ワールドビジネスサテライト (ニュース)
日本とNATOが連携を強化する理由は軍事的な対立の構図がより世界規模に広がってきたから。NATOは、ロシアやベラルーシを軸とするCSTO(集団安全保障条約機構)の軍事同盟と対峙している。先月には、そのロシアが北朝鮮と戦争が起これば互いに支援を行う包括的戦略パートナーシップ条約を締結し軍事同盟に近い関係を築いた。さらにプーチン大統領はカザフスタンで開かれた上海協力機構の首脳会議で中国・習近平国家主席と会談し、連携を強めている。このようにロシアが活発に反NATO陣営と関係を深める以上、NATOとしても地理的に近い中国や北朝鮮を意識せざるをえなくなる。このため、両国と対じしている日本や韓国と連携を強めることにした。岸田総理は「ウクライナは明日の東アジア」だと何度も発言していて将来、万が一、台湾有事となれば、米国を盟主とするNATOとの協力は極めて重要になる。一方で、11月の米国の大統領選挙でNATOに批判的で米国第一主義を掲げるトランプ前大統領がもし勝てばNATOの弱体化につながり、ロシアや中国が優位な状況へと世界の構図が大きく変わる可能性もある。世界中が米国大統領選の行方を注意深く見守っている。