- 出演者
- 中山果奈
オープニング映像。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見が行われる。場所は自民党本部8階ホールの記者会見場。既に9人の候補者は会場に、今回の選挙は現在の方式になってから最多の立候補者となっている。きのうは候補者による立会演説会が行われ、各候補が決意を述べた。会見では政治とカネの問題を受けての政治改革、経済政策などをめぐり論戦が繰り広げられる。
今回は党主催の共同記者会見ということで候補者が質問者の疑問に答えていく。「政治資金収支報告書不記載問題」について、新総裁になった場合原因・真相の究明を行っていくのか、実態解明なしでも信頼回復が可能と考えているかという質問。高市早苗氏は回答「既に最大限の実態解明に努めており、追加的な調査を行うということ、私は考えていない。ただし今後、新たな事案が出てきた場合には、党としてしっかりとした再調査を行うことはありえる。再発防止策を徹底することに努める」と回答。小林鷹之氏は「一度決定した処分を覆すということは党のガバナンス上、適切ではない。ただし新たな事案が生じてくるのであれば、調査もありうる。重要なのは、一人一人の個々の議員が有権者に対して説明責任を果たしていくことが大切。自分が総裁になった場合、過去の事例などを鑑みてルール整備を早急に進める」と回答。林芳正氏は「新しいこの事案が出てくればしっかり再調査、そしてそれに基づいた党紀委員会での再審査をはやっていかなければならない。それぞれが説明責任を果たしていくことが大事。党の信頼回復は政策の実現と説明で進める」と回答。小泉進次郎氏は「政策活動費の10年後の公開ではなく政策活動費の廃止、旧文通費は使いみちの公開、政治だけに許されてきた不透明なお金の流れをやめることを実現をしていきたい。再調査は新たな問題が発生した場合に行う」とコメント。
「政治資金収支報告書不記載問題」についての質問に対する各候補の回答。上川陽子氏は「捜査当局、司法の判断は重いものと考えている。第三者機関による資金チェックを徹底し、民間企業に匹敵する高いコンプライアンスを実現をする」と回答。加藤勝信氏は「一度決めたことは重視すべき。説明を不十分などの声にしっかり応えていくべき。また党の責任を考えるべきで、政党交付金の不記載分は国庫に返納するなどし党としての責任を果たす。今後は使途の公開と未使用分の返納、第三者機関の設置などを1年位内に行う」とした。河野太郎氏は「真相究明に至らなかったのは遺憾だが、検察が行った以上の真相究明を党ができるかは難しいと考える。不記載分を国庫に返納することでけじめとしたい。非課税の分は報告するのがあるべき姿、こうした形で信頼回復に努めたい」と回答。石破茂氏は「有権者が納得したわけではなく、党全体として納得してもらう努力が必要。強制捜査権はないが説明責任は総裁も負うものと認識している。今後は政党のガバナンスを規定した法律の策定を急ぐ」とした。茂木敏充氏は「二度と同じ問題を起こさぬよう、党の規定などを見直す。その過程で新たな事実確認の必要性があれば適切に対応する。また政治資金の透明性を高めるために政策活動費を廃止、ガバナンス・コンプライアンスが守れる政党にしていく」とした。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見。「岸田政権を継承するか、転換するか」。小林鷹之氏の回答「継続、共有する部分というのは多い。特に防衛力の抜本強化、原発の再稼働の方針、賃上げを含めたデフレからの脱却の取り組みはしっかりと進めていかなければ。新たに地方から経済を活性化していく、シンニッポン創造計画というものを打ち出していく。現行のエネルギー基本計画は早急かつ抜本的に見直す。また核融合発電の早期実施を進めて、将来的にエネルギーの輸出国に転換するということに挑戦していく。さらにグローバルサウス諸国との関係を強化していきたい。自分が責任を持てる2050年を見据えて国家戦略を作っていきたいと考える」とした。林芳正氏の回答「地域、中小企業、小規模事業、実感していただくような政策をさらに追加をしていきたい。外交関係については、与野党の政権交代があったとしても、その期間、基本的な部分は変えてはならないと思う」とした。