- 出演者
- 矢内雄一郎 佐々木明子 平出真有 藤井由依 齋藤陽 神尾篤史 深谷幸司 多田博子
テーマ「ワシントンから見る世界情勢と日本」。伊藤忠商事・多田博子の解説。アメリカとイランが17日に戦闘終結に向けた覚書に署名したが、アメリカ中央軍がイランの軍事施設を空爆するなど報復の応酬が続いている中、先ほどアメリカとイランが互いに攻撃を停止することで合意したと一部メディアが報じた。両者の主導権争いは今後も続くが、双方ともに合意を廃棄するインセンティブはないと考えられる。専門家によると、覚書はアメリカの惨敗で最悪の結果だという。この合意は米国内でも総スカンだが、トランプ大統領にとって停戦はアメリカ経済の深刻な悪影響を回避することや中間選挙対策、米軍の資源枯渇の防止という狙いがある。先ほどの速報では30日にカタール・ドーハでホルムズ海峡をめぐって協議すると伝えている。今後、覚書の延長を繰り返しながら米国とイランが交渉を続けているという建前を維持しながら大惨事を回避する状態が続くとみられる。米国はイランに対し制裁適用免除をちらつかせイランの譲歩を求めていく一方で、米国内の批判勢力に対しては「制裁は解除していない」と説明していく。
17日、トランプ大統領がイランとの戦闘を巡り「習国家主席とプーチン大統領が中立的だったと感謝したい」と述べた。トランプ大統領は従来から資源軍事大国である米国、中国、ロシアが世界をコントロールすべきとの考えがあるとされている。トランプ大統領は日本や欧州の同盟国に対して米国の経済軍事力にタダ乗りしてきたとの思いが強く、日本が米国にとって役に立つ国かを冷徹に見ていて、バンス副大統領も同じ傾向にある。
中国は長期戦略で攻勢を強めていくのが特徴。1992年、トウ小平氏が「中東には石油がある。中国にはレアアースがある」と発言。中国は長期視野で国家資源を集中投下、幅広い産業で市場シェアを握るようになった。5月に米中首脳会談を行った後、トランプ大統領は習国家主席に対して9月にホワイトハウスに招待した。9月の訪米時に1945年2月のヤルタ会談の第2段的なディールが米中露でなされる可能性も否定できない。先月の米中、中露首脳会談後、プーチン大統領特使のキリル・ドミトリエフ氏が「米中露の3カ国で様々なプロジェクトを進めていきたい」と述べた。3カ国が世界中の様々な権益を事実上押さえてしまう可能性がある。米国の有識者は日本は米国に対して「ウラルの東で日米露が協力し、アジア太平洋のエネルギー資源を含む安定化に注力し、中国の影響力拡大をけん制しようと持ちかけるべき」とアドバイスした。ウラル山脈はヨーロッパとアジアに分ける自然の境界線と位置づけられている。大和総研・神尾篤史は「日本の国益を守ることは非常に重要。力こそ正義という考えを全面的に与すべきではない。日本はこれまでサハリンなどで築いた実績を生かして、日本がいる方がロシアの利益にもなるという関係を維持することが重要」などと解説した。今後は「ウラル東での協調」をキーワードにエネルギー・資源確保が一番大事で、米国・カナダ・オーストラリア・ロシアとの協調態勢を強化していくことが大事。
国際協力銀行リオデジャネイロ駐在員事務所・金井洸樹の解説。リオデジャネイロでは外食価格などの上昇が顕著。レアル高も進んでいて足元では31円台で推移している。きょうのテーマ「中東リスクで脚光!ブラジル原油と次世代車」。中東情勢の不安定化を受けて、エネルギー供給の懸念が高まる中、資源国であるブラジルの国際的な存在感が増している。原油は2010年代半ば以降の油田開発によって2024年時点で世界全体の原油の4%を生産し、世界8位の産油国となっている。2032年までに生産量は2025年比で約3割増加する見通しで、2024年時点で5位だったイランを上回る規模となる。ブラジル産原油は成分が中東産と異なり、中東産に合わせて設計された日本の製油所で取り扱いにくい。16日、日ブラジル首脳会談ではブラジル産原油の日本向け販売について議題に上がったとみられる。
国際協力銀行リオデジャネイロ駐在員事務所・金井洸樹の解説。中東情勢の影響もあり、ガソリン価格の上昇が意識されている中、代替燃料への関心が高まっている。ブラジルではガソリンと植物資源由来燃料バイオエタノールのどちらでも走れるフレックス燃料車が普及している。現在では一般的に販売されるガソリンのエタノール混合率は30%に引き上げられている。ハイブリッド機能を組み合わた次世代車「ハイブリッド・フレックス燃料車」を先行する一部の日系自動車メーカーにとって追い風になり得る。ハイブリッド・フレックス燃料車は脱炭素と燃費向上を両立。EUとメルコスルの経済連携強化の動きが逆風になると言われている。EUではロシアのウクライナ侵攻以降、資源や食料の調達先などでメルコスルとの関係強化の必要性が高まっていた中、今年1月にFTA締結で署名され、5月にFTAを暫定的に適用している。今後、ヨーロッパ企業がブラジル市場においてプレゼンスを拡大していくとみられている。日本とメルコスルの間では貿易協定が存在しておらず、関税の違いによって価格競争力に差が出る可能性がある。日ブラジル首脳会談では日本とメルコスルの経済連携協定の交渉開始について合意された。交渉の進展次第では制度面の不利が解消される可能性もある。
全国の気象情報を伝えた。
中東ホルムズ海峡をめぐってアメリカとイランが互いに攻撃を停止することで合意した。30日にカタールの首都ドーハで協議が行なわれる。深谷は「マーケットはもう落ち着くだろうと思ってるんじゃないか。為替に関しては金融政策に関心は移っている」と解説した。先週金曜日で6月の総会のピークが過ぎた。神尾は「株主提案数は去年に引き続き高水準で、物言う株主の提案もかなり多かった。取締役の選任の提案が多かった。投資家が企業にガバナンスなどの改善を促す動きは今後も続く。今後は企業と投資家の双方が対話のあり方を見直していく段階に入りつつある」などと解説した。円安が進み、今週介入の可能性について深谷は「やる条件が整いつつある。一連のイベントが終われば動きやすい」などと解説した。
