていた「アメリカ館」にやってきた。会場は、車椅子でも楽しめる作りになっている。ここでは、観光名所や大自然への没入型の体験が用意されていた。そして最大の目玉が宇宙体験、アポロから続くアルテミス計画の”月への旅”を味わえる。メカニカルなことが好きな四方さん、月への旅を楽しんだ。夫婦の思い出に新たな1ページが加わった。”また行きたい”と話す四方さん、新たな目標ができた瞬間だった。
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- 2025年日本国際博覧会P-BASE
東京・板橋区に2021年にできた病院。その名も「おうちにかえろう。病院」、中も変わっていてピアノのあるロビーでは地元のボランティアによる即席のライブが開かれ、それに聞き入る人たちがいた。こだわりの豆を使ったカフェも併設されていて、近隣の住民もきままにやってこられるようになっている。この病院は、急性期病院での治療を終えた患者の在宅復帰をサポートする病院で、リハビリが中心だという。1か月前に入院してきた野村さん、腰を骨折したが持病のため手術ができず、リハビリに励んできた。この日は一時帰宅の日、野村さんは長年1人暮らしだという。退院後の生活に備え改装の確認を病院のグループ内で訪問診療や介護などサポートしていく。ある調査では、自宅で最期を迎えたいと願っている人が7割いるにも関わらず、実際に叶えられるのは2割にすぎない。この病院は、病床数120床、入院日数は平均25日で、約9割の人が在宅復帰できている。
3月中旬、おうちにかえろう。病院に新たな患者がやってきた。急性期病院から転院してきた、鶴石さん。3年前に肺がんで肺の3分の2を摘出、その後自宅に戻って生活していたが今年1月・誤嚥性肺炎で緊急入院した。付き添っていたのは妻の真由美さん。ほどなくして1人娘のみゆ紀さんも駆けつけた。まず主治医が面談し、今後の方針を決める。「歩く」と「食べる」が目標になった。登幾夫さんは、誤嚥性肺炎を防ぐため痰の吸引が欠かせなくなった。帰宅後も続けなければならないため、妻の真由美さんも覚える必要があった。そこで病院側は、介護することになる家族とも話し合う。いよいよ家に帰るためのリハビリが始まる。登幾夫さんはやる気満々で、担当する理学療法士の志村さんと1階のエントランスへ。長引いた入院生活の間にすっかり季節も変わっていた、久々の屋外でリフレッシュした登幾夫さん、次に向かったのはリハビリステーション。平行棒を使い歩く訓練をするが、久しぶりに立ったとは思えないほどしっかりとした足取りで歩いて行く。まずは1往復から、自分の足で歩けた喜び。その後やってきたのは、同じグループの歯科医。誤嚥を防ぐためにはちゃんと噛めるめることが大事なため、入れ歯を調整し歯科医も立ち会って直した入れ歯で早速食事。これまでのペースト食に加え、この日からおかゆなどの固形物に挑戦する。きちんと飲み込めているか確認も行う。家に帰ったら”肉が食べたい”と目標ができた。病院に来てから2週間。この日は出張専門の理美容師が来て、久々の散髪。帰宅に向け順調に進んでいた登幾夫さんだったが…。
4月7日、鶴石登幾夫さんが入院する病院から緊急の連絡があった。娘さんも駆けつけてきた。自宅へ帰ることを目指していた登幾夫さん、急な発熱があり容態が急変したという。主治医が休みだったため、急遽担当することになった医師の島田嘉昭さんも含め、今後について話し合うことになった。妻の真由美さんは間に合わず電話で参加する。結局この日は結論が出なかった。翌4月8日朝、妻の真由美さんも駆けつけた。前々から登幾夫さんが望んでいた通り、家族は残された時間を自宅で過ごす決断を下した。おうちにかえろう。病院に来て20日目、誤嚥性肺炎で今年1月に緊急入院してからは、3カ月ぶりの帰宅となった。想定していた形とは違うが、我が家に帰ってきた。介護用ベッドや酸素吸入器など、必要なものは全て病院が手配してくれた。近所の友人たちも集まり、退院を祝った。
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- おうちにかえろう。病院
3カ月ぶりに自宅に帰ってきた、鶴石登幾夫さん。思い出がたくさん詰まった我が家に、ご近所の友人たちが集まり退院を祝ってくれた。その3時間後、容態が悪化。一度病院に帰っていた島田医師が、再び駆けつけた。わずかだが、自宅で家族だけの時間もすごすことができ最期を迎えた。鶴石登幾夫さんが亡くなって1カ月後、最期を看取った島田医師は、大事な人を亡くした人にどういった言葉がけをしていいのか常に考えているとし、まだ答えは出ていないと話した。
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エンディング映像が流れた。
「ワールドビジネスサテライト」の番組宣伝。「蜜月」一転決裂で…。