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- 矢内雄一郎 片渕茜 平出真有 中原みなみ 門田真一郎 武田淳
今週末のドル円予想・先週終値150.03円、予想中央値150.00円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券・植野大作は150.00と予想「米国CPIが予想通りなら150円を挟んで一進一退」としている。
2025年の日本経済や株式相場に最も影響を与える項目は?「103万円の壁」の見直しが61%。ニッセイ基礎研究所・井出真吾は「手取り増加による消費喚起が期待される」としている。
モーサテ景気先行指数・日本22.7、米国18.2、中国−6.1、欧州−16.7。
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今日のテーマは「来年はデフレギャップ解消なるか」。武田さんは「デフレギャップというのは、物価の下押しになる過剰な供給のことで、デフレ圧力のベースになるものです。モノ・サービスの需要と供給の差を表し、『需給ギャップ』という表現をされることが多いです。今年の日本経済は、年前半で景気が停滞し、年間成長率がマイナスになる可能性もあるのかなと見ています。足を引っ張ったのは個人消費と輸出などですね。今年に入ってデフレギャップは拡大していて、円安などで個人消費が落ち込んだ影響が大きいですね。今まで、一般的に円安は景気にプラスと言われていましたが、今回の円安局面はその動きがあまり見られませんでした。今まで、円高対策で価格の変化にさらされやすい製品は、国内生産をやめて海外に持っていっていましたが、それで円安の恩恵を受けにくくなっていますね。来年の輸出は、トランプ関税の影響が気になるところで、内需の動きが重要となりますね。今年の個人消費は悪かったですが、インフレ率は2%程度まで落ち着いてくると思います。物価が収まってくればマインドも回復してきますし、2025年は1%程度の伸びは期待できるのでは」などと話した。
企業の技術力や、成長性などを担保にする融資「企業価値担保権」が26年にも始動する。広がれば、資産を多く持たないスタートアップ企業にも資金が回りやすくなると期待されている。ただ、一部地銀などには戸惑う声があり、経営者の認知度も3割に留まっている。定着に向け、金融庁は、制度の利点やノウハウの周知といった環境整備に全力を挙げる構え。(日経電子版)
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- 日本経済新聞 電子版金融庁
旧統一教会の問題を発端に、文化庁は実態把握を急いでいるが、自治体の人手不足や法人格売買の横行といった課題が残っている。監視が及びにくい法人は、マネーロンダリングや脱税に悪用されかねず、国際機関も警鐘を鳴らしている。(日経電子版)
飛行機のパイロットの年収が世界的に上昇している。大幅な賃上げを進めるアメリカの主要航空会社では、平均年収が日本の約2倍となる30万ドル前後の水準まで上昇した。囲い込みや引き抜きなど、人材の争奪戦が激しくなっているという。(日経電子版)
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武田さんは「飛行機の料金が上がったり欠航したりしたら困りますが、この問題はパイロットだけではないと思うんですよね。日本は長い間賃金が上がって来なかった上に円安も進んでいて、日本の賃金は国際的にとても低くなっているので、グローバル企業全般が抱える問題だと思います」、門田さんは「企業価値担保権ですが、海外であればベンチャーキャピタルなどがスタートアップに投資をすることはありますが、日本でどこまで浸透するかも注目ですね。円安の背景には金利差の広がりや日本の企業の生産性が海外と比べて低いことなどがあるので、これでスタートアップを促進して日本の生産性に影響があれば、長期的に見れば円の下支えになると思います」などと話した。
先週一週間、日本株の個別銘柄の動きを中心に振り返り今週の注目ポイントを専門家が展望する。アメリカ景気の堅調さや12月FOMCでの利下げ観測を支えにアメリカ株式相場では主要3指数が史上最高値を更新した。トランプ次期大統領の政策の不透明感や円高警戒などで上値が重かった東京市場にも年末相場の機運が広がった。バイデン政権が発表した対中半導体規制は日本が対象外となり、値がさハイテク株が一時見直されたことも支えとなったが、韓国・フランスなどの政局不安などで上値の重さも残ってる。
業種別騰落率(対象:TOPIX)を紹介。上昇トップは、「非鉄金属(3.6%)」。中間決算で評価の高かった電線株に業績期待の買いが入った。上場来高値更新が相次ぐ中、加熱警戒の売りもでて高値波乱の様相をみせた。下落トップ「電気・ガス(-1.9%)」は、先月に公募増資を発表した関西電力を中心に株価の需給悪化を懸念し、各社とも下値模索の状況が続いてる。
先週の下落銘柄ランキングを紹介(対象:TOPIX500)。9位「エーザイ」はアルツハイマー病治療薬の発売や認証が各国で広がってるものの市場浸透の遅れなどから手仕舞い売りが継続し、約10年ぶりの安値圏で下値模索が続いてる。トップ3は、半導体関連の下落が目立った。1位「KOKUSAI ELECTRIC」について岩井コスモ証券・林卓郎氏は、「韓国向け売上比率が比較的高く、韓国の政治不安が重荷となった。ウエートの高い中国向けの事業も来期減速の懸念が強いうえ、信用取引の買い残高の整理も重なって上場来安値近辺で下値模索が続いてる。」と話した。
