- 出演者
- 太田真嗣 上原光紀
予算委員会での審議がまもなく始まる今年度の補正予算案。高市総理大臣は政府与党連絡会議で早期成立を目指す考えを示した。これに対し立憲民主党と公明党は予算案には緊急性の低い事案が盛り込まれているなどとして連携して対応する方針を確認した。衆院議員のの定数削減を巡る動きも活発になっている。補正予算案への対応を各党に問う。
今年度の補正予算案は8日に財政演説と各党の質疑が行われて審議入りする。予算案が衆議院で可決されればその後参議院で審議されるが、臨時国会の会期末が17日に迫っている。補正予算案の一般会計の総額は約18兆3000億円。国債を11兆6900億円余追加で発行するとしている。主な事業は経済対策。
自民・齋藤健氏は補正予算案の内容について「多岐にわたってバランスが取れている」、立憲・奥野氏は「評価できる部分もある一方で、物価対策という意味では食料品消費税ゼロの方が効果的ではないか、中低所得者への支援が不十分ではないかと考えている」、維新・奥下氏は「旧来の財政規律一辺倒ではない多岐に渡る予算案になっている」、国民・長友氏は「暫定税率の廃止が決まったということについては大きく評価をしている。一方で178万円まで103万円の壁を引き上げていくことについてはまだ頑張りたい」、公明・中野氏は「まだ不十分で拡充をする必要がある」などと述べた。参政・神谷氏は「緊急性はありますかというところ。国民がお金を使いやすい状況を作っていくのが一番いい物価高対策ではないか」、れいわ・櫛渕氏は「人々のための積極財政を掲げる立場からすると規模は小さい、対象は財界とアメリカ優先、この時点で評価に値しない」、共産・田村氏は「国民の生活を立て直すという点では太い柱がない」、保守・島田氏は「自民党は代替増税という考えを捨てて貰わないといけない」などと述べた。齋藤氏は「野党の主張に関しても相当盛り込んでいるつもり。説明を尽くしていかないといけない。議論をして一致点を見出す、そういった国会にしていきたい」などと述べた。
補正予算案の規模が大きくなり、インフレなどを増長するのではないかという声もある。奥下氏は「全体的に野党の意向も組んで検証をしっかりして今後に生かしていくような予算委員会にしたい」、奥野氏は「物価高対策という意味では不十分。誰にお金を渡すか。基金を使うのはやり方によっては物価を引き上げてしまう」、神谷氏は「減税をしっかりやらないと。集めすぎだと思っている」、齋藤氏は減税案について「検討しているところで結論が出ていないがおっしゃるとおり。しっかりやっていかないといけない」などと答えた。長友氏は「電気代が年間2万円ほど上がっている。これだけでは十分ではない。年収の壁を178万円まで引き上げることで、せめて年間10万円から20万円、全ての世帯において減税効果があることをしていけることが重要」、島田氏は「コストをかけて配るのではなく、ストレートに減税する。そういう姿勢が高市さんになっても自民党は全く変わってない」、田村氏は「高市総理は単年度での財政収支黒字化の目標を放棄した。円安の進行はさらなる物価高騰を招く。一方大企業への財政支援は目白押しとなっている」、中野氏は「中巻世帯も含めて幅広くできるだけ迅速に、コストもかけずにという支援を訴えてきた。できるだけ自由度を高めることが大事」、櫛渕氏は「日本は30年不況で先進国で唯一経済成長していないのが一番の問題。不況なのに増税してはいけない」などと述べた。今後の予算審議のポイントについて奥野氏は「物価高対策として適切かどうか。組み換えも含めて提案していきたい」などと述べた。補正予算の修正の可能性について、齋藤氏は「これからの議論になるため応じるとか応じないとかは言えないが、我々も少数になっているので議論を尽くしていくことが大事」などと述べた。
衆院議員の定数削減を巡り、自民党と日本維新の会は法案を共同で国会に提出した。法案では465の定数について420を超えない範囲で1割を目標に削減し、少なくとも45議席を削減するとしている。そして全会派参加の協議会で具体的な検討を進め結論を得るとしている。一方で1年以内に法制上の措置が講じられない場合は公職選挙法を改正し、小選挙区25・比例代表20の45議席を削減することも盛り込まれている。自民党・斎藤氏は「財政が豊かでどんどん色んなことができる時代ではない。国民の皆さんにも負担をお願いしなくちゃいけないことも出てくるだろう。その前提として国会議員も身を切るという姿勢を示す考え方については理解してほしいと思う」、立憲民主党・奥野氏は「地方の声が国政に届かなくなるのではないか。身を切るというのであれば旧団体献金の問題も同じように重要であるため議論を進めるべき」、公明党・中野氏は「なぜ1年以内なのか、なぜ1割なのかという説明がなく、1年経てば自動的にこういう形の制度にするということを与党側で出すのは乱暴なやり方ではないかと思っている」、国民民主党・長友氏は「1割を目安に削減というところの中身が見えていないのが現実だと思う」、参政党・神谷氏は「議員定数を仮に削減するとしても選挙制度を見直して民意がしっかりと反映されるような選挙制度を作っていくべきだと思う。