小泉進次郎氏の回答「経済政策、外交政策の基本的な方向性は引き継いでいきたい。労働市場改革、そしてまたライドシェアも含めて、聖域なき規制改革を進めていきたい。外交政策は外交の基本軸を決してずらさないことがまずは基本。大統領選挙の結果を問わず日米同盟の深化、強化をやっていくことに加え日本のパートナー、そして思いを共有する国々との連携をさらに強化する」とコメント。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見。「岸田政権を継承するか、転換するか」という質問に対する回答。上川陽子氏の回答「日米同盟の深化は極めて大切。内政経済については、成長を進め、その果実を獲得し、所得を再分配する姿勢を継承する。中長期的に海外、また金融市場からの信認を確保すると同時に、成長を促進するための令和の財政強じん化に挑戦する」とした。加藤勝信氏の回答「基本的に岸田政権が進めてきた政策をしっかり受け継いでいきたい。国民の所得倍増を進める中でさらに加速化をしていく。給食費、そ出産費用、子どもの医療費、この3つの費用の負担のゼロを目指していく。憲法改正について、同じ方向を向いている他の政党とも含めて実現していく。拉致問題についても、一日も早い首脳会談の実現に向けてすべての拉致被害者の即時帰国を目指していく」とした。河野太郎氏の回答「賃上げの流れは今後も継続していかなければならない。外交面では共通の価値観を持っている国々との連携、この世界の平和と安定、そして共通の価値観を守るための枠組みの中で、日本がその中でどういう責任を果たしどういう役割を果たしていくのか、しっかり前に進めていきたい。内政面では、孤立、孤独の問題にもう少し焦点を当てていきたい。独立財政機関をつくり、政府が出す数字の前提をしっかりチェックしていきたい」とした。石破茂氏の回答「サプライチェーンの維持ということからも考えていかねばならない。いかにして地方の衰退止めるか、新政権においてさらに強力に取り組まねばならない。安全保障についてはおおむね方向性は妥当だと思っている」とした。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見。「岸田政権を継承するか、転換するか」という質問に関する回答。茂木敏充氏は「内政外交ともにそういった政策を継承し、発展をさせていきたいと思っている。防衛力の抜本的許可、子育て支援策の充実は極めて重要で引き継いでいきたい。財源については経済状況の改善であり、さらなる成長による税収アップ、税外収入の増加によって十分確保できると考えている」とコメント。高市早苗氏は「憲法改正を継承していきたい。成長が優先。大胆な危機管理投資と成長投資。安全安心を確保する。強い経済を実現する。重視するのは食糧安全保障、エネルギー安全保障、国土強靭化、医療健康安全保障、サイバーセキュリティの強化」とコメント。
「解雇規制」見直しの是非。林芳正氏は「『解雇無効時の金銭救済制度』が議論されて、規制改革会議で閣議決定もされ直近の新しい資本主義のグランドデザインでも閣議決定された」とコメント。小泉進次郎氏は「労働市場の流動性を高めていく方向性については、誰も異論がないところだと思う。金銭解雇に触れたのは河野さんの話だと思う。解雇の自由化を言っている人は私を含め誰もいないと思う。前向きに働ける、求められるところで働ける、そういう環境を作るには大企業に対して再就職支援などを義務付けて新しい前向きな労働市場の形を今この人手不足の時代に作っていかなければならないという考えかたを丁寧に説明していきたい」とコメント上川陽子氏は「柔軟で流動的な雇用市場を作っていくことについては、多様な働き方を認めていく。お金で一方的な解雇が自由であってはならない」とコメント。