先週の値下がり銘柄ランキングを紹介(対象:TOPIX500)。6位「三菱伊勢丹ホールディングス」は、三越伊勢丹の11月売上高が前年同月に比べ10%増えたうえ、4日に政府が中国人向けのビザの発給要件を緩和する報道が入ったことでインバウンド消費拡大への期待から株価が急進した。1位「フジクラ」について岩井コスモ証券・林卓郎は、「データセンター向けの光関連製品の好調を支えに今期2度目の大幅上方修正を発表し、東証プライム首位の上昇率を誇る。足元でも好業績や中期成長力を評価したアナリストの強気リポートが相次ぎ人気が高まっている。同業の古河電工とともに年末を控え、今年の”活躍株”として再び注目を集めている。」と語った。さらに、今週の相場展開について、「日米とも来週に金融政策決定会合を控え、上値の重さは残るとみられるが、景気、企業業績への期待は簡単には途切れないとみられ、年末株高が意識されると考える。今週発表の景気ウォッチャー調査や日銀短観などで国内景気の持ち直しが確認されれば、早期4万円トライの可能性もあると思う」とコメントした。
パナソニックは英国国内の自社工場で再生可能エネルギーに関する実証実験を行うと発表した。工場で使用する電力をすべて再生可能エネルギーで賄う実証実験を行う。この工場で生産しているのは電子レンジ。繁忙期には24時間、休むことなく稼働する。年間の消費電力はおよそ100万キロワットアワーで日本の平均的な家庭およそ240世帯分に相当する。工場の屋上には今回の実験用におよそ900枚の太陽光パネルが設置されていて、蓄電池に電力を蓄えることができる。蓄電池を夜間や天候が悪いときに活用することで工場を安定的に稼働させることができる。更に水素と酸素の化学反応で発電する燃料電池。材料となる水素もグリーン水素と呼ばれる風力など再生可能エネルギーで作ったものを調達する。水素と酸素で発電するときに発生する熱で水が温まる。食堂の暖房や手洗い用の水を温める用途にも使われる。水素に太陽光、蓄電池を組み合わせることで工場で必要な電力を自給自足させる今回の取り組み。2030年までに陸上風力の発電量を2倍、太陽光を3倍に引き上げるクリーンエネルギー超大国計画を掲げていて最大11兆4000億円もの民間投資を見込んでいる。パナソニックでは、この仕組みそのものを事業化したい考え。
武田さんは「こういう取り組みはエネルギーの自給率の低い日本にとっては非常に重要だと思います。先日、日経新聞の記事でG7の中で日本のエネルギー収支は最悪だと、貿易赤字の原因になっていて、円安にもなっている。音階、こういう分野の技術を高めることによって、輸出を増やしたり、エネルギーの輸入を減らすということに繋がるのは日本経済にとっては良いこと」とコメントした。
インドネシア三井物産・菊地原伸一社長の解説。インドネシアでは大統領が交代するのは10年ぶり。与党連合は国会議席数の8割を確保しており、政策を通しやすい反面、権力の監視機能の弱まりを指摘する向きもある。インドネシア政府は2045年までに先進国入りを目指し、またプラボウォ氏は2029年までに実質GDP成長率の8%実現も合わせて目標としている。一方で近年成長率は5%と横ばい傾向。“新路線政策”はプラボウォ氏政策の独自路線である生活水準向上のこと。インドネシアでは2022年の時点で乳製品市場が44億ドルと2017年対比で約5割拡大する一方で熱帯気候のために酪農に適した土地が限られ今後も環境整備が求められている。菊地原さんは「三井物産はインドネシアの大手企業グループCTコープと協業して、消費者の生活水準向上に寄与する事業を展開。新たな消費を取り込む消費者経済圏の構築を目指している。電子決済サービスLinkAjaも大きな注目を集めている。今当社は異なる消費者関連のビジネスを複数持っている。それら一つ一つの事業を連携させることでより付加価値を高めて差別化を図れるように展開していきたい」などと話した。
気象情報を伝えた。
アメリカの11月の雇用者統計は非農業部門の雇用者数が前月比+22万7000人と市場予想を上回った。ボーイングのストライキやハリケーンの影響で10月は大きく減速していた雇用者数の伸びの回復が示された。失業率は4.2%で前月比からわずかに悪化。平均時給は前月比+0.4%、前年比+4.05。
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中国系の動画配信アプリ「TikTok」のアメリカ国内での禁止につながる規制を盛り込んだ法律の合憲性が争われた訴訟で、ワシントン連邦控訴裁判所は合憲と判断した。法律では、TikTok運営側が米事業を期限内に売却しなければアプリ配信を禁じる内容。売却期限は2025年1月19日の予定となっている。
モーサテプレミアムでは、今月20日夜、テレ東系経済WEEKスペシャル「2025年金利と為替の分岐点は」を開催する。
武田さんの経済視点は「Tax」で、「日本も米国もこれからおそらく税によって経済が振り回される状況になる。米国ではトランプの関税、減税で景気の波ができる。日本での一番の注目は年収の壁103万円の壁。これによって今成長制約要因になっている人手不足の問題がある程度は緩和されると思うのでそれが期待できる」などと話した。門田さんの経済視点は「ユーロの構造的逆風」で、「今回の戦争でロシアからの安いエネルギーには頼れなくなった。輸出先の中国経済も構造的に減速をしている。海外からEVとかを多く輸入する中で国内の自動車産業が逆風にさらされ経済構造的に厳しい状況にはなっていた。ちょっと欧州の厳しさが取り立っていっている」と話した。