その時に時間を区切るというのは必要なことだと思う」、れいわ新選組・櫛渕氏は「今回の法案提出は傲慢の極みだと思う。なせ1割なのか理由も無ければ目的も語られていない。この国の民主主義を守るために議員定数の削減はやるべきではない」、日本維新の会・奥下氏は「改革を着手する者として改革をお願いしていく立場の皆さんに覚悟を示す必要がある」、日本共産党・田村氏は「議員定数の削減は国民が求める裏金事件の全容解明とか企業・団体献金の禁止を棚上げして論点をすり替えるものであり、断じて認めるわけにはいかない。主権者代表の議員の定数を削減するということは民意の切り捨てに他ならない」、日本保守党・島田氏は「比例で選ばれた議員が党を抜けて移籍することが横行するが、特に衆議院の比例ブロックに単独で当選した議員、参議院全国比例の特定枠で当選した議員が離党する場合には議員辞職を義務付けるといった法改正が必要だと思う」等と話した。
今国会からは予算委員会の質疑についてこれまでの全閣僚出席型から首相と財務相以外は要求があった場合のみ出席する形に変更される。立憲民主党の奥野総一郎議員は「今回の変更や休憩時間の追加などは賛成で、大臣・総理のために役人が資料作成に長い時間を費やす体質も変えて、政治家が自分の言葉で説明する場合と実務的なものは役人自らが答弁するよう線引をしっかりしたほうが良いと思う」など話し、参政党の神谷宗幣議員は「予算や政策を審議するのが本来の予算委員会の趣旨で、言葉尻を捉えた批判ばかりしていても国民の支持は得られないと思う」など話した。れいわ新選組の櫛渕万里議員は「議会制民主主義の観点からも全閣僚は出席するべきで、そもそも日本は予算の審議時間が予算規模に比べて短すぎるし予算修正も少なすぎる」など話し、共産党の田村貴昭議員は「自民・維新ともに与党で政治とカネの問題が多くあり、こうした問題を是正することが国会の役目であると考える」など話した。国民民主党の長友慎治議員は「予算委員会の日程や集中審議の有無などを余裕を持って通知する運営を心がけていくのが重要になり、首相とのやり取りは予算委員会では無く党首討論で行うべきものだと考えていて、こうした党首討論をゴールデンタイムなど多くの国民が見られる時間帯に移すことも考えるべき」など話し、日本維新の会の奥下剛光議員は「予算委員会では総理への質問が集中する傾向があり、もっと党首討論の時間を増やしたりして国会内での役割の線引をしっかりするべき」など話した。公明党の中野洋昌議員は「国会の働き方改革は議員も役人も進めていくべきで、政治主導で質問通告の期限をしっかり守ったりDXによる効率化などを進めていくべき」など話し、日本保守党の島田洋一議員は「現在予算委員会では文民統制を理由に幹部自衛官が政府参考人として答弁することが禁止されているが、既存の兵器システムの説明などは現役の幹部自衛官が一番よくわかっていることなので柔軟に対応していくべき」など話した。自民党の齋藤健議員は「質問がない時に出席する必要がないという運用は有用で、各大臣が国会開催中でも国際会議に参加しやすくなることは日本の国益に繋がると思う」など話した。
17日に会期末を迎える国会。残りの審議にどう向かうのか。日本保守党の島田さんは、多文化共生は日本という一地域での実現は目指さない。秩序ある外国人政策が必要。脱炭素原理主義から脱却する。原子力、石炭火力発電所を確保すべきだ。日本共産党の田村さんは、日本維新の会は、高市総理に数千億規模の医療福祉費の削減するよう要求したという。反対だとのこと。患者の負担を増大するのは認められない。軍事費が突出している。増税してまで軍事費を増やすことに反対するという。れいわ新選組の櫛渕さんは、被災者の生活再建を国が責任を持つことが重要。国民を飢えさせない、戦争をしないという柱が重要だ。高市政権は核兵器を持ち込ませることを検討したり、殺傷兵器を輸出する、ミサイルを配備することをすすめ、戦争の準備をしている。アメリカの国防長官は有事なら日本は前線に立つと述べている。国民が貧しい国はけっして強い国とは言えない。まずは経済。失われた30年を40年にしない。参政党の神谷さんは、経済を立て直すには減税が必要だという。公明党の中野さんは、すべての人が安心できる社会保障制度の再構築が必要だとのこと。公明党はジャパンファンドをつくることを提案した。安心した健康長寿社会を提案している。国民民主党の長友さんは、企業団体献金の受け手指定を提案した。政党助成金の受け取りも整備することが必要だとのこと。日本維新の会の奥下さんは、この国に必要なものを考えたいという。定数削減をこだわりたいとのこと。立憲民主党の奥野さんは、企業団体献金の透明化をはかるという。補正予算において、修正を求めていく。自民党の齋藤さんは、いま、日本は重大局面にある。 党利党略を越えて協力し、この局面を乗り越えていきたいとのこと。
エンディング映像が流れた。補正予算案の審議にどう向き合うかを聞いた。