「解雇規制」見直しの是非に関して。加藤勝信氏は「労働市場の流動化、あるいは成長産業へ労働移動へ円滑化していくか大事なポイント。私の目指す国民の所得倍増につながる。転職のイメージを自分の意志によって、キャリアアップとか所得向上とか、自分らしい生き方を実現できる、こういうイメージに変えていく」とコメント。「解雇規制」見直しの是非。河野太郎氏(衆院神奈川15区選出、当選9回。デジタル相、麻生派。推薦人:麻生派18人、旧茂木派1人、旧二階派1人。安倍内閣では外相、防衛相、菅内閣ではコロナワクチン担当。前回の総裁選では岸田首相に決選投票で敗れる)は「国民の所得を増やすための躍動感ある労働市場を作らなければならないと思っている。1400万人のパート、アルバイト、400万人いる契約・派遣社員の皆さんがより付加価値の高い次の仕事に就けるためのスキルを身につける。安心してスキルアップするためのセーフティネットが必要。不当解雇に対して金銭で補償を受けられるというルールを明確化することが不当解雇をふせぐ、そういうことが起きた時に補償を受けることができるようになる」とコメント。「解雇規制」見直しの是非。石破茂氏は「雇用の状況が変わっていることを認識しないとならない。非正規は減らしていかねばならないと思っている。非正規の方にも社会保障等がきちんと提供される機会を作っていかければならない」とコメント。
「解雇規制」見直しの是非に関して。茂木敏充氏は「人生65年ではない、人生100年時代になり、転職することが普通という社会をつくっていくことが先決だと考えている。スタートアップを支援していく、副業を解禁していく、ハローワークの抜本改革を進めることが必要」とコメント。高市早苗氏は「労働市場の流動性を考えるのであれば、現在の民法では労働者には退職の自由が認められている。私がやりたいのは在職老齢年金制度の廃止、年収の壁の見直し。働く意欲を削がない制度へと見直していく」とコメント。「私は労働市場の流動性を高めていくことは大切なことだと思う。超人手不足の時代ですから、どの分野も人の取り合いになっている。若い人の中にはジョブ型雇用を求める声もある」とコメント。
防災・災害対応に関して。小泉進次郎氏は「復興庁は東北の東日本大震災によってできた省庁。東北の復興に携わっている組織は石川県の能登半島の復興には携わらない。全国の被災地の中で、被災をしたらどこも復興のステージが来る。そこに対して政府全体の機能をどのように最も高いレベルで発揮できるか、あるべき行政機構の形は復興庁と内閣防災と考えることはありうる。事前防災、初動、復旧、復興。首都直下型の地震、南海トラフを考えると、政府と東京の連携強化」とコメント上川陽子氏は「地球規模課題の中に温暖化をはじめとして自然災害の被害は世界的に大きな課題になっている。能登半島地震、東日本大震災、熊本地震、東海南海トラフの問題も含めて様々な自然災害の高い国。様々なフェーズで官民連携をしていくことの必要性、地方の自治体との連携の在り方。全国の自治体、企業との関係の在り方。関係省庁がチームで対応」とコメント。防災・災害対応。加藤勝信「まずは補正予算を作って能登半島の復旧復興、東日本大震災、原発、福島の創生、こうしたことにしっかりと取り組んでいくとともに、国土強靭化を進めていく。ノウハウの集約を」とコメント。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見。「防災、災害対応」について。河野太郎氏「熊本地震のときに防災大臣をやっていた。日ごろ各省と人間関係があるのが非常に大事なこと。避難所にシャワー・トイレ・食事をどう揃えるのかなどが今後大切になり、それぞれの地域が自力で復興していくことができるかが大切」とした。、石破茂氏は「世界一といってもいい災害大国で専門の省庁がないことは異常、現状の予算では予知はできない。また有事に予備費で対応する現状は問題とした。各職員の知識が蓄積されないことも問題で専門とする省庁“防災省”が必要」とした。、茂木敏充氏は「被災者の方々の立場に立った対応が必要、予知・日常の準備が必要で、関係者が有事にすぐに集まれることが大切」とした。高市早苗氏は「国土強じん化は何よりも大事な危機管理投資、また復興庁設置法の改正案を出したい」とした。小林鷹之氏は「事前防災が必要、また現在の南海トラフ地震の被害予想は10年前のもの。現在の知見などに基づいたアップデートが求められる。さらに運用面の強化が必要」などとコメント。林芳正氏は「ソフトとハードを合わせて国土強じん化を進める」とコメントした。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見。政治資金問題の関連で、不記載のあった議員への対応について。上川陽子氏「党の手続きを踏み、最終的に推薦、公認といった判断をしていく。その際に課題・問題が発生した場合当人が説明責任を果たすこと、それに対しての判断が必要。透明性の高い活動が求められていく」などとコメント。加藤勝信氏は「党内で決めたことは今後も守る。ただ処分と公認とは別の話。地域の組織の声をしっかりとお聞きしたうえで、最終的な判断をしていきたい」とした。河野太郎氏は「法的には書類の訂正で終わったが、けじめとして不記載の金額を返納してもらうのがよい」とした。石破茂氏「説明責任は公認権者である総裁の果たすべきもの」とコメント。茂木敏充氏は「地方の声や地方組織の声等も聞きながら、厳正に判断していきたい」とした。高市早苗氏「処分を覆すことはしないが、新しい事実が出てきた場合には改めて調査し必要ならば処分する。説明を尽くしていないならば“勝てない候補”と判断する」とした。小林鷹之氏は「処分については厳格に運用すべき。公認については、総合的かつ厳正に党として判断すべき」とした。林芳正氏は「新しい事象が出てくれば、再調査や再処分もありうる」とコメント。小泉進次郎氏「総理総裁になった暁には、新執行部の下で厳正に判断をしたい」とコメント。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見。安定的な皇族数の確保策について。加藤勝信氏は「これまで男系のわが国の皇室の歴史を踏まえながら説得していくことが基本的な立場」とコメント。河野太郎氏は「両院議長の下、議論されている。静ひつな環境の中でしっかり議論すべき」とした石破茂氏は「意見の隔たりがあることは事実。理由を明らかにしながら、この議論を進めていかねばならない」と述べた。茂木敏充氏は「皇族数の減少は喫緊な課題。有識者報告書も踏まえて、早急な対応を取りたい」。高市早苗氏は「自民党では麻生副総裁を中心に、しっかりと議論を進めてきた。立法府の総意となると丁寧な議論も必要」。小林鷹之氏は「男系男子で紡がれてきた皇統をしっかりと守っていく前提に立って、静ひつな環境の下で、与野党協議を進めていく」とした。林芳正氏は「なるべく早期に結論を出すように、総裁になった暁には努力をしていく」。小泉進次郎氏は「静ひつな環境の下で、立法府としての総意をまとめることができるよう貢献する」とした。
「“痛み”伴う政策」について。河野太郎氏は「財政収支を視野に財政規律を。消費税の増税という議論はすべきではないと思う。賃上げが進まない方もいる中、むやみやたらに補助をするのではなく、所得の低い人に必要な支援をする」とコメント。石破茂氏は「財政力には違いがあるので、どのように負担を公平に分かち合うか。弱い立場の人・地域にかたよることがないように」とコメント。茂木敏充氏は「若者世代の所得上げる。物価高や負担増に政治がどこまでこたえられるかが重要」とコメント。高市早苗氏は「本当に困っている人に手当をしたい」とコメント。小林鷹之氏は「経済が財政に優先。」とコメント。林芳正氏は「格差是正をしたい、応能負担を」とコメント。小泉進次郎氏は「物価高対策など、きめ細かい対応が必要」とコメント。上川陽子氏は「将来の姿を説明していく」とコメント。加藤勝信氏は「経済成長と財政健全化を。必要な給付とシステムを作ることが第一歩」とコメント。
自民党総裁選挙の候補者による共同記者会見に関するスタジオ解説。まず政治資金の不記載があった議員に関しての質問がかなりの時間を占めており、これに関して「既に捜査は終わっており、新たに処分などは行わず、再発防止や説明責任を果たすことに注力する」と言った意見が目立った。また党からの政策活動費に関しても廃止すべきではといった意見も聞かれた。また労働市場の問題、災害対策などが質問としてあったが、今後様々な議論が行われる。今回の総裁選は「党内では1回目の投票で1位の候補が過半数を獲得せず、決選投票にもつれ込むという見方が大勢になっており、各陣営は、党員票も含めた支持拡大の動きを活発化させている」と解説した。
自民党総裁選を前に党主催の共同記者会見が行われた。今回の総裁選は現在の方式になってから過去最多の9人が立候補。今日の会見では政治とカネの問題を受けての質問に回答。明日は日本記者クラブ主催の討論会などが行われ、今月27日に投開票が行われる。